2020年10月3日
おはようございます
昨日の続きからです
グアナファトのミイラ博物館に圧倒された僕は最初にバスターミナルから持ってきたバスに再びに乗り込みグアナファトのセントロ(中心)を目指した
ただこのバス、セントロに向かうはずなのになぜか地図アプリを見てると最初は町の中心に向かっていたのに途中から郊外の方に向かって走り始めてるような気がする
なんだか街の中心から離れていくのが怖くて途中で見切りをつけてバスを降りてしまった
後からわかったことだけどこのバスは一旦郊外の方に入って、すぐ折り返してまた街の中心に向かうというルートを通るバスだったみたいだ
仕方ないのでここから街の中心まで2〜3 km歩く
何年もかけて手で掘ったような地下道のトンネルを歩いて街の中心を目指す
グアナファトは基本観光客も多い治安のいい街だが2箇所だけ危ないと言われている場所がある
ひとつは「ピピラの丘」と言うグアナファトの街を見下ろすことが出来る丘に通じる細い住宅街の中のような路地
そしてもうひとつがこのグアナファトの街に張り巡らされてる地下道だ
僕は昼間だったから良かったけど夜にこの地下道のトンネルを一人で歩くのはさすがにちょっと危ないかもね
トンネルを抜けて地図アプリを見ながら昨日予約した宿に向かってグアナファトの街並みを見ながら歩く
ヨーロピアンや地元メキシカン達がたくさん旅行に来ているこの街にはおしゃれなカフェやレストランが立ち並び細い路地がまるでヨーロッパの街のように絵になっている
路地の両側の建物をつなぐ渡り廊下のような所までもがお洒落なカフェに変わっている
綺麗な街並みとこのゆるい雰囲気
外国人観光客の多さを見る限り久々に観光地って感じの場所に来れたようだ
宿に抜ける可愛らしい小道を通り奥に進んで行く
路地を回り込んだところに今日僕が泊まる宿が現れた
Casa Lupita Homestayという宿
ドミトリーと個室と両方見せてもらって朝からの移動で疲れてたから今日1日だけ個室に泊まって明日からドミトリーに移らせてもらうことにした
Casa Lupita Homestayの場所はここ
Casa Lupita Homestay
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★★☆
- 価格 :★★★★☆
- 清潔感 :★★★☆☆
- WIFI :★★★☆☆
※あくまでも個人的な評価です
グアナファト劇場と言う劇場の裏手にあるホステル
街の中心から非常に近く、値段もそこそこ安いしスタッフも質問にはしっかり答えてくれるのでいい宿だったと思う
無料の水のサーバーがあり、本来有料の紅茶やコーヒーをタダにしてくれた
Wifiはキッチンやキッチン横の共有スペースだとかなりスピードが出る
部屋の中もWifiは通じるけどスピードはそこそこ
宿の目の前や裏の路地に夜音楽隊がやって来るのでうるさいのが苦手な人には合わないかも
でもグアナファトは夜まで音楽が鳴り止まない街なので夜やって来る音楽隊の音楽も楽しめる人なら全然ありだと思う
朝から移動してきたのでちょっと疲れてるけど宿のチェックインも終わったことだし改めてグアナファトの街の中心を歩いてみることにする
街の中にはコロナウィルス対策で手洗いのできる水のタンクが設置されていた
街の中心に続く道を多くの人が楽しそうに歩き、いたるところでバスカー達が歌を歌ってお金を稼いでいる
グアナファトの街の中心に出るとそこにはグアナファトの大聖堂がそびえ立っていた
大聖堂の前の広場にはレストランのテラス席が並び、昼間から観光客たちがビールを煽って料理に舌鼓を打っている
ここまで観光客が戻ってるとは正直思わなかったな
ここグアナファトはグアナファト州の州都
メキシコ北部の街の中でも観光客が多く集まる一大観光地
映画レジェンドオブメキシコの撮影の舞台でもある
また歴史の古いグアナファトの市街地の中心は世界遺産に登録されている
僕が大聖堂の前の広場でグーグルマップを見てる時にさっきまでいろんな観光客に声をかけていた黒い制服を着た男性が僕に話しかけてきた
「オラー コモエスター 良かったら今晩エストゥディアンティーナに参加しないかい?」
エストゥディアンティーナという言葉はここに来る前に聞いた事がある
エストゥディアンテという単語はスペイン語で「学生」って意味
エストゥディアンティーナとはグアナファトの学生による音楽隊の事だ
その音楽隊が夜にグアナファトの街を観光客と一緒に音楽を奏でながら歌い歩くのだ
とはいえ実際のところ今はもう学生じゃない人たちがやってるらしい
これはそのエストゥディアンティーナの勧誘
せっかく夜遅くまで音楽の絶えない街に来たので参加してみることにした
勧誘してきた男性に聞いたところエストゥディアンティーナの開催は夜の7時半からと夜の9時からの2つ
とりあえず夜の7時半のエストゥディアンティーナのチケットをその場で購入した
料金は100ペソ(約500円)
これがチケット
左のPROMOTORっていうのはチケットを売った人の名前だ
真ん中のHORARIOSが7時半か9時かどちらの時間に参加するか
その右横のFECHAは日付という意味なので1年前のチケットなどを持って来られないように今年の2020という数字が書かれている
これで夜の予定は決まったのでそれまではグアナファトの街を歩きながら事前にいくつかチェックしてたお店にいってみよう
やって来たのはここ
Estación Gelato(エスタシオン ジェラート)というジェラート屋
グアナファトにはいくつもジェラート屋さんがあるんだけどその中でもここはグアナファトの中で一番美味しいと言われているお店
お店のオーナーが毎日新鮮な果物などを使い余計な添加物を入れずに作っているジェラート屋だ
僕が行った時オーナーは不在だったがお店のスタッフにどれが一番人気?っと聞くと「アルコール抜きのモヒート味とチョコレート味が人気だよ」っと教えてくれた
教えてもらった通りにその2つをカップで注文
外に持って出て食べようと思ったらお店にスタッフが屋上テラスもあるよーと教えてくれたので細い木の階段を登って屋上に出てみた
テーブルと椅子がいくつか並べてあり、布が貼られて日陰が作られている
なるほど ここからグアナファトの山手の景色を見ながらゆっくり座ってジェラートを食べれるわけか
人も少ないしここはゆっくり出来そうだ
食べてみたジェラートは素材の味が生きていて本当にフレッシュで瑞々しい
街を歩いてて暑かったので冷たいジェラートが体にしみる
ここは明日もリピートだな
続いて向かったのはグアナファトの中でも有名な「口づけの小道」という場所
この「口づけの小道」という場所は非常に細くて狭い階段になっていて、その階段の3段目でキスをすると永遠に結ばれるとかいう噂がある場所だ
まぁ本来カップルが行く場所ですね
この階段でキスをするのと写真を撮るのに行列が出来ていた
みんなここの階段で写真を撮ってキスするのに昼間から並んでいる
並んでる人たちは階段に立ったカップルに向かって「ベーソ!ベーソ!」と煽っている
ちなみに「ベソ」っていうのはスペイン語でキスのこと
みんな幸せそうだなぁ
え?一人でこんなとこ見に行って寂しくないのかって?
そりゃあもう・・(笑)
涙がちょちょぎれる前に口づけの小道から離れて事前にチェックしていたローカルな飯屋さんに行ってみた
実はここグアナファトにはこの地域でしか食べれない食事がある
このブログでも何度か紹介してきたメキシコの定番のご飯エンチェラーダ
このグアナファトのエンチェラーダは「エンチェラーダ・ミネラス」といって定番のエンチェラーダとは少しだけ違う料理になっている
そのエンチェラーダ・ミネラスを出すローカルながらも名店の食堂が口づけの小道の近くにあるのだ
・・・が、閉まってました
もしかしてコロナウイルスの影響で客が来なくなってしまったのかなと思って地元の人を捕まえて聞いてみたところ営業時間はお昼と夜なので今は閉まっているとのこと
夜の8時ぐらいに来たら必ず開いてるはずと教えてくれた
飯を食うにはちょっと中途半端な時間に来てしまったか
でも今晩はエストゥディアンティーナのチケットを買ってしまってるから食べに来れないかもしれない
仕方ない ここには明日の夜改めて食べに来よう
そして街の中心に戻ろうとした時にとある看板が目に入った
看板の一番上
PIPILA(ピピラ)と書いてある
これはグアナファトの街を見下ろせるピピラの丘に通じる道ってことか
ピピラの丘に通じる道は危ないと聞いていたので絶対にロープウェイで行こうと思っていた
でもグアナファトの街を歩く限り全く危なそうな気配は感じないし何より今は昼間だ
多分一人でも今の時間なら何の問題もないだろう
目をつけていた食堂も閉まっていたのでせっかくだから予定を変更してこのまま歩いてピピラの丘に登ってみよう
狭くて細い住宅街の中の坂道をこっちで合ってるかな?っとなんとなく丘の方に伸びている道沿いに歩いてみる
時々ピピラの丘から戻ってきた観光客らしき人達とすれ違うのでこの道で多分合ってるだろう
ピピラの丘の場所はこちら
途中からは石段が続く
そしてメキシコシティでなまった運動不足の体に鞭打ちながら息を切らせてピピラの丘の頂上に到着した
ここが映画「リメンバーミー」や「レジェンドオブメキシコ」の舞台グアナファト
これぞメキシコって感じのカラフルなワチャワチャした街並み、家々が見える
景色の中央に大きく見えるのはさっき僕がいた大聖堂
そしてその奥の白い立派な建物は有名なグアナファト大学だ
頂上の周辺にはいろんな屋台が出ているので飲み物や食べ物をまたお土産物を買うこともできる
登ってくる坂道がハードで息が切れるからこの丘の上にはマスクをつけてる人が少なかった
下の街から音楽隊が奏でる音楽が聞こえてくる
鳩が大聖堂から一斉に飛び立ち少し離れた教会の屋根に移動するのが見える
教会の鐘がなり始めると街全体を通してこのピピラの丘の頂上までその音が響いてくる
丘の上を時々流れる涼しい風がさっきまでの坂道で火照った体を癒してくれる
体は疲れてるが風を浴びながらこんないい光景を見ていると久しぶりにメキシコシティを飛び出してきて良かったなと本当に思う
丘を降りる前にパノラマを1枚撮っておいた
ピピラの丘を降りて下の街に戻ったところで急にお腹がすいてきた
本当だったら今頃チェックしてた食堂でご飯を食べてるはずなんだけど閉まっていたので朝にサンミゲルアジェンデを出てからまだ何も食べていない
何か腹に詰め込みたくて街を歩いてるとすぐにお店の前で持ち帰りを待っている人たちが数人いるお店を見つけた
それがここ
TORTAS DON BETOというお店 トルタス屋だね
トルタスってのは肉やチーズが中にたくさん入ったメキシコの特大のサンドイッチ
僕が注文したのはこれ
ソーセージやミラネーゼがたくさん入っているやつ
僕が注文したのはもう閉店間際だったんだけど、僕の後にもトルタスを買いに来ている人たちが沢山いた
出来上がったのがこれだ
朝から何も食べてなかったのでもうこれが美味いのなんのって
ピピラの丘に登っていたから喉も乾いていたのでミネラルウォーターを買って一気に掻き込んだ
20時間ぶりぐらいの食事に満足して宿に帰るまでに少し丘の上から見えたグアナファト大学を見に行った
かなり古い歴史のある大学で建築されたのは植民地時代
大学の中には日本語を書くかもあるため日本語を勉強している学生も多いんだとか
観光客は通常この大学の前の階段でよく写真を撮るんだけど今はコロナウイルスの影響で階段の入り口は封鎖されていた
UGの文字はUNIVERSDAD GUANAHUATOの頭文字
グアナファト大学の隣に教会もあったのでそれを見てから宿に戻って夜の7時まで一旦休憩した
そしてエストゥディアンティーナが始まる夜7時半の10分前にチケットを購入した大聖堂の前に移動
この時間ぐらいになってくると街の中にエストゥディアンティーナの人たちやマリアッチの楽団の人達が目立ち始める
チケットを僕に売った男性を見つけたので声をかけるとすぐ横の人が集まってる輪に加わるように言われた
そして始まったエストゥディアンティーナ
音楽隊のメンバーたちが楽器を奏でそれに合わせて歌を歌い始める
プロかと思うような歌声にエストゥディアンティーナに参加した観光客たちが手拍子をする
そして音楽隊のメンバーの指示に従ってみんなで輪になって歌を歌ったり踊ったりする
一曲歌い終わるとそこでウォーミングアップは終わり
ここからはこの音楽隊と一緒にグアナファトの街を歌を歌いながら練り歩くのだ
途中でカエルの瓶に入ったジュースをもらえる
何でカエルなんだろう?と思ったんだけど、元々グアナファトという地名が先住民の言葉で「カエルがいる山のような場所」という意味らしい
それでこんなカエルの瓶に飲み物を入れてくれたのか 細かいところまで凝ってるね
これで喉を潤してエストゥディアンティーナの後半戦に突入していく
グアナファトの夜の街を闊歩し色んな所で歌いながら進んで行くと、とある地点で参加メンバーを男性と女性に分けられる
そして女性だけが先に別の場所に移動させられる
その間に男性陣は何をしてるかと言うと花屋のオジサンが花を売りに来て、カップルで参加している男性はこの花を買ってこの先に待っている自分の彼女や奥さんに花をサプライズプレゼントするというわけだ
ここで待っている女性陣に男性が花を渡す
と言うかカップルではなく一人で参加している俺の立場は・・
こんな展開あるなんて聞いてなかったぞ
これね、素晴らしいイベントなんだけど本当に一人で参加する場合は注意です
この間身の置き場がないので(笑)
実は僕の他にも何も知らずに女性同士で参加しているヨーロッパの女の子がいたんだけど、この子達も男性がみんな女性に花を渡してる間ただ案山子のように横に突っ立ってそれを羨ましそうに眺めてるだけでした
カップルで参加してる男性はこの写真のように花を体の後ろに隠して自分のパートナーにプレゼントする
そして一人もんの地獄はまだ続く
花を渡した後に音楽隊が静かなバラードを演奏し、その間に花を渡された女性は男性にキスするのだ
この時僕が何してたか教えましょうか?
参加したカップルの観光客に「あなた一人?じゃあ私達がキスするところの写真を撮って」と蹂躙を通り越して写真係として使われてました
もうね ただただ次々にカップルのキス写真を撮る係
なんでこんな気持ちを味わなきゃならんのだ
ふと女同士で参加しているヨーロピアンの子を見てみた
その2人もなんとも言えないような気まずそうな表情
こんな立場のない展開になるなら参加しなかったのにと顔に書いてありました(笑)
そしてカップル達のキスが終わってそのままみんなで細長い石の階段で「口づけの小道」に降りていく
そう ボッチで参加した僕の地獄はまだ終わってなかったのだ
ここから今度は順番に口づけの小道でキスが始まる
もうちょっとした拷問だ
みんなで歌を歌いながら街を練り歩いてる時は楽しかったけど今はもう正直宿に帰りたい
口づけの小道に続く細い階段にはカップル達が永遠の愛を誓ったかのように定番の南京錠がたくさん付けられている
そしてこの数々のカップルの南京錠を横目に階段を下りていくといよいよ口づけの小道の階段の3段目だ
次々にカップルがキスをしながら写真を撮ってもらって口づけの小道を降りていく
まず最初に悲惨だったのか僕の前にいた例の二人組のヨーロピアンの女の子
この子達どうしたと思います?
パートナーがいないので一人ずつ階段の3段目に立って自分の手の甲に一人でキスしている写真を撮ってました
普段結構気にせず何でも写真に収める僕がその光景があまりにも悲惨でスマホを向けられませんでした(笑)
でもその2人の悲惨さを気にしてる余裕は僕にはありません
なぜなら次は僕の番だから
その子達はまだ友達同士で参加してるから笑ってそんな写真も撮れるけど僕は本当に一人
で、僕はどうしたか?
周りの写真を撮るために並んでるギャラリーたちも僕を見て「あれ?え?・・・一人?」みたいな顔になって一体何が起こるのかと僕に注目している
まず口づけの小道の3段目に近いところに一人で立つ 5段目くらいに立ってたかな?
そこで一人で口づけの小道の3段目の写真だけ撮ってスタコラサッサと逃げました
もう周りも「え?今何が起こったの?」「何?今の猿は?」みたいな感じでポカンとしてたわ(笑)
見よこの強靭なメンタルで一人で撮った口づけの小道3段目の写真を
写真を撮り終えて逃げるように口づけの小道を降りた所にはこれからキスをしに行くカップルが沢山並んでいた
こっち側でもカップル達に花を売っているおじさんがいた
ここはきっと夜遅くまで人が並んでるんだろうな
初めて参加した歌いながら街を歩くと言うイベント、エストゥディアンティーナ
イベント自体は非常に素晴らしかったが一人で参加すると最後にとんでもない場面が待っていた
まあこれも終わってみればいい経験だったけどね
夜になるにつれてグアナファトの街はどんどん盛り上がりを増している
夜の9時に始まるエストゥディアンティーナがもう始まってる
その辺のレストランからマリアッチの歌声が聞こえてくる
今更ながら僕はとんでもなく賑やかな街にたどり着いたようだ