2019年6月17日
2日間お世話になった宿ともお別れの時
そして何より旅仲間T君との別れの朝
チャリダーの荷物はいつ見てもすごい量だ
出発の日は自転車と荷物を外に出して荷物を一つ一つ自転車の横の金具に止めて設置していく
キルギスにいるときも何度かチャリダーの人の出発を見送ったので数回見た光景だが、 いつ見てもこの準備は大変そうだ
この朝T君は僕よりも少し早めに出発
彼はこの後スペインのタリファから船でジブラルタル海峡を渡り、モロッコからアフリカ旅を始める
アフリカ大陸を西と東に分けて縦断する
楽しいことも多いだろうけど大変なこともたくさんあるだろうな
僕が5か月旅してきたアフリカを自転車で縦断するなんて途方もないチャレンジだ
T君どうか体には気をつけて安全な旅を!
またお互い旅を続けていたら来年あたりに南米とかで会えるかもしれないね
これからもT君のアフリカ旅を見届けさせてもらうよ
T君を見送った後は僕の番
僕も前日にバスチケットを買っておいたロンダという町へ行くためにバスターミナルに向かった
なんで僕がこのロンダという街に向かうのかを説明しておきたいと思う
僕は当初マラガの次はセビリアに向かおうとしていた
そしてマラガでT君と再会した際にこれからのルートを話してる際にT君が「本当はロンダにも行きたかったんだけどそこまでの道のりの高低差が激しいのとシェンゲンの期限が迫ってるので諦めました」と言っていた
僕がちょっと気になって「そのロンダって町には何があるの?」と聞くと「有名な橋があるので結構観光客が行く町ですよ」 と教えてくれた
気になってその町の名前を Google の検索欄に打ち込んで画像検索してみた
そこには僕が昔何かの写真で見たことのある橋の写真が表示されていた
この橋
間違いなく見覚えがある
そしてこれは写真だけでなく何かのゲームの CG でも見たことがある
うる覚えだけど何かのゲームのオープニングムービーにこの橋にそっくりな橋が出てきていたのをなんとなく覚えている
しかもこのロンダという町、地図で場所を確かめてみたらちょうどマラガとセビリアの中間あたりにあるではないか
つまりこれ、マラガからセビリアまで直接行ったとしても絶対にロンダを通過していくようなルートだ
もうこれは立ち寄らないわけにはいかない
T君の何気ない発言から面白い観光場所を見つけてしまった僕は昨日のうちにバスチケット購入していたのだ
これがマラガからロンダまでのバスチケット
料金は10.79ユーロ (約1300円)
バスがベンツ!さすがヨーロッパ
座席の上には当たり前だけどちゃんとライトにエアコンの送風口に USB の充電のコンセントあり
アフリカのバスでこんなの見たことないもんな
というわけでバスに揺られてロンダという小さな町に到着した
小さなといっても観光客が沢山来るところなのでそれなりに栄えてる
バスターミナルにはセビリアまでのバスの時刻表が貼ってあった
やっぱみんなここを観光したら次はセビリアに行くんだな
そしてスペインも日本と同じく平日と土日ではバスの時間は違うようだ
バックパックとサブバッグを背負い少し歩くとホコ天のショッピングストリートに出た
このホコ天のショッピングストリートに広場はヨーロッパの街の定番だね
今は使われてないけど小さな闘牛場もあった
とりあえずまずは予約してる宿にチェックインしに行かなければ
こんな重いバックパックを背負いっぱなしで町をうろつけない
ただ今日泊まる宿がちょっと思った以上に問題だった
問題なのは場所である
今日泊まる宿、なんでもこのロンダの町の有名な橋を見るのにすごく適した場所にある宿なんだけど口コミやレビューを見てる限りどうもこの宿までたどり着く道のりがそこそこ険しいらしい
欧米人のレビューでは「スーツケースを持っていけるような場所ではない」と書かれている
一体どんな場所にあるのかと思って進んでいくとマジでやばかった
これです
この斜面を舗装されてない細い山道を降りてはるか下まで行かないといけない
いやこれマジで今までの宿で一番たどり着くのが困難な宿でした
場所が分からないとかじゃなくて場所が分かってても道のりが険し過ぎる
マジでちょっとしたトレッキングや山登りが終わった後の帰りの下り道のような道だった
正直ここ、年配の人が予約してしまってスーツケース持ってたら到着できないと思います
しかも行きは下りだからいいけど、宿をチェックアウトして帰る時はこの斜面を荷物を担いだ状態で登らないといけない
そしてまた宿からロンダの町に出るときもこの坂を行き来しないといけないのでもうちょっとした修行だった
行くしかないと腹を決めてバックパックとサブバッグを背負ったまま斜面を下り始めるとまだ宿に着く前に右手にこのロンダの名物のヌエボ橋が見えてきた
これだ これだよ この橋が見たかったんだ
この橋みなさんは見覚えないですか?
間違いなくファイナルファンタジーとか有名なロープレのオープニングムービーでこのヌエボ橋をモデルにしたであろう橋が出てきたと思うんですけど
僕の記憶違いですかね いやでも間違いなく何かのロープレに出てきたと思う
なんてかっこいいフォルムなんだ
これでまた昔写真集で見た世界の名所の一つをこの目で生で見ることができたよ
ヌエボ橋のかっこよさに釘付けになっておきたいところなんだけど、この時僕はまだ背中にメインの大きなバックパック、前にサブバッグを背負って汗だくになったまま
ひとまずもう少し斜面を下って宿にチェックインしなければ
その後も急な砂場の坂道に滑ってこけそうになったりしながらひたすら斜面を下へと降りていった
ある程度降りたところでようやく今日僕が泊まる宿の看板が見えてきた
あと少しだ 頑張れオレ
そしてようやく辿り着いた今日の宿がこれ
Albergue Los Molinos(Hostel Los Molinos)という宿
Albergue Los Molinos(Hostel Los Molinos)
- ロケーション:★★★☆☆
- スタッフ :★★★☆☆
- 価格 :★★★☆☆
- 清潔感 :★★★★☆
- WIFI :★★☆☆☆
※あくまでも個人的な評価です
場所はもう説明した通り、行き帰りがかなりハードな道のりになると思っておいてください
ただしヌエボ橋は目の前です
綺麗で清潔 スタッフは可もなく不可もなく
wifiが夕方以降なぜか繋がらなくなったので星2にしてます
宿のルール
タオルだろうが何だろうがなんでも金を取る(笑)
ドミの部屋はこんな感じ
各ベッドに充電のコンセントあり
Albergue Los Molinos(Hostel Los Molinos)の場所はこちら
もうこの宿にたどり着くまでの道中でバックパックもすっかり砂埃にまみれになってしまった
このバックパック、この後セビリアに着いた時に宿の同じ部屋のオーストラリア人の女の子に「あなたのバックパックすごい汚れてるけど一体どこから来たの?」って真顔で聞かれました(笑)
宿にもようやくチェックイン出来て、砂埃と汗にまみれた体をシャワーで洗い流したいところだがどうせこの後外に出たらまたすぐに汗をかく
ましてあの坂を今から登ってロンダの町に出たらまた砂埃まみれにもなるのは分かっている
なのでここはちょっと気持ち悪いけどシャワーは夜浴びることにして、そのまますぐ町に出てみることにした
宿を出るとすぐにもう目の前にヌエボ橋が
橋を見るという意味でのロケーションはバッチリ
でも到着するのと帰り道が困難という意味ではロケーションは最悪
なんとも評価の難しい宿だ
ここまで斜面を下ってきた道中で1〜2本脇道にそれる道があった
それがどこに行くのか気になって脇道を他の観光客と一緒に進んでみた
するとヌエボ橋のすぐ下まで行けた!
下から見上げる迫力のあるヌエボ橋
ちなみにヌエボとはスペイン語で「新しい」っていう意味
最初に作られたのは1735年だけど
“最初”って言ったのは実はこの今のヌエボ橋は2代目だから
1代目の橋は完成からたった6年で崩落事故を起こして約50人の死亡者を出したらしい
またこの橋には内部にいくつかの部屋が存在するらしく、スペイン内戦の時には敵を幽閉したり拷問したりする部屋として使われたという話がある
事実、幽閉された人が窓から谷底に突き落とされて殺されたりしてたらしい
崩落事故といい突き落とされて殺された人達といい、実はこの橋は多くの人が亡くなった場所でもある
一度斜面を一番上まで登りロンダの町に戻って町を歩き回ってみることにした
こうやって橋と崖の上に建ってる建物を見てるとなんだかギリシャのメテオラみたいですね
橋の上から眺める景色も渓谷に作られた町って感じが出てる
橋の上から景色を見てるとふと展望台のような場所が目に入った
ここからそう遠くないようなので行ってみることにした
展望台からの眺めがこれ
上の写真の 中央辺りに緑に囲まれた建物があるのが見えるだろうか
その建物が僕が泊まってる宿
これ展望台の上からかなり拡大して撮影してこれです
どれだけ急斜面を下りないといけない場所にあるか伝わりますかねこれ
あ、そういえばマラガに入った時からそうだったんですけどスペインってアクエリアスが売ってるんです
アクエリアスなんてマジで日本出てから一度も飲んでないんじゃないだろうか
マラガで見つけた時はもうゴクゴク一気飲みしてしまいました
スペインの暑い夏にアクエリアスは最高です
アクエリアスで喉を潤した後はまたこれ
イベリコ豚の生ハムが挟まったパン
汗をよくかくからかこのしお塩っけの効いた生ハムをやたらと食べたくなるんですよね
またロンダの町に入ってからやたらと闘牛の看板やポスターが目立つようになった
どうもロンダはもともと闘牛で有名な町だったみたいだ
この後に行くセビリアも闘牛は有名らしいので楽しみだ
宿に戻って暗くなってからヌエボ橋のライトアップを見に外に出てみた
ライトアップされて雰囲気抜群のヌエボ橋
間違いなくヨーロッパ屈指のかっこいい橋
たった1日の滞在だったけどこの町に立ち寄れて良かったなぁ
明日にはフラメンコと闘牛で有名な情熱の街セビリアだ