2020年8月18日
前回の記事で書いたように僕らがゼロから築き上げた新店は警察にあげられ半年で潰れた
お店が無くなったということはそこで働いてたスタッフの職場が無くなったということ
勤務してるお店がなくなった僕らは既存の系列店に振り分けられることになった
僕はといえば以前いた梅田店に戻り以前と同じように店長がいない時の店長代理という立場で仕事をしていた
そしてそれから7〜8ヶ月が経った頃、 また1年後ぐらいに新しいお店を作る計画が会社の中で出る
この間の新店のように大きな店は作れないが、大阪のどこかで小さな既存店を買い取ってそこを僕らの系列店に変えるというプランだった
そのためにどの社員が新規店のスタッフに選ばれてもいいように、店長以外の社員を総入れ替えするシャッフルが行われた
ほぼ全員が系列店に転勤する事になる
僕はこのシャッフルは初めてだが、ちょうど僕が1年風俗の世界から抜けている間にも社長の意向で一度社員のシャッフルが行われたらしい
シャッフルの結果、僕は梅田の店から元いた京都店に転勤になった
京都店はグループで一番忙しいお店
通勤は楽になったけどお客さんの量が1.5倍くらいに増えた
僕が京都店離れているうちに男子アルバイトのメンツも結構入れ替わっていた
また新しいメンバーと協力して売り上げを上げていかないとな
そうして京都店で勤務をしてから1年後僕は次の新店の店長に抜擢された
社員になって随分時間が経ったなぁ
勤務地は大阪の梅田店の近くにある有名な風俗街
うちのグループがその風俗街の中にある小さなファッションヘルスを買い取った
ちなみにこのファッションヘルスの店舗は元々年配の姉と弟の兄弟で経営されてたお店
弟の方が借金まみれで首が回らなくなり姉に内緒で勝手に権利をウチの会社に売った
姉の方からすれば寝耳に水なのでオープンまでの期間中お店の電話にその姉からジャンジャン電話かかってきましたね
僕は社長から事前に電話がかかってきても「ウチのオーナーとあなたの弟サンの間で交わされた契約で売買が成立してるので僕には分かりません」と答えろと言われていたのでその通りに答えていた
ちなみにその弟さんは姉に内緒で金を持ったままカバンひとつで新幹線に乗って東北に逃げられました(笑)
ああいうドラマで見るような悲しい逃亡劇を目の当たりにしたのは初めてだったのでちょっと面白かったです
中は結構もうボロくなっていたので業者と打ち合わせをして一から僕がお店を作り変える
開店までの全てを任されてるので待合室の壁紙や下のカーペット選び、部屋でお客さんが寝転ぶマットレス、天井から吊るすシャンデリアまで全て数多くのサンプルの中から業者と予算を打ち合わせし詰めていく
工事業者はかなり安くやってくれる社長の知り合いを紹介してもらった
男子のアルバイトはお店がオープンしてから系列店から回してもらえることになっていたのでそれまでは一人でお店を作り上げる
ここでは以前新店の立ち上げに関わった経験が大いに活きた
そして一人で泊まり込みでオープンまでこぎつけてようやく新しいお店のオープン
お店には今までお付き合いのあった業者などからオープン記念の花が届いている
中には知らない名前のお店からも花が届いている
これはこの辺りの風俗街で無料案内所をしているお店だ
新しいお店のオープンに花を送ってそこから付き合いを始め、自分の案内所に広告を出してもらうように営業してくるよくあるパターン
無料案内所に広告を出すとその広告の大きさ、つまり広告料に応じて無料案内所がお店にお客さんを連れて来てくれます
オープン初日はお客さんが多すぎて、全員入れられないため断らないといけない忙しさだった
こうして僕が店長になったお店は順調に滑り出したのだが、その日々を書き連ねてもしょうがないと思う
なので、ここで風俗店の店長ってどんな仕事をするのかを書いてみたいと思う
僕は旅中に出会った日本人旅行者に仕事を聞かれた時に風俗店で働いてたという事を言うとものすごい質問攻めにあった
特に若い人とかはやっぱり興味があるみたいで一人に説明してもまた次の人が同じことを聞いてくるの繰り返しで辟易してしまった
でもそれだけ聞かれるということはやっぱり興味を持つ人が多いと思うので、ここでは旅中によく聞かれた質問の内容から風俗店の店長の代表的な仕事をいくつかを書いてみたいと思う
風俗店の店長の代表的な仕事としてはお店の受付、面接、女の子のシフト管理と給料計算などもあるのだがこの辺は任せられるスタッフがいる場合は自分の下に任せる場合も多い
要は副店長のような立場ですの人ですね
お店には店長を含めて大体面接できるスタッフっていうのが2〜3人いるものだ
実際僕も社員になって梅田店で働いてる時から面接は数えきれないくらい行ってきた
でもその中でも店長だけがすると決まっている業務があった
それは働きに来た女の子の「講習」というものだ
この講習というものは店長自身がお客さんの役をして女の子にサービスの内容と流れを教えるものだ
つまり働きに来た女の子と店長である僕がお互い裸になって、一連の流れを実際に行うのだ
だいたいファッションヘルスに来るお客さんというのは30分コースや40分コースで遊ばれる人が多いのでそれを想定して講習を行う
この講習について質問してくる人の中に「仕事でそんなこと出来るってラッキーですよね」などとアホな事を平気で言ってくる奴がいる
こういう下心ありありの連中は風俗の世界に入ってもほぼ成功しないと思う
若い人だから瞬間的にそういう気持ちになるのもわからなくはないんだが、仕事として講習をやるときは楽しくもなんともない
こっちとしても本当に業務なのだ
なぜならこの30〜40分で教えることを基に女の子はお客さんにサービスをしていくのだ
そしてそのサービス内容でお客様が自分の店のリピーターになるか、一回限りでうちの店を見限るかが決まる
そんな大事なことを教える時にこっちの性欲の楽しみなんて感じてる暇はない
売り上げが悪いと当然社長から詰められますからね
でもそういう大変な部分に目を向けられず目先の欲望のことしか考えてない奴から質問を受けるとだいたい講習の仕事や風俗店の給料の質問しかなく「いいなー 羨ましいな」で終わる
全然重要さや大変さが分かってないのだ
新店がオープンしてしばらくして僕は彼女が出来て同棲してたんだけど、もちろん彼女には風俗で働いてることは内緒にしていたので僕はゲームセンターの店員ということにしてました
他の風俗店で働いていた女の子が面接に来て採用した場合、下手をするとその子が性病を持っている可能性もあるし講習中に移されたりしたら彼女に移してしまう可能性も出てくるので大変です
また中には講習中、フ◯ラが上手くなって歯が当たる時とかあるんですよ
歯が強くあたったりすると自分のアレが少し腫れてしまう事もあった
その腫れが引くまでの間は彼女の前で絶対にパンツ脱げないんですね
だから当然毎晩彼女と一緒に寝るのにその間はセックスも出来ない
「何これ?」ってなるから
お風呂に一緒に入ることも出来ない
そういったことがなくても1日に2人ほど講習をする日があれば当然夜はもうあまりする気は起こらない
いろんな事情が重なってまだ若いのに段々とセックスレスになっていきます
僕も別に好きじゃない女性とそういう事を仕事でする訳だし、彼女にはずっと嘘をついてる罪悪感もあるし
だから皆が期待して聞いてくるようないい仕事じゃないですよ
風俗店の店長って
僕は女性の面接だけでなく男性スタッフの面接もたくさんしてきたけど、話してる最中にちょっとでもおかしな下心が見えたらその瞬間絶対に取らない
そういう人を取るとロクな結果にならないのを見てきたから
まともな店なら、まともな店長ならまずそういう人は面接で落とすと思います
仕事なのにいい思いしようとスケベ心持って来る職場じゃないです
僕は風俗業務で今までの店長を見てきたり自分で店長やった経験から店長というのは偉かったり得をする人ではなく、他の人より大変な分給料を多くもらっている人だと思っている
実際風俗店の雇われ店長なんてそんなもんだと思う
もちろん店長になったことによって人が擦り寄って来ることもある
でも僕は自分が店長になったからといって急に僕におべっかを使ってきたり、急に態度を変えて寄ってくる人を一切信用しなかった
役職が変わった瞬間に態度が変わる奴なんて人として信用が出来ないです
僕はそういう人には重要な仕事も任さなかった
信用を積み上げるにはすごく時間がかかる
でもその積み上げた信用が崩れる時っていうのは一瞬
そんな態度がすぐ変わるコウモリ野郎になって人としての信用失うなんて馬鹿ですよね
風俗の世界ってただでさえいい加減な人が多いと思われてるので、その中で毎日真面目に仕事を頑張るっていうのはすごく大事なこと
役職持ってる人に擦り寄ったりしなくても、他の才能がなくても毎日真面目に働くということを黙々と継続するだけでそのうち認めてもらえると思います
これは風俗に限らず普通の会社でもそうですよね
風俗でも信用と真面目さを積み上げていくしかないんです
思った以上にしんどい風俗店の店長 あなたはやってみたいと思いますか?
コメント
このシリーズとても面白いです
話の展開が丁寧で分かりやすくスイスイ読めました
風俗スタッフとして働いてみようかと思いネットで調べていたところこちらのブログさんに辿り着きました
人生なんでも経験と考えて応募してみようと思います!
まる様、コメントありがとうございます!
風俗スタッフ、上にならないと報われない仕事でもありますが覚悟決めたなら頑張ってください!
成功を祈ってます