2019年6月14日
昨晩野宿した墓地で目を覚ますと曇り空の切れ間から一筋の光が海に向かって差し込んでいた
朝からなんとも幻想的な風景だ
ここが僕が昨日野宿した古ぼけた墓地
昨日の夜はさすがにこんなところ絶対人が来ないだろうと思ってテントを建てたが深夜に2人ほど誰かがテントの横で止まり、通り過ぎていったのを覚えている
深夜にこんな場所を歩いてる奴も相当やばいけど相手もこんなところにテントを張って寝てる奴もヤバイ奴と思ったのか向こうからコンタクトは一切なかった
テントの横を通り過ぎてくれたことにホッとして再び眠りについたのを覚えている
寝ぼけ眼をこすりながらテントをたたんで出発する準備をし山を下りた
昨日野宿する場所を探してる時に歩き回ってた海沿いの道に戻って船の出発までまだ時間があるのでモロッコでの最後のカフェタイム
僕は今日スペインに行く つまりヨーロッパに戻る
そうなったらもうこのミントティーを飲むことも無いだろうな
アフリカ最後の時間と最後のミントティーの味を噛み締めた
そして時間前に余裕を持ってフェリー乗り場に到着
利用したフェリー会社は上の写真の赤いプレハブ小屋の事務所のFRSという会社
予約してるチケットのPDFの画面をこのプレハブ小屋の事務所で見せます
するとチケットをもらえるのでそれを持ってフェリーターミナルの中に入り出国カードを書いてフェリーターミナル内のイミグレに向かう
イミグレに並んでる時に僕の目の前の外国人の男性に話しかけられた
彼の名前はジェームス
なんと偶然にも昨日僕が野宿するために最初に訪れた大きめの門が閉まっていた墓地の目の前の立派な建物に住んでいるという男性
確かに昨晩墓地に向かって門が閉まっていて中で野宿できないことを知って 別の場所を探しに行こうとした時に目の前にかなり大きな住宅があった
それがなんとこのジェームスの家だったのだ
僕が昨日その近くの中に入れる古びた墓地で野宿した事を話すとジェームスは
「あんな場所で寝たの??よく何もなかったね 多分君はラッキーだったと思うよ。昨日知り合ってたら泊めてあげたのに」と言った
やはり少々危ない場所だったみたいだ
ただあの家の持ち主ということはもうジェームスという男性はそれなりの金持ちって事になる
しかもこのジェームス、モロッコ人という訳ではなくメインの国籍はニュージーランド
パスポートも複数持ってるという
聞けばフランスやロンドン、ニュージーランドにフィジー島にも家を持ってるらしい
あまりのスケールのでかい話になんの仕事をしているのか聞くと果物からお酒を作る自分の会社を持っているとのこと
そしてその作ったお酒は世界各国で販売されていると言う
そうか、事業で一発当てた実業家だったのか
でないと世界の至る所にそれだけ家を持てないよな
ジェームスは僕と同じくスペイン側に渡ってそのままイギリスの飛び地ジブラルタルに行くらしい
スペイン側の船着き場にはジェームスの知り合いが車で迎えに来てるらしい
彼はそのままその車に乗ってジブラルタルに入る
ジェームス「君もジブラルタルに来たいかい?もしジブラルタルに来たかったら一緒に連れて行くよ 向こうで一緒に過ごすことも出来るし」
旅先で出会った外国人からそういうお誘いを受けるのは嬉しいもんだ
でも僕はしばらく考えてありがたいけど丁重に断った
実はスペインで待たせている人がいる
僕はスペインに入ったらすぐにマラガという街に向かう
そこでとある旅人と再会する予定なのだ
ジブラルタルも興味あるしジェームスの申し出はありがたいが今は先に進まないと
これが僕らが乗るFRSのフェリー
これに乗ればものの1時間ちょっとでスペインの港町タリファだ
フェリーの中は思った以上に豪華でゆっくりくつろげる
ただしこのフェリーある程度スピードが出るので、波で少し揺れるので人によっては少し酔いやすいかもしれない
ジェームスと仕事の話などをしながら窓の外の打ち付ける波を見ているとあっという間にスペインの地が見えてきた
この世界一周の旅でヨーロッパに入るのは2回目
僕は去年フランスのパリで年末年始を過ごしたので最後ヨーロッパにいたのは今年の正月だ
あれから中東のヨルダンに飛びイスラエルに行き、ヨルダンに戻ってそこから船でエジプトに入った
あれからずっとアフリカを旅してきて5ヶ月ちょっと
ついにヨーロッパに戻ってきたぞ
シェンゲンの日数も回復してるのでたっぷり3ヶ月ヨーロッパに滞在することが可能だ
スペイン側の港町タリファも立派な街になっていた
港なのに早速城壁なんかが見える
彼がジェームス ジェームスのお迎えに仕事関係か何かの女性が車で迎えに来ていた
ジェームスとはここでお別れ
ジェームスありがとうね 短かったけど楽しかったよ!
今度はニュージーランドかジェームスの行きたがってたウルグアイで会おうね
さてここから僕の目的地マラガという街まではまだある程度距離がある
ここからはバスを乗り継いでの移動だ
このスペイン側のタリファという町からはすぐ近くのアルヘシラスという町にバスが出ている
しかもこのバスFRSのフェリーに乗ってきた人なら無料で乗せてもらえる
つまりFRSのフェリー代にこのバスの料金も含まれてるような感じだ
とりあえずそのバスに乗ってアルヘシラスに向かう
海と山を見ながらバスに揺られているとあっという間にアルヘシラスの町に着いた
このアルヘシラスという町からマラガに向かうバスが出ているらしい
ただしっかり調べてなかったのでこの町のどこからバスが出てるのかがわからない
困りながらも街を歩いてるとツーリストインフォメーションを見つけたのでそこに入ってマラガ行きのバスがどこから出てるのかを聞く
するとそのツーリストインフォメーションからそう遠くない場所にAvanza(アバンザ)という名前のバス会社のターミナルがあることが分かった
そこからマラガ行きのバスが出てるという
汗を垂らしながら教えてもらったバスターミナルに行きマラガ行きのチケットを購入
14時出発 値段は18.7ユーロ (約2250円)
このバスの値段の高さ ヨーロッパに戻ってきたなぁと痛感
これがマラガ行きのアバンザのバス
そして約2時間バスに揺られてたどり着いたマラガの街
おおぉぉぉぉ ついに
ついにヨーロッパに戻ってきたぞぉぉぉぉ
路地裏のカフェで美味しそうなホットチョコレートとチュロスの店を見つけ、嬉しすぎてまだ宿にチェックインもしてないのにテーブルに座り込む
ちなみにチュロスってスペイン発祥です
スペインに来たらホットチョコレートとチュロスを注文してチュロスをちぎってホットチョコレートにつけながら食べてみてください
メチャ旨いので!
ここで一旦宿にチェックイン
荷物を置いて落ち着いたらいつも通り街歩き
イスラムのモロッコからカトリックのスペインに入って自由度や雰囲気、人々の服装が一気に変わった
若い女性の3人に一人くらいはヘソ出しで露出の多い服装をしてかっこよく街を歩いている
豪華絢爛な建物に囲まれた広場と噴水
完全な歩行者天国にしたショッピングストリート
観光客相手にお店を出している豪華なレストランに昼間からお酒の飲めるバル
蘇るカフェ文化
もうここは完全に優雅だけどお金がバンバン飛んでいくあのヨーロッパだ
そして夏に差し掛かったヨーロッパの日差しは熱く強い
小さな路地裏に入ってもちゃんと清掃員がいてゴミひとつ落ちてない
アフリカから戻ってきた僕には急激に何もかもが変わりすぎて戸惑ってしまうと同時にこの優雅な街並みに嬉しさも覚える
何もかもが豪華で贅沢だ そしてその分何をするにもお金はかかる
相変わらずどこか古さを残しながらもダイナミックな街並みだ
あまりの暑さにジェラート屋に入ってジェラート購入 生クリーム付きで(笑)
3.5ユーロ 高けぇ
続いて購入したのがこれ
イベリコ豚の生ハムの挟まったサンドイッチ
確か5ユーロか6ユーロ 生ハムが入ってるとはいえサンドイッチでも高い
その後もカフェなどに寄ったりしながらヨーロッパの雰囲気を楽しみながらマラガの街を練り歩いた
夕方宿に戻るとスタッフが無料でサングリアを配っていた
ご存知の方も多いと思うけどサングリアっていうのはスペインやポルトガルなどの西ヨーロッパでよく飲まれる赤ワインに果物やスパイスを加えて作った飲みやすいワインだ
僕は基本お酒が飲めないしお酒も好きじゃないんだけど、この暑いアンダルシア地方の太陽に照らされたヨーロッパに戻ってきた初日ということでつい嬉しくなって一杯だけサングリアを頂いた
さらに外食の高いこの街で外に出なくてもこの宿で5ユーロ払うと食事ができてしまう
出てきたのはクスクスにトマトソースを使ったミートボールがかかったものにポテトが添えられてる食事
ヨーロッパで5ユーロで一食済ませられるなら安いもんだ
アフリカからヨーロッパに戻ってきて夏にさしかかったこの季節のスペインは太陽がなかなか沈まない
ヨーロッパの、そしてスペインの自由な空気を胸いっぱい吸い込んで久しぶりの雰囲気に身を任せてリラックスした
宿の屋上から見上げた空は夜の8時になってもまだ青空だった