2020年3月16日
僕らを乗せたバスはパタゴニアのエルチャルテンという町を目指していた
やっぱりパタゴニアは絶景の連続だ
何もない荒野がこんなに綺麗に見えるなんて
アイスランドに匹敵するかそれ以上の場所だよここは
今から僕らの目指すエルチャルテンはフィッツロイと言う有名な山がある町
フィッツロイという山はアウトドアブランドのパタゴニアのロゴにもなっている山なので知ってる人も多いかと思う
エルチャルテンの町に入る手前で目の前に雲に覆われたギザギザの山が見えてきた
あのシルエット、あの鋭角な斜面、山と雲の隙間からでも見て取れる貫禄
間違いない あれがフィッツロイだ
僕らはフィッツロイのお膝元の町エルチャルテンに到着したんだ
エルチャルテンの町のバスターミナルに到着した僕とジュンペイ君はまず明後日にエルカラファテの町に帰るバス会社と時間と料金をチェック
この会社は朝8時、昼の1時、夕方の6時の1日3便でエルカラファテまで1200アルゼンチンペソ(約1750円)
エルカラファテとエルチャンテンはバスで2時間ぐらいなので、アルゼンチンの物価にしてはこの距離でこの料金は少々高く感じる
でもここは外国人観光客がこぞって訪れるパタゴニア
レストランも土産物屋もバスも全てがパタゴニア料金だ
次はこの会社をチェック
MARGA TAQSAという会社
ここは朝8時、昼の12時、夜の8時の1日3便でさっき調べたバス会社と同じく1200アルゼンチンペソ
どうもエルチャンテンからエルカラファテまではどのバス会社も料金は同じようだ
あとは微妙に時間が違うのでその時間で選ぶぐらいかな
ジュンペイ君とひとまず今日予約している宿まで歩こうとバスターミナルから出た瞬間目の前にこれぞパタゴニアって景色が飛び込んできた
町の看板の向こうに佇むフィッツロイ
上部にわずかに雲がかかっているがもう目の前にあのフィッツロイが姿を現していた
写真で見てこんなかっこいい形の山があるのかと思っていたあのフィッツロイ
今まで何度もいつか行けたらと憧れていたフィッツロイ
ついに自分の目で生で見ることができたぞ
これを見にパタゴニアまで来たようなもんなんだよな
パタゴニアは登山家とバックパッカーの聖地
それらしく木で作った大きなバックパックのモニュメントが置かれていた
この大自然に囲まれたパタゴニアの町で2泊ほどし、朝焼けに染まるフィッツロイを見るために夜中からトレッキングを開始する
朝焼けに綺麗に染まるフィッツロイを見るには天気が晴れていて雲がないことが条件になる
この天気だと明日の朝は最高のフィッツロイを見ることができそうだ
この町にいる観光客の99%はフィッツロイを見るためにトレッキングをしに来ている
その為かしっかりした装備を揃えているバックパッカー達がたくさん目に入る
木で出来た建物が連なり、どの方向を向いても町の向こうには雪の残った山が見える
最高の景色と最高の雰囲気
ロッククライミングしてる人もいた 屋根の少し上の赤い服のクライマー見えるかな?
本当に自然とのアクティビティだけを純粋に楽しみに来る町だ
僕らはバスターミナルから15分弱歩いてようやく今日予約していた宿に到着した
それがここ Hostel Rancho Grande y Restaurante 24 hs.というホステル
1階がレストラン兼ロビーになっていて、そのレストランは驚いた事に24時間営業
Hostel Rancho Grande y Restaurante 24 hs. の場所はこちら
Hostel Rancho Grande y Restaurante 24 hs.
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★☆☆
- 価格 :★★★☆☆
- 清潔感 :★★★★☆
- WIFI :★★★★☆
※あくまでも個人的な評価です
町のバスターミナルからは少し遠いけど、町の中でもフィッツロイの登山口にかなり近いロケーションにあるホステル
フィッツロイを見るためのトレッキングは夜中の2時や3時に出発するので、真っ暗な街を歩いて登山口に向かうことになる
そのためなるべく登山口に近い宿に泊まった方がいいとアドバイスを受けていたのでここを予約した
この宿のレストランが24時間営業なのもフィッツロイをトレッキングしに夜中に出かける観光客がその前に食事を取れるようにしてる為だと思う
何より宿を出た目の前の道からフィッツロイがこんなにもハッキリと見えるというのが素晴らしい
エルチャルテンの町を歩きに外に出てみる
風が気持ちいい
気温はそこそこ低いはずだが天気がいいので日本の秋のような空気
秋は僕が日本の四季で一番好きな季節だ
もう1度町の看板の所に戻ってみると今度は雲がなくフィッツロイ全てが顔を出していた
やばいよなこの光景 山を見て神々しいと思う事なんてそうはないぞ
ここは僕の世界一周の中でネパールのポカラから見たヒマラヤの次に素晴らしい景観の山
最高の山に最高の天気
今日の深夜からのフィッツロイへ向けてのトレッキングが楽しみだ
町の中にはトレッキングに関係したモニュメントが所々に建てられていて、ここが登山の町なんだと実感させられる
この町に、いやパタゴニアに来て正解だったな
山に囲まれた可愛らしい町を歩きながら、昼食を食べるために町のスーパーに寄って宿に帰ることにした
ちなみにエルチャルテンは同じパタゴニアでもエルカラファテに比べると買い物できる場所が少なくさらに物価は上がります
パン屋さんでサンドイッチひとつ買うともうそれで500円ぐらいかかります
ペットボトルのジュースは200円ちょっと
この価格から考えるとレストランで食事したら多分1500〜2000円くらいかかると思う
もうヨーロッパ並みですね
僕とジュンペイ君が宿に戻ってレセプションのスタッフに挨拶ついでに「今晩フィッツロイを見るためのトレッキングに行こうと思っている」と言った
するとそのスタッフは申し訳なさそうな顔で「残念だけどフィッツロイはクローズだよ」と言った
え?
フィッツロイは普通の山だ
登山道を登って山を見に行くだけなのに本当にそれが駄目なのか・・?
僕らが「登山道はどうなってるんですか?」と聞くとスタッフが「メインの登山道は警察が見張っていて入れなくなっているよ」と返答
さらに「他の細い山道などを使ってフィッツロイに行こうとすると途中で警察に見つかって逮捕されるからね」 と言われた
確かに事前にマップスミーで確認してたところメインの登山道以外にいくつか細い山道があった
当然こっちに住んでる宿の人達もその道を観光客が使おうとすることを懸念してるようで先に釘を刺してきたって感じだ
どうしようかと思いジュンペイ君と一緒にドミトリーの部屋に戻る
部屋には僕ら2人の他に欧米人の女の子が1人いる
僕らが部屋に戻った時その女の子は誰かとずっと電話をしていた
でもその電話してる声が震えている 泣いているのだ
この頃から世界でいろんな国の国境がもうすぐ閉じるのでは?という話が流れていた
そして多くの旅行者が急いで自分の国に帰り始めていた
その為にヨーロッパに戻る航空券などは高騰していた
ぱっとその場で調べてみるとアルゼンチンからヨーロッパに戻る航空券が30万近くになってる
航空会社もここぞとばかりに足元を見てものすごい値段に設定してる
もしかしたら今後航空会社も運休することが決まっていてそれまでの航空券をめいっぱい高く売ってたのかもしれない
なんにせよせっかくパタゴニアまで来たのにフィッツロイまで行けずに、帰国するにも航空券が先進国の人の1ヶ月分の給料が飛んでしまいそうな途方もない金額
欧米人の女の子が親に電話をかけてるのか彼氏に電話をかけてるのか分からない
分からないけど楽しみにしてた旅行がコロナの影響でこんな風になって、帰るのにもこんな金額が必要だとそりゃ泣きたくなるよな
でも僕らは今人の事を心配してる立場でもない
僕らは僕らで今後どうしようかを決めないといけない
フィッツロイに行けないならこのエルチャルテンに居ても仕方がない
ジュンペイ君とこれは早めにエルカラファテに戻った方がいいんじゃないかと話してる時だった
同じバスでエルチャルテンに来た日本人旅行者のコージさんからFacebook のメッセンジャーに連絡が入ってきた
「今エルチャンテンのバスターミナルなんですが、エルカラファテに戻るバスのチケット売ってもらえませんでした」
は・・?
なにそれ?
コージさんの話によると 一度病院に行って医者からコロナにかかってないという診断書をもらわないとバスチケットは売れないと言われたらしい
なんだそれ
もしかしたら僕らもエルカラファテに帰れないかもしれない
いてもたってもいれず2人でバスターミナルに確認しに行くことにした
ちなみにジュンペイ君はこのアルゼンチンのパタゴニアが世界一周のゴールだったのでフィッツロイを見に行けないとなった今は帰国するのみ
僕はパタゴニアを見終わったらそのままチリに入って、チリを北上してボリビアに入りウユニ塩湖を見に行こうと思っていた
パタゴニアの観光が出来なくなった今僕は予定通りチリに向かいたい
確かこの町のバスターミナルにもチリのプエルトナタレスと言う国境に近い町に行くバスがあったはずだ
早くそのバスに乗らないとチリとアルゼンチンの国境も閉まってしまうんじゃないか?
バスターミナルに着いてバス会社を見て回るとやはりこの町からチリとの国境を越えて、プエルトナタレスという町まで行くバスがあった
今は時間との勝負という気がする
僕はパタゴニアをあきらめてこのチリ行きのバスチケットを買うことにした
しかし窓口のスタッフから「あなた何人?日本人なの?悪いけど今あなたにバスのチケットは売れないわ」と言われた
「え?どうしてですか?」と僕が聞き返すとある紙を見せてくれた
そこには中国、韓国、日本、イタリア、スペインなどの国の名前が書かれていた
「政府からの通達でね、この国の人にはバスチケットを売らないように言われてるのよ」
「ちょっと待ってください 僕は日本を出たのは2年以上前です それはパスポートのスタンプで証明できます」
「うーん・・だとしもこれは決まりだから 悪いけど」
ヤバっ ここはもう無理だ
確かもう一か所チリのプエルトナタレス行きのバスを出してる会社があったはず
そのバス会社を探し出したけど窓口には列ができている
この時エルチャルテンの町を出るために観光客がバスターミナルに駆け込んでいた為、チケット売ってもらえるかどうか一つの質問をするのにも15分ぐらいに並ばないといけない
そして15分並んでチリのプエルトナタレス行きのバスチケット売ってもらえますか?と聞くと国籍を確認されてやはり突っぱねられる
詰んだかもこれ・・
終わったと思ってたその時、2日ほど前に僕が行こうと思ってる同じルートでチリ入りした女性バックパッカーがエルカラファテの町のバスターミナルでチリ行きののチケットを買ったと言ってた話を思い出した
あの話通りだとエルカラファテの町にさえ戻ればバスターミナルでチリ行きのバスチケットを買えるんじゃないか?
ただそうなると急がないといけない
明日にエルカラファテに移動して、 チリ行きのバスチケットを買っても移動は明後日の朝になる
それだとチリの国境が封鎖される恐れがある
幸い日本人にもエルカラファテの町に戻るバスチケット売ってくれてる会社は見つかった
今日この町に宿は予約してしまってるけど、今からエルカラファテに戻るバスチケットを買って、それに乗ってエルカラファテの町のバスターミナルで明日の朝イチのチリ行きのバスチケットを買う
ジュンペイ君とはここでバラバラになるけどこれがベストなんじゃないだろうか
ここは宿代がもったいないとか言ってる場合じゃなくて時間との勝負だと判断した僕は夜20時のエルカラファテの町に戻るバスチケットその場で購入した
この時点で夕方の19時35分
バスの出発は25分後
メインバックは宿に置いてあるので取りに戻らないと
ジュンペイ君にお願いしてサブバッグを預かってもらい、ダッシュで僕一人で宿に自分の荷物を取りに戻る
歩くと片道15分はかかる距離を運動不足のオッサンが猛ダッシュ
言わずもがな半分ぐらいのところでバテバテになる
普段旅行中は少し小走りすることぐらいならあるが、本気のダッシュをすることなんてまずない
多分本気ダッシュしたのはスペインの牛追い祭りで走った時と、バルセロナで鞄を持っていかれそうになって強盗を追いかけた時以来
涼しい場所のはずなのに汗が止まらない
自分で自分に根性出せよと言い聞かせるが肺と脚が言うことを聞いてくれない
こんなに綺麗で落ち着いた町なのになんで俺はこんなところを全力疾走してるんだろう?と思いながらフラフラになって宿に到着
部屋に戻って急いでメインのバックパックを背負う
欧米人女の子はまだ泣きながら誰かと電話してる
バスの出発の20時までもう時間がないので部屋を飛び出し、レセプションのスタッフに予定が変わったから泊まらずにチェックアウトすると告げて宿を飛び出る
そこから今度は20キロ越えのメインパックを背負った状態で今ダッシュしてきた道を再び猛ダッシュでバスターミナルに向けて戻る
けどもう太ももが乳酸でパンパン
背負ってるバックパックが思った以上に負担になり普通のスピードで走れない
ダッシュしてるつもりなのに競歩みたいなスピードしか出ない
後ろから車の音がする度にヒッチハイクを試みて手をあげるが誰も止まってくれない
5台以上の車をヒッチハイクしようとしたが全滅
そうしてるうちに後ろから1台のタクシーが来たのですかさず止めて乗り込んでバスターミナルに急いでもらう
タクシーに乗った時点で時間は19時55分
バスの出発予定時間まであと5分
そしてバス出発の2分前にバスターミナルに滑り込みセーフ
よし間に合った
これでなんとかエルカラファテに戻るバスに乗れる
そう思ったのもつかの間
今度はなぜかバスターミナルで待ってくれてるはずのジュンペイ君がいない
彼には僕の貴重品の入ったサブバッグを預けている
あれ?どこに行ったんだ?
僕が間に合いそうにないと思って、バスのプラットフォームで運転手に説明をしてバスを待たせてくれてるのかなと思いバス乗り場に行くもジュンペイ君の姿はない
もう一度さっきジュンペイ君と別れたバス会社のカウンター前に行ってみる
そこで「僕と一緒にいた友達を知らないか?」と聞くがバス会社のスタッフは首を横に振るだけ
そうこうしてるうちにスマホの時計は20時を回った
ただでさえ全力疾走してて体が疲れてるところにバスがもう出発してしまうという事態
バスに乗り込んだとしても貴重品のサブバックがない状態になる
かといってこれ以上ジュンペイ君を探していたらバスが出てしまう
どうする?どうしたらいい?
もう時間はない
焦りと同時にイライラがつのる
まさか外なんかにいないよなっと思いバスターミナルの外に出てみるとバスターミナルの表の道路にジュンペイ君が僕のサブバッグを持った状態で立っていた
え?なんで外にいんの??
「ジュンペイ君 !」と声をかけるとジュンペイ君も慌てて駆け寄ってきた
ジュンペイ君は僕がメインの道路を走って戻ってくると思い、道に出て僕を待っててくれたのだろう
そう時僕は焦りと共にイラついていたので思わず「バスターミナルの中で待っててと言ったのになんで外なの?もうバス出てしまうから!」と言ってしまった
それでもジュンペイ君は俺に怒って見せるわけでもなくスッとサブバッグを渡してくれた
本来ジュンペイ君からしたら自分は今日エルカラファテに戻らないんだからこの街でゆっくりしておく事が出来るのを俺の為にわざわざ鞄を持って待っててくれたのに
疲れと焦りから思わず完全に八つ当たりした言葉を浴びせてしまった
おおおおおおおおおおおおお
俺クソ野郎だ
ホントごみ
バスの運転手がもう乗れとジェスチャーしてるのでゆっくり話したりする時間がない
あんな言葉を浴びせてしまったのにジュンペイ君の方が手を差し出してきて「ここまでありがとうございました またどっかで会いましょうね」と言ってくれた
そんな彼の人柄を見てより一層自分のクソさが身にしみる
恥ずかしい気持ちになりながら僕はジュンペイ君と握手をしてエルカラファテに戻るバスに乗り込んだ
暮れなずむ空に遠くに影のようにシルエットだけ浮かぶパタゴニアの山々
帰りのバスから見る夕焼けと景色は尚更パタゴニアが素晴らしかったことを印象付ける
こんな綺麗な景色の連続なのにさっきの件で胸の中はざわついている
この雄大なパタゴニアの景色を自己嫌悪に浸りながら見ることになるなんてなんだか皮肉だな
バスがエルカラファテの町に入る手前で防護服を着た警察による検問があった
検問では全員がパスポートを回収された
このバスに乗ってるアジア人は僕一人
コロナの件で何かあって呼ばれると思ったらまずアジア人の僕だろう
そう思い戦々恐々としながら待ってるとなんとバスの外に呼び出されたのはイギリス人の2人
でも他のイギリス人は呼ばれていない
どういうことなのか聞いてみると呼ばれなかったイギリス人はひと月ほど前からすでに南米に入ってるツーリストだった
それに対してバスを降ろされた2人はつい一週間ほど前にイギリスからアルゼンチンに来たばかりのツーリスト
この頃すでにイタリアとスペインを始めヨーロッパでの感染拡大が話題になり始めてたので日本人の僕よりも最近ヨーロッパからこっちに来たばかりの欧米人の方が警戒されたようだ
しかもその2人はもうバスに戻ってくることはなかった
警察の用意した護送車のような車に乗せられて2人は消えていった
病院に連れて行かれてそこで検査されるんだろう
僕らのバスがエルカラファテの町のバスターミナルに入った頃辺りはもう暗くなっていた
エルカラファテのバスターミナルで唯一チリ行きのバスチケットを売っている会社の前に行くと多くの人がキャンセルの返金を受けていた
近くにいたラテン系の男性に事情を聞くと「チリは今日アルゼンチンとの国境をクローズした。俺はチリ人なのに自分の国に戻れないんだ。ひどい話だね全く」っと怒りながら言った
せっかくエルチャルテンの宿をチェックアウトしてこっちに戻ってきたのに結局僕はチリ行きのバスチケットを買えなかった
もうチリにも行けないことが決まった今バスターミナルにいても仕方がないのでエルカラファテの町まで歩いて行くことにした
暗く静かになったエルカラファテの街を歩きながら考える
チリがアルゼンチンとの国境を封鎖した
下手をするとボリビアやその他周辺諸国も国境がクローズするんじゃないだろうか
不安にかられながら今日の朝までいたエルカラファテの宿、ブラゲストハウスにようやく着いた
けど明かりが消えていて人気がほとんどない
中に見覚えのある男性スタッフが一人だけいたので声をかけると向こうも驚いて「今日エルチャルテンに入ったばっかりなのに何があったんだ?なぜ今日戻ってきたんだ?」と聞かれた
大まかな事情を説明して今日泊まらせてくれと言うとスタッフから返ってきた言葉は「政府からの要請で明日からこの宿はクローズなんだ。だから今日も元々泊まっていた客しかいない。新しい客はもう泊めるなと言われてるんだ」 というものだった
事態は思った以上に深刻な方へ流れている
今日はどうしよう
そして明日からどうすればいいんだろうか