2020年1月20日
おはようございます
昨日夜中の2時過ぎに到着したパナマシティのバスターミナルで目を覚ました
パナマシティのバスターミナルは早朝からすごい人
この時点で確か朝の5時半ぐらいだったと思う
パナマシティはざっくり言うと新市街と旧市街に分かれている
僕は旧市街に宿を取ろうと思っているので旧市街に向かいたいんだけど旧市街に行くバスがどれかわからない
なんでもここから市バスに乗るには窓口でカードを購入してそれを緑の機械でチャージしないといけないらしい
多分どのバスかが旧市街には行くんだろうけどそのバスがどれかがわからない
パナマはもちろんこれまでの中米と同じように英語ではなくスペイン語
その辺の駅のスタッフにグーグルマップを見せてここに行きたいと説明するんだけどどうも要領を得ない
ラチがあかずにとりあえずバスターミナル内のサブウェイで朝食を買う
その時のおつりに変わった硬化が混じっているのに気が付いた
このコイン
これは以前のパナマの法定通貨バルボアだ
パナマには現在普通にアメリカドルが流通している
そのため通貨単位がややこしくならないように 1バルボア=1 US ドルだ
つまりこのバルボアのコインは1USドルとして使用できる
なかなか面白い模様のコインなので1枚だけ記念に取っておこう
バスがよくわからなかったので結局古いボロボロのタクシーを捕まえてバスターミナルからパナマの旧市街にやってきた
見つけて飛び込みで入った宿はここ
Hospedaje Casco Viejoというホステル
もともとこのホステルの近くにパナメリカーナと言う安くて静かな宿があるという情報をもとにこの周辺で宿を探したんだけど、結果パナメリカーナはなくなっていました
建物もリノベーションされて今は 「CasaCasco」というお洒落なレストランがいくつも入っている飲食ビルへと変貌していた
なので近くのボロ宿Hospedaje Casco Viejoに入った形
Hospedaje Casco Viejoの場所はこちら
シャワーはもちろん水のみ 最低限の水浴びは出来ますよという作り
トイレはこんな感じ
Hospedaje Casco Viejo
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★☆☆
- 価格 :★★★★☆
- 清潔感 :★★☆☆☆
- WIFI :★★★☆☆
※あくまでも個人的な評価です
Booking . com などでパナマの旧市街で検索するとおそらく1番か2番に安い宿として出てくると思います
ここは久々にコテコテのド底辺ホステルでした
一部屋にいくつも並べられた3段ベッド
安いので泊まってる連中も若くてモラルがなかったり、ちょっと年配の人でも訳ありの人だったり
僕と同じ部屋にコロンビア人の屈強なインディアンのおじさんが泊まってたり、エルサルバドル人の詐欺師が泊まっていたり、 アクセサリーを売りながら国を移動しているヒッピーの兄弟が朝からナイフを出してケンカを始めたり、ニカラグア人の薬物中毒者がいたり
なかなか濃い宿でした(笑)
せっかく午前中に旧市街に着いたので午前中のうちから宿の周辺を少し歩いてみることにする
パナマ人は接した感じ思ったよりのんびりした性格のよう
到着したもののよくよく考えたら僕はパナマのことを全然知らない
パナマといえばパナマ運河
あと1年の3分の2が雨季
もともとコロンビアの一部だったがそこから独立した国という事
以前は新市街がタックスヘイブンだった
後それに伴うパナマ文書の漏洩
知ってることといえばこんなもんだ
とりあえずまだ早いけど何か食べるものを探しに行きたい
なんでもこのパナマシティの旧市街には魚市場があるそうだ
そこではコスタリカのサンホセのメルカドのようにシーフード料理が比較的安く食べれるらしい
まずは魚市場を目指そう
向こうに見えるビル群
あれがパナマシティの新市街だ
高層ビルがこれでもかっていうぐらい密集していて随分こっちとの差を感じる
なんせ旧市街は古い建物や廃墟も多く教会などの多いエリアだからな
旧市街を歩きながら魚市場を目指す
放置された廃墟や崩れた壁に書かれてる落書きなどを見ていると随分荒んだ街にも見える
宿の受付のドレッドのラスタマンに「旧市街は少し危ない場所もあるから夜はなるべく人の多い大きな通りを歩くようにしなよ」と忠告を受けていた
荒んだ路地を歩いてるとその路地からさらに細くて暗い路地が左右に伸びていてそこに決して裕福には見えない家族が半分外のような環境で暮らしているのが見える
あの新市街のビル群とこちらの旧市街の廃墟やスラム
パナマも結構格差が激しそうな国だな
そんなことを考えながら歩いてるうちに到着しました魚市場
外国人観光客も結構見に来ていた
僕がここに来たのは海鮮物を買う為ではなくて安いシーフード料理を食べるため
狙っていたのはセビーチェ
中に入ってる具によって値段が変わって来る
セビーチェは魚介のマリネだからちょっと酸っぱい
食べやすいようにクラッカーもついてきた 3.5ドルだったかな?
セビーチェを食べ終わったら少し離れた地下鉄の駅を目指して歩いて行く
僕は今からパナマ運河を見に行くつもりだ
運河っていうのは簡単に言うと船の近道のこと
一口にパナマ運河と言ってもパナマ運河は長く広大なので観光客が一般的にパナマ運河を見に行く場所は決まっている
その場所が「ミラフロレス閘門」 閘門は「こうもん」と読みます
閘門(こうもん)とは運河や放水路などで水量を調節して水面を一定にするための装置の事
パナマ運河、つまりミラフロレス閘門を見に行くには旧市街からはタクシーで行くか、地下鉄とバスを乗り継いで行く必要がある
タクシーだと随分強気の値段を提示されるので僕は地下鉄とバスで行こう
パナマ運河の観光客が見に行くポイント「ミラフロレス閘門」の場所はここです
まずは地下鉄のEstación 5 de Mayoという駅を目指しそこからメトロでEstación Albrookという駅まで行きそこからバスに乗り換えだ
Estación 5 de Mayoの近くの広場
写真左にはこの辺りでしか見ない先住民の衣装に身を包んだ女性達が見える
この先住民のオバサン達、足元がカラフルですごくお洒落
中南米は先住民の人の衣装を見るのも楽しみのひとつだ
パナマの地下鉄に乗るにはメトロカードが必要
カードの値段は忘れた
初パナマの地下鉄
Estación Albrook駅を目指して乗車 中は思った以上に綺麗
そして辿り着いたEstación Albrookという駅
実はこの駅は僕が今日の朝までいたバスターミナルに隣接している
昨日の夜中に着いて今日の早朝までいたバスターミナルに一旦戻ってきた形だ
まずバスターミナルの中でパナマ運河行きのバスを探します
インフォメーションセンターがあったのでそこで聞いてみるとパナマ運河のミラフロレス閘門に行くには市バスではなくメトロバスに乗れと教えられた
メトロバス乗り場の場所を聞いて行ってみると乗り場がアルファベット順に分けられている
その中でパナマ運河行きはDということがわかった
ここがミラフロレス閘門に行くバス乗り場
やって来たバスに乗り込んで出発待ち
バスの料金もさっき買ったメトロカードで支払う形
これがないとバスに乗れない
基本パナマ運河の入場ゲートの目の前まで行ってくれるので降りる場所を心配する必要はナシ
帰りも同じバス停から同じバスに乗って帰るだけ
これが到着したパナマ運河のミラフロレス閘門の入り口
中に入るとまず目に入ったのはパナマ運河をモチーフにした映画のポスター
入り口を入って左手に進むとチケット売り場があります
まずはここでチケットを購入しなければ
通常のチケットはこの建物の中にあるパナマ運河の博物館とミラフロレス閘門を展望台から見るセットのチケットが20ドル
これに先ほどのポスターの映画などを見る場合はさらに別料金が必要だ
そしてこれがかなり重要
ミラフロレス閘門に船がいつやって来るか手書きの紙が貼られている
パナマ運河に来たからといって常に船がガンガン通ってるわけでもないし、 船だって航海の進行度によって遅れてきたり少し早く来たりすることもあるだろう
よって観光客が展望台でずっと船を待っていなくてもいいように船がやって来る大体の時間をスタッフが書いてくれてるのだ
これを把握してないと下手したら夕方まで待たなくてはいけなくなったりするハメになる
僕は宿を出発する前に受付のスタッフに
「パナマ運河を見に行きたいんだけど大型タンカーは何時ぐらいに通過するか知ってる?」
と予め聞いていた
宿のスタッフが大体昼ぐらいが目安だと思うよっと教えてくれたので乗り継ぎの時間を計算して昼の12時過ぎにはパナマ運河に着くように宿を出たのだ
もしも到着してから船が来るまで随分と時間があるようだったら先に博物館の方を見に行って時間を潰せばいいと思う
同じチケットで入れます
これがパナマ運河、ミラフロレス閘門の入場チケット 20ドル
ほんの10年前までは運河の見学だけなら5ドルで入れたらしいので博物館がセットになってるとはいえかなりの値上がり
チケットを購入したらエスカレーターで上の階に上がってみましょう
まずはパナマ運河に関するお土産屋が迎えてくれるはずです
そしてさらに上階(4階)には展望台
ここがパナマ運河を眺めるメインの場所だ
これが有名なパナマ運河か
よく見るとちょうど遠くから大型タンカーが一隻入って来るところだった
場所も真正面のいいポイントを確保できたぞ
こっちはタンカーが出て行く側の水門
パナマ運河はさっきも書いたように長くて広大だ
パナマ運河の全長は約80km
運河では船もスピードを落とすのでこの80km のパナマ運河を渡るのに船は丸1日かかってしまう
僕らが今見てるのはそのパナマ運河のほんの一部の水門の部分だ
上の写真で水門の右側と左側で水位が全然違うのがよく分かると思う
こうやって水位を調整して船を運んでやるのだ
運河と言っても80kmもあるわけだからその海抜は場所によって異なる
その為、船を通過させるには水位の上げ下げが必要になってくるわけだ
アメリカ大陸は北米、中米、南米が繋がってる非常に縦に長い大陸
なので途中あいだにこのような運河がないと船は北米のカナダの上を回り込むか南米のアルゼンチンやチリの下を大きく回り込まないといけない
大型タンカーなどだとこの回り込みにものすごい日数と経費がかかってしまう
そのためこのパナマ運河を通ってアメリカ大陸の北か南を回り込んだりせずにショートカットで太平洋側に抜けることが出来るって訳だ
遠くでは貨物のみの運搬が運河によって行われているのが見える
もちろんだけどパナマ運河を船が通過するのにはお金がかかる
だいたい1トンで幾らというように料金が決められていて、 通行料は船によってまちまちだが何百万から何千万は普通らしい
それだけのお金を払ったとしてもアメリカ大陸を北か南から回り込むよりははるかに時間もお金も節約できるのだ
このパナマ運河の通行料はパナマにとって非常に重要なものだ
タンカーがいよいよ閘門に近づいてきた
それによって水位の調節も始まる
いつの間にか展望台もパナマ運河を見学する観光客でいっぱいになっていた
ちなみに昔パナマ運河というかこのミラフロレス閘門を泳いで渡るというチャレンジをした人がいるらしい
もちろんその場合もその人の重さで料金が決まる
泳いで渡った人は35円だったらしい(笑)
世の中って変人と言うかド変態がいるもんだな
水門に近づくタンカーはゆっくりゆっくりと水路を進んでいく
よく見るとタンカーの前方からワイヤーが伸びていてそのワイヤーをパナマ運河のレールの上を走る2台の車が両側から引っ張っているのが見える
こうやって船を水門まで先導しているのか
タンカーがちょうど通るタイミングで地元の小学校の社会見学か何かでパナマ運河を見に来た子供たちが展望台にやって来た
僕らが展望台から運河を見ていると足元に子供がどんどん入ってくる(笑)
よしよしこうなったら最後までタンカーが通過するのを一緒に見ようじゃないか
目の前に2本流れる水路の奥の水路をタンカーは進んでいる
門の左側の奥の水路に水が放出され水かさがどんどん増えていく
これで一旦水門の左と右の水位を一致させるわけだ
奥の水路にもだいぶ水が溜まって来た
これであのタンカーは同じ水位でここを移動出来る
ちなみにパナマ運河という名前だが、この運河がパナマのものになったのは比較的最近のことなのだ
この運河は実は1999年までアメリカのものだった
この運河を開通させたのがアメリカだったのでパナマ運河もアメリカのものになっていた
コロンビアから国家として独立したのもアメリカの意向によるものである
独立以降もアメリカは常にパナマを属国として扱ってきた
それだけアメリカと関係が深い国だとパナマがタックスヘイブンになっていたのも流通している通貨がアメリカドルなのも不思議ではないよね
タンカーの前にまずは小さな船が通過
このぐらい小さな船の場合は車が先導するのではなく両サイドに人が2人で付いて合計四人で船をワイヤーで引っ張り誘導していく
そして小さな船が通り過ぎたら次はいよいよタンカーの出番だ
何トンあるか想像もつかない馬鹿でかいタンカーが目の前の水路をゆっくりと通り抜けていく
大陸を削って海と海を繋げてしまうなんて人間の英知ってすごいよな
ゆっくりした光景だけど今すごい物を目にしてるんだよな
パノラマでも一枚撮ってみた
よく見ると手前の水路に奥からまた小型船と大きなタンカーが入って来てるのが写ってる
これは続けてまた2隻通過するところを見れそうだ
最初に通過した奥の水路の1隻目のタンカーは開いた水門からいよいよ太平洋側に出るところ
タンカーが運河を通って大西洋から太平洋に渡った瞬間を見届けた
さ、次はこの2隻だ
たっぷりある水位をまずは下げる作業
上の写真と下の写真を比べると水位が下がっているのが分かりやすいと思う
そして水位が下がり切ったら開門
この状態で水門の右側と左側が同じ水位になった
大型タンカーがゆっくり車に先導されて水路を渡りだす
この船も相当な貨物を積んでる
車を運んでいるのかな?
見る限り描かれてる国旗はイングランド
とするとこのタンカーはイギリスから?
タンカーが通り抜けると水門が閉められて僕のパナマ運河の見学は終わった
地味だけど運河の重要性と凄さをまざまざと見せつけられた
これでパナマで一番の観光どころを抑えたぞ
運河を見終わったとは下の階に降りてカフェで休憩
本当は同じ建物の中にあるパナマ運河の博物館も結構時間をかけて見て回ったんだけど長くなるので割愛します
見たい方は是非パナマ運河に行った時に自分の目で見てみてください
バスと地下鉄で旧市街に戻ってきて少し入り組んだ道を通って宿へと向かう
あまり治安の良くなさそうなゴミが多いボロボロの路地
宿に帰ってからわかったんだけど1年ほど前にドイツ人のバックパッカーが夜この通りで銃を突きつけられて荷物を全て奪われたそうだ
どうりでただならぬ雰囲気が漂ってた訳だ
こんなことを書くとパナマシティって治安が悪いって思われそうだけどパナマで本当に怖いのはパナマ第二の都市コロン
外国人が足を踏み入れると30分で死体になると言われている町
だけどパナマシティに関しては海沿いの大きな通りを通っていれば何の問題もない
夜でも観光客がたくさん歩いてる
ただ旧市街の中の潰れた中華街のあたりや入り組んだ路地には夜一人で入らない方がいいかもしれないね
宿の近くまで帰ってきたところで海の向こうの新市街の方を見るとどんよりした曇り空が広がっていた
パナマは一日に一回はスコールが降る国
多分もうすぐスコールが来る
今日は早朝から動き回っていたのでこの時間からは宿でゆっくりするとしよう
ポツポツと雨の粒が体に当たり始める中、走って安宿まで帰った