2018年2月28日
朝8時30分に目を覚めまし、実家の自分の部屋から下に降りるとリビングにパンとコーヒーが用意されていた
簡単な朝食を済ませながらメールで今日乗る飛行機の遅延の知らせが来てないかなどをチェックした
9時になったのを確認してからUQモバイルに電話 今日付けでの解約を伝えた
対応してくれた担当者の人によると海外に行くならそのまま今入ってるシムをダミーシムとして使っていただいて結構ですよとの事だった
海外で野良wifiや公共のwifiに繋げるにしてもスマホはとにかく何かシムが入ってないと動かないのでそのためのシムとして使っていいって事だ
しかも解約を申し入れた当日はまだずっと使えるらしいのでありがたいです
これで空港でわざわざまたwifiに繋がなくて済む
昼の15時10分のフライトまでまだ時間もあったので日本での最後のシャワーを浴びた
京都駅からは関空特急「はるか」に乗って関空まで行く
昼12時過ぎのはるかに乗る為に11時30分に叔父の運転する車で実家を出た
駅前でこれでもかという位の大きさのバックパックをトランクから引きずり出した
バックパックはdeuter(ドイター)のエアコンタクトプロの70L+15を使用してます
サブバックはアマゾンで購入したなんか折り畳んでしまえるというヨレヨレの生地のバックです
折りたためるというメリットの為に生地が薄くて世界一周に持って行くには何か頼りないです
車から2つのバックを降ろし叔父に言った「ほな、行ってくるわ」
叔父「おう 気ぃつけて行ってこいよ」
お互い短な言葉を交わした後、京都タワーの下で叔父の車を見送った
さて、担ぐか旅の相棒を
メインバックを背負い、次にサブバックを欧米人バックパッカーがよくやってるように体の前側に背負う為に持ち上げたその瞬間である
ブチ! ドサッ!!
嫌な音を立ててサブバックは僕の手から離れ地面に落ちていた
僕の手にはチャックの引っ張る部分だけが残っていたのだ
早速バックに問題発生 まだ日本である
海外どころか、いやむしろ空港にすら到着してない京都の駅ビルの前でサブバックの第一チャック破損である
後から思うにこの折りたためるサブバック、色んな意味で大失敗でした
左がサブバック
バックの内側の生地がすぐにボロボロに剥がれて来てカバンの中じゅうがゴミだらけになるわ、タイのバンコクでバックの外側についてる小物入れのチャックがスタックして動かなくなる、そして同じくバンコクで最後のチャックも破損
とにかく致命的にチャックの構造が弱いです あれでは軽い書類と文房具くらいしか入れられないのではないだろうか 間違ってもそれなりに荷物を入れる事になる世界一周に持って行くタイプのバックではありません
そもそもサブバックを折り畳んで携帯できるほど僕の荷物は少なくないのだった
完全にチョイスをミスりました
まだ旅が始まってもいないのに壊れる最弱のサブバックにヘコみながらも京都駅ではるかの切符を購入し、関空に向かった
ほどなくして関空到着
スクートのチェクインカウンターで荷物を預ける際に重さがオーバーしてないか気になったが無事に通過できた
ホントよく通ったな、あれで・・
ただその時受付の女性に「帰りのチケットは持ってますか?」と聞かれた
ん?シンガポールって入国する時にアウトチケット必須なのか??
当然俺は陸路でマレー半島を北上する為にそんなもの持ってない
「いえ、シンガポールのあとはマレーシアに行きそのままタイまで行くのでシンガポールを出るチケットは持ってません」
受付女性「タイまで行かれるのですね ではシンガポールの入国審査でタイから帰るチケットの提示は可能ですか?」
「いや、自分その後も東南アジア回ってその後も色んな所に行きます 2年は日本に帰らない予定です」
受付女性「えーっと・・・わかりました」
何か嫌な予感がする とりあえず航空券は貰えたが一抹の不安が残るやり取りだった
パスポートに航空券を挟みながら少し思い出していた
シンガポールってアジアの中では入国審査厳しい方だったとネットで見た覚えがある
向こうまで行ってアウトチケットが無いから入国拒否とかないよな?大丈夫だよな?
とりあえず両替所で1万円分だけシンガポールドルに変えた
1シンガポールドルが81円くらいなので感覚として1シンガポールドル80円と思っておこう
財布の小銭入れを見ると600円ほど小銭だけであった 日本円の小銭を海外に持っていっても仕方ないのでスターバックスでホットのラテを飲んだ
隣でタイのパスポートを持った親子が帰国の便を待ってるようで談笑してる
年配のお母さんとその息子のようだ
息子さんが母親を日本旅行に連れて来てあげてるのかな?立派なものだ
俺はどうだろう?
自分一人で世界一周なんて贅沢なものに出て家族には何かして来ただろうか?
出発直前に何か胸に刺さるものを嫌って僕はラテを早めに飲み干した
搭乗口に向かう為に恒例の荷物検査と出国審査がある
まずは手荷物検査 出発ゲートをくぐった
いつも海外旅行に行く時と変わらずあの平べったいカゴに自分の荷物を見えやすいように並べる
ベルトコンベアーが動き自分の荷物がX線の機械が待つカーテンの向こうに消えて行く
荷物検査を終えて自分の荷物を回収してカバンに詰め直す際にパスポートを床に落としてしまった
危ない危ないとすぐに拾い上げて出国審査に向かった
そして出国審査で自分の番が回ってきて出国審査官に自分のパスポートを手渡した時に何か違和感を感じた
何だろ・・?
あ!!
パスポートに挟んでたはずの航空券が無い
マジか!?え?何でだ?
すでにパスポートは審査官の手にある 審査官の前に立ちながら僕は自分のサブバックの中を探しまくった
あ、あの時だ!
荷物検査が終わった後にパスポートを落としたあの時に挟んでいた航空券が飛んでいったんだ 間違いない
ちょっ、これマズいんじゃないか?ここ通れないんじゃないか?と思ってたら審査官があっさり出国のスタンプを押してパスポートを返してくれて次の人に声をかけていた
あれ?俺航空券なしで通れたのか?っていうか出国審査ってパスポートと航空券がセットじゃなくても普通に通過出来るもんなのか・・?
焦りながらも出国が出来てしまったので免税店が並ぶ通路のベンチに座ってもう一度サブバックの中をしらみつぶしに確認した
やっぱり無い 何度見てもチケットが無い
確か搭乗ゲートの番号もチケットに記されていたはずだが覚えてない
フライト情報が出てくる電光掲示板で自分のフライト時間と航空会社から自分の搭乗ゲートを確認 すぐに向かった
搭乗ゲートにいる受付スタッフに事情を説明すれば何とかしてもらえるはず
ただ気ががりなのはこれがLCCだという事
安い代わりに他のサービスがカットされてるのはもちろん、キャンセル出来ないとか荷物の重量が厳格に決められているとか制約に厳しいのもLCCの特徴
なのでチケットを紛失した場合、チケット買い直しなどを告げられるんじゃないか?
それだけが心配だった
「すいません、あの、搭乗券を落としてしまったようで・・」と恐る恐る現状を伝えると名前とパスポートを確認されただけですぐに代わりのチケットをくれた
はぁ〜〜〜・・・・・
長く深いため息が出るほど安堵した僕はこれも世界一周の洗礼かななんて思いながら搭乗ゲートのガラスの外を見た
僕を世界一周に連れて行く航空機が目の前に止まっていた
今まで海外旅行に何度も行ってるがチケットを無くすなんて初めての経験だ
通常起こらないことが起こるのが世界一周 そう言われてる気がしたのだ
飛行機はいつものように飛び立ち、少し乱気流に揉まれながら6時間半ほどでシンガポールのチャンギ国際空港に降り立った
同じ飛行機に乗ってた人たちと同じ方向に歩き、入国審査に向かった
関空でのチェックインカウンターでの「帰りのチケットは持ってますか?」という会話が頭をよぎる
あのまま航空券をもらえたって事は大丈夫だよな?アウトチケット無くても入れるよな?
シンガポールの厳しいと噂の入国審査に不安を抱えたまま列に並んだ
特定の入国審査官に向かって一直線に並ぶタイプの入国審査では無く、いくつも審査の小さなブースがあって空いた場所に振り分けられるタイプ
つまり旅行者は入国審査官を選べないシステムだ
多分、入国審査官と悪い集団が後ろで手を結び自分の息のかかった審査官のところに並んで容易に通過したり出来ることを無くす防犯の意味でこうなったんだと思う
そもそも従来の入国審査はこっちが審査官を選べる状態になってる事自体がおかしかったわけだから
そしてついに俺の番が来た
案内された先にはヒゲをたくわえたインド系のイカつい男性審査官がいた
うーむ、勝手なイメージだが他の審査官より明らかに厳しそうに見えてしまう
というか超怖ぇ
ヒゲ「今回は観光か?一人か?」
「観光で一人で来ました」
ヒゲ「ん?何で入国カードの滞在先の欄が空白なんだ?」
「今日は遅いのでこの空港に泊まって明日からホテルを探そうと思ってます」
ヒゲ「んーー・・・そうか ところでいつまでシンガポールにいるつもりだ?」
「えっと、一週間ほどです」
ヒゲ「じゃあ一週間後に日本に帰る航空チケット見せて」
来たーーー ついにこの時が来てしまった
怯えたチワワのようになりながら僕は
「いえ、シンガポールの次はマレーシアに行くのでシンガポールから帰るチケットは持ってません・・」
ヒゲ「じゃあマレーシアから帰国のチケットは?」
「マレーシアのあとはタイに行きます そのあとはカンボジアとラオスに行く予定です」
ヒゲ「じゃあラオスから帰るのか?」
「いえ、ラオスの後はまたタイに戻ってその後はミャンマー、ネパール、インドなど回ります」
ヒゲ「待て待て、じゃあお前はいつ日本に帰るんだ?」
「2020年です」
ヒゲ「ワァットゥ!?2020年だと?」
「はい、世界一周して2020年に日本に戻るつもりです」
ヒゲ「2年って金はどうするんだ?お前仕事は?まさか途中の国で不法に就労するつもりか?」
「仕事は現在してません 日本で貯めて来たお金で出来る限り回ります」
ヒゲ「リアリィー?ハッハッハ お前はクレイジーだよ、やり遂げろよ
Good luck!!」
バン!!!と力強い音を立ててパスポートの1ページ目に世界一周最初の国のスタンプが押された
入国拒否どころかヒゲは僕にグッドラックと言ってくれたのだ
世界一周のスタートに充分パワーをもらえる言葉だ
僕はもうこの時点でシンガポールを好きになり始めていた
当分このチャンギ空港にはお世話になるつもり
ターミナル3の1階に24時間の荷物預かり所を見つけてメインバックを半日預けた
時間はもう夜の10時 今から街に出かけたら帰りは空港までの地下鉄は無いかもしれない
それでも初日の東南アジアの夜気を感じたくて飛び出さずにはいられなかった
すぐに地下鉄に飛び乗りシンガポールの夜の街へと繰り出した
まさに文字通り僕の「ラストアドベンチャー」の始まりだ
コメント
あーーーワクワクする
先週ベトナムから帰ってきた還暦おやじです
どうかご無事で
GOOD RACK!て
ありがとうございます!
ベトナム帰りの方からそのような言葉をもらえると心強いです!
こんにちわ、30代の女性です。
ここまで読み入ってしまいました。私もいつか、自分の足で世界をゆっくり歩いてみたいです。
コロナウイルスで自宅待機中ですので、今からじっくりこの後の旅の記録を読み進めさせて頂きますね。
まだ海外にいらっしゃるのでしょうか?
お体に気を付けて、楽しんでください。
harumame様、コメントありがとうございます!
僕はまだ海外に滞在しております
コロナの自宅待機長いですよね
ブログ結構長いのでゆっくり読んでくださいね!