2019年5月21日
ウーバーの窓から昨日も見た例のタワーが見えて来た
ここはヨハネスブルグの中でも特に近づいてはいけないと聞いていたポンテタワー
前の記事でも書いたけど、ここは一時期浮浪者や売春婦やクスリの売人にギャングとそうそうたる顔ぶれに占拠されてしまい普通の人が足を踏み入れるとまず殺されるか身ぐるみ剥がされていた
その為ここは「生存可能時間15秒」と恐れられたタワーだ
僕は今日そのポンテタワーの中の様子を見にやってきた
下から見上げたポンテタワーはここだけ摩天楼のごとく高々と、そして何か不吉なものを想像させる
ponte city apartment(ポンテタワー)の場所はここ
ここがポンテタワーのエントランス
ここの住人らしき人達が数人タワー前にたむろしてるが特に危ない感じではない
真下から見上げると迫力あるな・・・
今日はこの最上階付近まで行くぞ
意を決して中に入ると一階には小さな商店や美容院がテナントとして入っていて普通に営業している
殺さないでと思いながら突っ込んだのでなんだか拍子抜けしてしまったが、この感じじゃポンテタワーに今は普通の住人が沢山住んでるってのは本当のようだ
でもここはまだただの入り口
この1階から地下駐車場に繋がる階段があるとの情報を得ていたので階段を探して地下のポンテタワーの最深部を目指す
そしてたどり着いた最深部から見上げた景色がこれ
ポンテタワーは中は吹き抜けになっている
一番上の穴から差し込む太陽の光がこの最深部を照らす唯一の灯
これがポンテタワーの内側か・・・
そしてここが紛れもない最深部
聞いた話じゃここが荒れ果ててる時、タワー上部から何人もの人がここに落とされて殺されていたらしい
殺そうと思うターゲットの身ぐるみを剥いで金目の物を奪ったらわざわざ自分たちでナイフや銃で殺さなくても数人で上から落として転落死って事にしてたらしい
その落とされた人達が最後の瞬間叩きつけられたのがこの岩場のような整備されてない場所
ここに落下して死んだ人は何百人といたらしい
そしてその上にはゴミが上から投棄されてこのタワーの地下にあたる部分は全部ゴミで埋め尽くされていたそうだ
転落死させられてその上にゴミを被せられるなんて死に方は想像もしたくない
時には警察官すらターゲットにされたらしい
今自分がそんな場所に立ってるなんて奇妙な気分だ
怖いわけでもなく何と言うか悲しい気持ちとどこかここに居てもそんな事があった場所なんて信じられない、受け入れられない自分がいる なんとも不思議な気持ち
あ、よく考えたら俺すでに15秒以上生きてるな・・・よかった
タワーの外で何か建設中らしくカーン、カーンと鉄を叩くような音が聞こえそれがポンテタワー内部に響き渡る
本当に俺今あのポンテタワーの中に、そしてその最深部にいるんだよな
まさか自分でも本当にここに来るなんて思って見なかった
最後にもう一度ポンテタワーの内部を見上げて、今度は逆に上層部に移動しにいこう
螺旋状に構成されている駐車場を登りながらもとの一階に戻る
途中外にはラクビーやサッカーに使用されるエミレーツのスタジアムが見える
そういえばたしか2010年の南アフリカワールドカップの決勝の舞台もヨハネスブルグだったよな
あのときはたしかスペインVSオランダで僕はオランダを応援してたんだけど負けてしまってスペインが初優勝したんだよね
駐車場を上がって1階に戻って来た ここが居住者が出入りする通過ゲート
ここを通ってエレベーターで現在いける一番上の53階まで一気に行く
そしてたどり着いた53階
最深部から見た形からもわかる通りポンテタワーは円柱になっており中身は吹き抜けの為、各階層の通路もこのように大きく弧を描いている
円になってるのでそのままずっと歩くともとの位置に戻って来る作りだ
以前落下して死亡する人が多かった為、今では吹き抜け部の窓はすべて開かないようになっている
窓越しにポンテタワーの内部を見下ろして見た
こんなところを人が落下して行ったなんて・・・数秒とはいえ死の間際に何が頭をよぎったんだろう
無念か恐怖か後悔か憎悪か
53階よりも上の階層はこのようになっている為に今現在登れる最高の高さが53階
通路から中が見える空き部屋があったので撮影
ソファーしかないので殺風景だけど思ったよりはマシな部屋
家具が揃ったら普通に暮らせてしまうなこれ
因みにこのPonte city apartment(ポンテタワー)の家賃は平均2800ランド
部屋によって多少家賃は違うけど平均2800ランド(約20500円)で住めるらしい
あと今ここに住んでる住人がAirbnbで部屋を貸し出してるそうです
それを利用すれば生存可能時間15秒と言われたこのポンテタワーに宿泊するなんて事も出来てしまう訳だ
あ、もし泊まるようなチャレンジャーがいたとしても部屋を出て周辺を歩く時には十分な注意が必要なのでその辺は自己責任で
今はポンテタワー内部よりも周辺の街の方が危ないので
そして53階の部屋から外の景色を見せてもらった
その景色がこれ
大都会 マジで都会過ぎる
ヨハネスブルグは実はケープタウンよりも都会と聞いてはいたけどこれは想像以上だった
首都のプレトリアよりも有名なケープタウンよりもここが南アフリカで一番の街なのだ
立ち並ぶビル郡に車のけたたましいクラクション
建設中の高層ビル、コンクリートジャングルならではの反射熱
これはもうビルや街の創りだけでいうと東京の一部となんら変わりない
もちろん所々に廃墟やホームレスの溜まり場になってそうな場所も見えるがここからこの大きな街を見ているとここがアフリカ最凶都市なんてことを忘れてしまう都会っぷりだ
もっと荒れ果てた街を想像してヨハネスブルグにやって来たもんな
そして遠くには南アフリカワールドカップの決勝で使用されたスタジアムが見えた
上の写真の中央奥にお皿のような白い建造物があるのが見えるだろうか
あそこでスペインとオランダが戦ったのか
そしてあれからもう9年も経ってるんだな
僕は旅人の中やネット上で実しやかに囁かれていた「リアル北斗の拳」と呼ばれる街を求めてここヨハネスブルグにやって来た
でも僕が実際にヨハネスブルグに辿り着き、ポンテタワーの登ってこの街を見て思ったのはリアル北斗の拳なんて呼ばれてたヨハネスブルグはもうすでに無いという事
犯罪率で言えばまだまだ世界でダントツの部類に入るこの街だが、ヨハネスブルグも徐々に変わって来ている
この街に来るまでは正直ビビリまくってたアフリカのラスボスのヨハネスブルグ
でも僕の中でこの街の印象は来てみて格段に上がった
もう本当に荒野で荒れ果てた悪者たちが牛耳ってる街なんてこの世界には無いのかも知れない
コメント
ポンテタワーが危険な所だったのは、昔の話かもしれませんね。こちらの記事も衝撃的でした。
ペンギン様、コメントありがとうございます!
そうです、すでに中は普通の居住区となっています
今危ないのはポンテタワー周辺の町ですね