My Last Adventure ~40代からの世界一周旅行記~
Traveling around the world from my 40’s
昔、高橋歩という旅人がいた
彼はインターネットもまだ普及してない時代に好奇心と勢いだけで世界一周してしまった
しかも夫婦で新婚旅行でだ
そして1年8ヶ月間にわたる世界一周帰国後も沖縄に自給自足のネイチャービレッジを創り、自由な生き方をテーマに自由人として執筆活動や講演を行なっている
それを知った時、「世界一周」は僕の退屈な人生の中に冒険感とスパイスをもたらす目指すべき夢となったのだ
しかしそんな高橋歩の生き方に感銘を受けて早数年、僕は世界一周に憧れながらも一日12時間労働を強いるブラック企業に身を沈めていた
そして僕は世界一周に出るには歳をとり過ぎていた
そうである 身を粉にして毎日ロボットのように働いて気づけば僕は40代になっていたのだ
その年齢的な負い目から僕は「世界一周など時間とお金に余裕のある一部の人だけが出来る夢のまた夢」、「自分はもう若くない」と自分に言い聞かせるように世界一周という言葉を自分の胸の深いところに仕舞っていた
そして数年が経ち世界一周を忘れかけていた頃、偶然一人の世界一周中の旅人のブログに出会った
彼はギター1本で世界の路上で歌いながらお金を稼ぎ世界を回っていた
その独特の冒険心溢れる旅に引き込まれ、夢中になって彼のブログを最初から読みあさった
日本から世界に旅立つ出発の船の甲板で彼は初老の外国人男性とこれからの旅について言葉を交わしている
その中で初老の外国人が彼に言った言葉で「マイラストアドベンチャー」というフレーズがどこか心に引っかかっていた
初老の男性は自分の旅を「ラストアドベンチャー」そう形容したのだ
そうなのだ 歳をとってからでもきっとワクワクする旅はできるはず
何も歳をとったからと言って人生を楽しんでいけない訳でもなく、楽しい事がなくなった訳でもないのだ
人は色んなものを諦めながら大人になっていく
これまでの人生と同じように幾つも理由や言い訳をくっつけて僕はまた大事な何かを諦めてしまうところだった
彼のブログの中に登場したほんのひとコマの老人の一言に目を覚まされたのだ
よってこのブログのタイトルはその老人の言葉をかりている
今からでももう一度挑戦したい 日本での全てを捨ててでも夢を叶えてみたい
そして僕も自分のラストアドベンチャーに出ようと決意を固めた
これは40代という人生の中盤に差し掛かった僕の最後の冒険だ