2018年10月2日
僕とKサンは朝宿をチェックアウトしてナゴルノ・カラバフ共和国の首都的な役割を担うステパナケルトへ行くミニバンに乗り込んだ
僕らが再びアルメニアで合流したのには訳がある
これからナゴルノ・カラバフ共和国という未承認国家に行く
別名アルツァフ共和国とも呼ばれ、3000メートル級の山々に囲まれた場所だがこの土地は法律上はアゼンルバイジャンの領土だ
しかしアゼルバイジャンの南西部に住んでるほとんどがアルメニア人だった為、1991年に独立宣言をしてしまう
当然アゼルバイジャン側は「ふざけんな、俺らの土地の中で勝手に領土主張して新しい国作ろうとしてんじゃねー」っとなる
ただそこに住んでる人種がアルメニア人だったことから両者の領土争いにアルメニアが首をつっこみ、ナゴルノ・カラバフを全面支援してるのだ
それ以来アルメニアの後ろ盾のもとアゼルバイジャンとの領土争いの火種になってる場所だ
ナゴルノ・カラバフと名前はついているが事実上アルメニアとアゼルバイジャンとの領土争い
僕とKサンは今日からそこへ向かう
つまりアルメニア側から一旦法律上のアゼルバイジャンの土地に入る事になる
ナゴルノ・カラバフに行くにはアルメニアのゴリスを拠点にする人が多いはずだ
僕らも同様である 今回はゴリスからナゴルノ・カラバフの中心の街ステパナケルトに行ってそこで外国人観光客がビザを取るところまで説明したいと思う
ナゴルノ・カラバフ共和国の首都の役割を果たすステパナケルトへ行くミニバンはここから出ています
一日に数便出てるはずなので前日に宿の人に時間を確認しておいた方がいいです
僕らが宿泊したAregak B&Bからはマリエッタおばちゃんの旦那サンが車でミニバンの停留所まで送ってくれました
マリエッタおばちゃんの最高に快適な宿に泊まった記事はこちら
バンに乗り込み山を2つほど越えるとナゴルノ・カラバフのボーダーがあります
とはいえここはもうつまりアゼルバイジャンです(法律上はね)
ここで一旦外国人だけ降ろされてパスポートの確認をされます
ここがイミグレのような役目を果たしており、僕らが行った時には国境では見たことがないくらいの数の軍人がいました
ナゴルノ・カラバフのボーダーの場所は下の写真の位置です
ここで通過を許可されるとナゴルノ・カラバフの事実上の首都になっているステパナケルトの移民警察局で外国人のビザ登録をするように言われます
つまりここではパスポートにスタンプなど押されることなく通過の許可だけでそのままナゴルノ・カラバフに入ることが出来てしまいます
ミニバンはその後さらに1時間ほど山道を走り、ステパナケルトの上の写真のバス停のような場所に停まります
ここからステパナケルトの移民警察局でビザ申請を行います
自分たちで歩いて行くので基本的にナゴルノ・カラバフに入った日にさえ行って手続きすれば大丈夫 だから先に宿に寄ってチェックインして荷物を置いてから向かった方が楽ですね
僕らが泊まったのはミニバンが止まった場所から徒歩5分のRaffo and Karine guest houseという宿です maps.meなら表示されるはずです
Raffo and Karine guest house
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★★☆
- 価格 :★★★★☆
- 清潔感 :★★★☆☆
- WIFI :★★★☆☆
※あくまでも個人的な評価です
宿の2階に位置する値段が高い部屋と一階の離れにある安い部屋が選べました
宿の女将サンは比較的優しい人でした
僕らが選んだ一階の離れにある安い部屋はWifiがちょっと弱かったかな
さ、早速移民警察局に行って登録しビザをもらいに行きましょう
ミニバンの中で一緒だった中国人の女の子とKサンと僕の3人で向かいました
このステパナケルトの街を見てるぶんにはここがそんな領土争いの紛争を繰り広げてる場所だとは想像つかないくらい平和だ
外国人観光客は珍しいので外国人は皆からジロジロ見られます
で、時に笑われます 人を見て笑うな!!(笑)
宿から10分も歩かないうちに到着したこちらが外国人の登録局
ステパナケルトの外国人登録局の場所はこちら
中に入ると申請用紙があるので記入します
記入したら順番を待って自分の番になったら奥の部屋に入って申請用紙を出してビザ代を支払うだけ ビザ代に一人当たり3000ドラム(約700円)かかります
これが3人分のビザ代金の計9000ドラムを支払った証明書
ビザなんですがここはシールでもらえます つまりそれをパスポートにはるかどうかは個人の自由になっています
なんせここは法律上アゼルバイジャンなのでいわばこの時点でアゼルバイジャンに不法入国してるのと解釈されてもおかしくない土地なんです
だからパスポートにナゴルノ・カラバフのビザがあるともうそのパスポートではアゼルバイジャンには入国できません
今後の旅程も考慮して貼るも貼らないも自由にできるシールタイプのビザをくれる訳です
手続き自体は15分ほどで終わって3人とも無事にビザをもらえました
ここからは3人で街歩きしてこのナゴルノ・カラバフの地元料理を食べに行った
とあるレストランに入ってトラディッショナルな食べ物はどれですか?って聞いて注文したんだけどこのナゴルノ・カラバフという国では外で僕らが呼んでる料理とは別物が出てくることがあるので注意だ
一緒に行った中国人の女の子がビーフストロガノフを注文したのにミートソースのパスタが出てきて困惑を通り越して泣きそうになってました(笑)
ナゴルノ・カラバフではミートソースのパスタがビーフストロガノフとしてメニューに掲載されていた
そしてナゴルノ・カラバフ共和国の地元料理は僕らアジア人の舌では理解しがたい料理が出てきたりもした 上の写真はデーツのサラダ 結果これが一番マシでした
これ名前は忘れたけどこの国の代表的な料理で真ん中のそぼろ肉の周りを囲んでいるのはヨーグルトです(笑) どういう組み合わせ!?
そしてこれ これお酒みたいに見えるでしょ?
実はこれレモネードです 僕はレモネードが好きなので見つけたら結構注文することが多いんだけどこのナゴルノ・カラバフ共和国では炭酸のジュース全般をレモネードと呼びます
ただしコーラーなど世界ブランドは別でコークと呼ばれています
僕が注文したこれはレモネードという名の紫蘇の炭酸ジュースでした
出てきた時はハテナマークが頭に浮かんで、飲んでからは「なんで紫蘇の味がすんの?」って不思議がって皆で回し飲みした
レストランで失敗した僕らはそのままステパナケルトのマーケットに行ってみました
これも名前は忘れてしまったなぁ
でもアルメニアでもナゴルノ・カラバフでもよく売ってるパクチーが少し入ったピリ辛のチジミみたいな軽食
オバサンが巻いて渡してくれます
夜は宿の近くにケバブを買いに行きました
この日の夜のステパナケルトは19度
2日前までいたイランに比べたらだいぶ涼しくなってきたな
中国人の女の子とKサンと3人で宿でケバブディナー
明日はナゴルノ・カラバフとアゼルバイジャンの領土争いで破壊されたモスクや建物が残る町シューシに向かう予定
この首都にあたるステパナケルトだけを見ていてはこの未承認国家の一割も垣間見たことにはならない
明日からナゴルノ・カラバフ共和国の本当の姿を見ていく事になるんだ