2023年3月10日
おはようございます
朝8:30のバスに乗るために7時前に起きてシャワーを浴び、身支度を整えた
これからまた野宿が続くかもしれない
シャワーは出来るだけ出発日の朝にも浴びておかないと
因みに昨日は宿をチェックアウトした後に、「キッチンも共有スペースも使っていいよ」と言われたので夜まで使わせてもらった
そして夜23時ごろに外に寝に行こうとしたら宿のスタッフが「こんな時間から外に出て寝るの？共有スペースのソファでなら寝てもいいよ」っと言ってくれたのでそのままお言葉に甘えさせてもらった
昨日、外で野宿しないで済んだのは助かったな
なんだかんだで結構お世話になったYHAホステル
いい宿だったな
明るくなり始めたクライストチャーチの街
少しの肌寒さを感じながらバス停に向かって歩き出す
僕は今日ここから4時間半ほどバスで走ったところにある湖に行く予定だ
そこは「テカポ湖」と呼ばれる場所
世界で２番目に星が綺麗に見える場所らしい
ここが僕が世界一周を終える前にニュージーランドで見ておきたかった場所だ
「テカポ 星空」などの検索ワードで画像検索すれば綺麗な星空の写真が沢山出て来るはず
ほぼこのテカポに行くためにニュージーランドに来たと行ってもいいくらい
それくらい僕にとっては行きたかった場所なのだ
因みに世界で一番星が綺麗に見えるのはチリのアタカマ砂漠らしいです
バス停に到着
今回もバスはインターシティで予約した
インターシティって普通は緑のバスなんだけど、外観が違うバスで来ることもある
この日もそうだった
違うバスかな？っと思っていたらこの青いバスが僕が乗るバスだった
念のために確認しておいて良かった
バスに乗り込んでほぼ時間通りに出発
３日間過ごしたクライストチャーチともお別れだ
古さと新しい街と自然が融合して過ごしやすい街だった
でも、何と言うか僕にとってはここにいて何をすればいいか分からない街でもあったかな
バスはどんどんと南島の内陸に入って行く
山々と放牧された羊と牛の連続
そしてクライストチャーチを出て４時間半が経った頃
綺麗な湖が目に入った
地図アプリで確認するとこれが間違いなくテカポ湖だ
ようやく着いたぞ
実はこのテカポ湖にもクライストチャーチで泊まったホステルのYHAの支店がある
ニュージーランドで観光客が集まりそうな場所にはだいたいYHAのホステルがあるのだ
ここテカポもそう
でもYHAは施設がいいのに比較的安めだから人気だ
ネットでここを予約しようとしたけど、今日と明日は満室
この日は金曜日
僕が予約を取れたのは日曜日だった
つまり今日と明日は野宿が決定してる
でもこの荷物を持ったままあちこち移動するのは苦だ
ホステルに事情を話してまずこの20キロ越えの荷物を預かってもらおう
ここがテカポのYHA
話をしてみたら快く荷物を預かってもらえた
しかもクライストチャーチのYHAと同じくキッチンを使う許可ももらえた
これでだいぶ行動しやすくなったぞ
テカポには観光客が泊まる宿泊施設とレストラン、カフェ、旅行会社、土産物屋があるだけ
あとはガソリンスタンドとスーパーマーケットが一軒ずつあるくらい
その他はもう湖と大自然だ
一応、無料のトイレもあるよ
野宿する身にとってはこれは何気にありがたい
それにしても静かでのどかな場所だ
天気予報では今日はちょっと雲が多いけど、数日滞在するつもりだしその間に綺麗に晴れてくれたらいいな
これは天体望遠鏡だったかな？
ここは夜の星が有名だから天体観測も行われる
さらにこのテカポの星空を世界遺産に登録しようとする動きもあるらしい
これが承認されたら世界初の星空の世界遺産の誕生だ
すでにニュージーランドを旅してる旅人からは「星空世界遺産」なんて呼ばれたりもしてる
また時期と運が良ければここで星空だけでなく、オーロラを見れる事もある
夜景や星空が一番綺麗に見えるのは空気が澄んでる冬
だから南半球のニュージーランドでは5月〜8月くらいの真冬が一番星が綺麗に見えるらしい
今回は３月だけど、そろそろ冬に切り替わる頃
夜に雲が無くなって綺麗な星空を見れたらいいな
さぁ、早速テカポ湖の側まで行ってみよう
澄んだ湖の水がかすかに揺れて波紋を作っている
湖の水は思った以上に冷たい
こんなに透明度の高い湖を見るのって久々だな
ここで昼飯がわりのリンゴを齧る
リンゴを食べてたら、カモがおこぼれをもらいに近づいてくる
芯の部分だけやるからな ちょっと待ってろよ
ちょっと湖周辺を歩いてみるか
もう雲の模様がすごい
白の絵の具を溶かしたように綺麗に白い線が空を流れてる
これは星空だけじゃなくて昼間の景色も十分期待できるぞ
湖の手前の芝生の広場にはサークル状に石のベンチがあり、その周辺に星の位置を示す看板が設置されている
例えばこれはMERCURYだから水星
時間までは分からないけど、夜この位置に立って夜空を見上げれば水星が見えるって事みたいだ
少しの建造物と壮大な大自然
それがテカポの町の印象
ふと湖を見るとほとりに小さな建物が見えた
人が結構集まってるのが見える
あれはテカポで有名な「羊飼いの教会」だ
ちょっと僕も行ってみよう
この橋を渡って一本道であの教会に行けるはずだ
今日のテカポは夕方でも18度くらいある
この気温なら夜でも10度くらいはあるだろう
10度もあれば少し寒いかもしれないけど寝袋があれば野宿しても大丈夫だ
橋の上から見るテカポの湖の色はまさにエメラルドグリーン
湖がこの色は凄いだろ
なんでも氷河が削った岩石成分が含まれている為、このような色に見えるらしい
なんて美しい湖なんだ
橋を渡ってそのまま進むと羊飼いの教会が正面に見えて来た
この教会、何度も何度も写真で見たなぁ
ニュージーランドやオーストラリアって物価が高いからなかなか世界一周中のバックパッカーも周らない国
だから昔、世界一周ブログを結構見てた頃もなかなかここに来てるバックパッカーは少なかった
もう僕が世界一周旅行者のブログを読んでいたのも10年近く前の話だ
この教会は1935年に造られたらしい
それにしては綺麗だから、何度か修復を繰り返してるのかもしれないね
ホント小さくて可愛らしい素朴な教会だ
でもその素朴さというか、この大自然の中にポツンと寂しげに佇む風情がより一層テカポという場所にマッチしている
教会の裏側に回るとガラス越しに中の様子が伺えた
必要以上に派手でなく、中もこじんまりしてる
教会の裏側はこんな感じ
そして教会の裏側の湖畔には観光客がおまじないかのように沢山石を積んでいる場所があった
長い道のりの登山道などでよく見るやつだ
近くの未舗装道を奥に行くと何やら銅像が立っていた
ワンコ
農場が多いからこれは牧羊犬なのかもね
この教会付近はどうせ夜にまた来るつもり
なのでここからはもう少し足を伸ばして周辺を探索してみよう
大自然に囲まれてるから、ちょっと森の方に行くとよく動物の死骸も落ちている
明らかにハリネズミが車に轢かれてペッチャンコになってる死骸があった
あとはウサギとか鳥の死骸なども道路には多かったな
少し歩いてると何もない丘に出た
遠くまで続くあぜ道の両側には黄金色の草原が広がっていた
あまり人が来ない場所なのか、辺りには人っ子一人いない
どこまで続いていて、どこまで行けるんだろう
どうせ暇なんで歩いてみるか
陽を遮るものがないので暑いけど、少し冷たい秋風が吹くとすごく爽やかで快適になる
テカポの標高はわずか700メートルくらいだから決して高くはない
だが、紫外線の強さを感じる
日中に何も対策せずに外に居続けてるとかなり日焼けしてしまいそうだ
誰も居ない黄金色の道を一人で歩き続けた
こんなに素晴らしい景色なのにみんなこの道を知らないのかな
ピクニック、トレッキング道としても最高だと思うんだけど
ひたすら歩いてると黄金色の草原が終わり、今度は景色が森林の中に変わった
森林浴をしながら胸いっぱいに自然の空気を吸い込んでゆっくり歩いた
気持ちいいなぁ
急な勾配も無い気持ちの良い道を歩き続けたらついに小さな町に出た
グーグルマップで確認してみたらここにはゲストハウスらしき宿が複数あるようだ
ちょっと歩いて見て回ってみた
だけどここにある宿は一軒家貸しの高級なリゾートハウスのようなものばかり
車で旅をして一軒家のゲストハウスを丸々借りるスタイル
一泊で400ドルくらいはするところばかりだ
今の僕には縁のないエリアを抜けてテカポ湖の方に戻ってる時にこんな場所を見つけた
人があまり来なさそうな木のベンチ
ベンチのところにリンゴの木もなっていて自然に出来たリンゴがある
ここなら野宿出来そうだし、無農薬の自然なリンゴも手に入る
よし、今夜はここで寝よう
ちょっとお腹が減って来たので町の方に戻って来た
一度スーパーマーケットに行き、宿に戻ってキッチンを使わせてもらおう
テカポ湖の町の中には至る所に木で出来た椅子やテーブルが置かれていて、いつでも湖を眺めながらテーブルで食事出来るようになっている
芝生の上で日向ぼっこしてる人や、ランチボックスとお湯の入ったポットを持った人がピクニックを楽しんでるような風景がそこらじゅうにある
本当にみんなここにはのんびりしに来てる感じだ
テカポの町にはひとつだけスーパーマーケットがある
それがここ「Four Square」
中の品揃えはなかなかいいので、食品類を買うのには十分過ぎる充実ぶり
ついつい買いすぎてしまった
食パンとピリ辛豆の缶詰、サラミ、あとチキンカツ弁当に鳥のもも肉
これで33ドルくらい
クソ高ぇえ
久々のちゃんとした食事
最近肉を食べる機会も減ったからか、鶏肉食べたら少し体にエネルギーが戻って来た気がした
お腹もいっぱいになった事だし、宿から共有スペースを使う許可ももらってるのでそのまま２階の共有スペースに行ってみた
宿からこれが見えるって最高の景色じゃないかここ
狭いけどバルコニースペースも２箇所ある
これは思った以上に良いホステルだ
泊まれる日曜日が楽しみだな
ここで夜までパソコン作業をさせてもらって、預けてた荷物を受け取って外に出た
外に出た時に「あれ？妙に見える星が少ないな」っと感じた
もちろん今日は雲があるから正直あまり期待はしてなかった
でも、それにしてもこの星が有名な場所にしては思った以上に星が見えない
その原因は月だった
今日はほぼ満月
雲の隙間から満月がテカポを照らしてる
この月の光でさらに星が見えにくくなっているのだ
これは・・・あのボリビアのウユニ塩湖と同じように新月を計算して来るべきだったということか
ちょっと迂闊だったなぁ
もう月が出てしまってる事はしょうがないので、とりあえず橋を渡って例の教会の方に行ってみよう
教会周辺には多くの人が星と教会の写真を撮ろうと集まっていた
正直、今夜はあまり星は出ていない
それでもある程度は見える
僕はiPhone13しか持ってないので、それで写真を撮ってみた
iPhoneでもある程度は星が撮れるんだな
最近のiPhoneのカメラは凄い
本当はもっと暗いし、教会もこんな鮮明には見えないんだけどiPhoneのカメラが自動的に周辺の小さな光を集めて少しでも明るめの写真を撮ってくれる
天気予報によると今夜と明日の夜は曇りだ
だから今日と明日は正直星空は期待は出来ない
でもここには最低でも３〜４日は滞在するつもり
その間に満点の星空を見るチャンスはあるだろう
夜のテカポは結構冷える
そろそろ昼間見つけておいた野宿場所に移動しよう
木のベンチにマットを広げ、寝袋を取り出した
クライストチャーチの宿のフリーボックスからもらってきた小さな枕もある
ちょっと前までメルボルンの路上でマットも寝袋も無しで直接地面に寝てた事を考えたら快適なもんだ
朝方はきっとかなり冷え込むだろう
でもまだギリいける
今なら寝袋さえあればまだ何とかなる
このままなるべく節約して南下していかないと
木からリンゴをひとつむしり取って齧りながら寝袋に入った
おやすみなさい
