2019年2月6日
バスの窓の外にスーダンの首都ハルツームが見えてきた
首都とは言っても市内のそこらじゅうにヤギがいるような状態だ
青空ベッドで寝た昨晩は夜中2時過ぎに起こされて休憩所から再出発した
エジプトから陸路で国境を超えて青空ベッドで寝た記事はこれ
そして今が朝の8時
ハルツームはちょうど出勤する人達が行き交っていた
スーダンはエジプトの日本大使館で自己責任で行くという内容の念書にサインさせられた国だ
どんなに危ないのかと思ってたけど今の所人は優しいし治安的にも僕のアンテナは危険信号を出していない
最近パンの値上げに不満を募らせた民衆がデモを繰り返してるという話は聞いている
パンの値上げだけで市民は怒ってるわけではなくてその他にも今まで積もり積もった不満が今回のパンの値上げで爆発したという形だ
ただそれでデモが行われたとしてもそのデモが果たしてそんなに危ないものだろうか
僕にはそうは思えない
こうやって見てるとこの人たちの普段の日常が今日も始まってるだけで、ここの人は当たり前にいつもの毎日と暮らしを送ってるだけだ
しばらくするとハルツームの中心地に差し掛かったのか、窓の外にはスーダンのイメージには似つかわしくない大きなビルが見え始めた
ハルツームの中でもひときわ大きなビルのようだがこの国や人にあのビルはどこか違和感を感じてしまう
ハルツームのよくわからないバス停で長い時間乗ってきたバスから降り、タクシーを捕まえて泊まろうと目をつけていたホステルへ向かった
値段は事前交渉で90スーダンポンド(約200円)
ハルツームの道路では軽トラの荷台によく肉体労働者系の人が乗っている
道具や機材と一緒に現場に向かうのだろう
目をつけていたHostelling International, Youth Hostelに到着
しかし、ここでひとつトラブルが
タクシーのドライバーに事前交渉してたとおりの90スーダンポンドを払うために100スーダンポンドを渡して10スーダンポンドのお釣りをもらおうとした
ただこのドライバー、運転してる時から態度や動向が気になってたんでちょっと用心して先にお釣りの10ポンドを持っているかを確認した
するとドライバーが案の定お釣りの10ポンドを持ってないと言ってきた
海外のタクシーだと日本みたいにちゃんとお釣りを持ってないって事はよくあるんだけど、それでもだいたいその辺の店で自分の持ってる大きな紙幣を両替してもらってでもお釣りを作って返してくれる
でもこのドライバーはなぜか頑なに周辺の店に両替に行こうとしない
それどころか「もう10ポンドだからいいじゃないか」みたいな事を平気で言ってくる
この頃からちょっと胡散臭さは漂っていた
10ポンドってたしかにせいぜい24円とかそんなもんだ
お釣りを持ってないならそのままあげてしまっても大した金額ではない
ただし本当にお釣りを持ってなかったらの話だ
騙し取ろうとしてるのなら完全に話は変わってくる
僕はもうこの時このドライバーは本当は10ポンド札を持ってるんだけど、お釣りを持ってないと偽って10ポンドをそのまま騙し取ろうとしてると確信していた
だってそのつもりがないのならその辺に商店やら小さなレストランもあるし周辺に人もいるので両替して小額紙幣を作る気になればいくらでもすぐに10ポンド作れるのだ
「財布にお金が全然入ってないし、自分が崩すお金さえないから君の100ポンドをその店で両替して90ポンドちょうどくれないか」 とか言ってくるのならまだわかるんだけど、そういう提案もなくただ僕の手から100ポンド札を奪い取ろうとしてました
僕「お釣りの10ポンドを用意できないならこの100ポンドは渡せない 先に10ポンドを作って目の前に見せてくれ」
ドライバー「なぜだ?お前は旅行者だろ?お前達にとってお釣りの10ポンドなんてたいした金額じゃないじゃないか」
僕「金額の問題じゃないよこれは 僕が何を言いたいかわかる?」
もうこの時、顔に「全部わかってんだぞオイ」って表情で出てたと思います
ドライバーは少しの沈黙の後自分のポケットからバツが悪そうに10ポンド札を出して僕に差し出してきた
やっぱ持ってやがった・・・・
フツフツと怒りが込み上げてくるのを抑えた
つもりだった
「やっぱり10ポンド持ってんじゃねぇか
このボケェェェ!!! ガキみたいな嘘つくんじゃねぇ!」
気がついたらオッサンの胸ぐら掴んでました
オッサンは自分が嘘をついてお釣りを取ろうとしたのがバレた+こっちの剣幕でずっと下を向いたまま
周りのお店の人が通りに出てきて止めてくれてる間も僕はまくしたてていた
もう途中から日本語で怒鳴っていたと思います
観光客ならすぐに金を払うと思ってすぐにチンケな嘘をついたこのアホにも腹がたつけどそれ以上にこんなところですぐに24円だからいいやと思って払うと今後も誰かが同じ目にあいます
金額の問題じゃないです
日本人をナメて少額なら何でもかんでもすぐに支払うチョロイ連中と思われない為です
今後の後続の旅人のためにも「日本人はすぐ金を出す」と思われない為に理不尽なお金はいくら少額でも絶対払うべきではありません
頼むからこの優しい人が多いスーダンのイメージを一人で悪くするのはやめて欲しいわ
で、さっき到着したHostelling International, Youth Hostelなんですが・・・
全館リニューアルのために閉館中でした 中はホテルスタッフと工務店の人がいるだけだった
悪い事って続くもんだ
他にもいきあたりばったりで周辺のホテルに行ってみたけど、どうもこの周辺は高いホテルが多いみたい
一泊5000円近くするホテルの人に「どこかこの近くで安いホテル知りませんか?」と聞いて教えてもらったのがKhartoum 2 Hotelというホテル
Khartoum 2 Hotelの場所はこちら
Khartoum 2 Hotel
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★☆☆
- 価格 :★★★☆☆
- 清潔感 :★★★☆☆
- WIFI :★★☆☆☆
※あくまでも個人的な評価です
シングルルームで1300円くらい それでもスーダンの物価を考えると高いと思った
Wifiは部屋だとほぼ繋がらない 下のロビーに降りてようやくという感じです
それでも動画とかはちょっとキツイですね
あ、スーダンなのでVPNをかまさないとフェイスブックとかグーグル系とか繋がりません
VPNをかましたら速度は遅いですが一通り見れました
立地はいい方だと思います
僕はスーダンの後、そのまま陸路でエチオピアに抜ける
エチオピアの首都アジスアベバからマダガスカルに飛ぶフライトを取ってあるからだ
フライトは2月11日の夕方 今日が2月6日
5日後にはアジスアベバからマダガスマルへ向かう飛行機に乗れる状態じゃないといけない
ここスーダンのハルツームからエチオピアのアジスアベバにどうやって抜けるのが一番早いのかを確かめておかないと
おそらくはハルツームとアジスアベバを直通で結ぶ国際バスか何かあるだろうけどそこの情報がイマイチ出て来ない
そしてもうひとつ
このスーダンって国は入国したら外国人登録という手続きをしないといけない
そんな手続きがあるならあの150ポンドのビザは何だったのかと思ってしまうけど
なんかスーダン滞在が3日以内ならしなくていいという話なんだけど、僕はすでにここにくるまでに道中で1泊してるしハルツーム観光後にエチオピアに向かうとなると確実に3泊を超えるはずなのでやらなければ
スーダン国内のいくつかの町で出来るらしいのだがハルツームでも出来るはずだからそれもやってしまおう
以上の事を詳しく知る為に僕は宿から徒歩10分のスーダンの日本大使館に向かう事にしました
町にあるタクシーの車のレトロさがハンパ無い
時折ビックリするくらい古い車が走ってるのがスーダン
で、やってきました日本大使館
スーダン人の係員にアポイントがあるか聞かれます
アポイントは無いが大使の方に聞きたい事があるのでお話しさせて欲しいと言いました
パスポート確認されてスマホを回収されます スマホやカメラは中に持ち込めません
部屋に通されて少し待ってると大使の方が来られました
まずスーダンでの外国人登録の情報
大使の方のお話だとハルツームには空港も含めて3箇所登録できる場所があったらしい
上の写真のメモに書いてもらった2箇所は空港以外の場所
そのうち下の× のマークの所は今はもう稼働してないらしい
なので動いてるのは空港を含めて2箇所
メモの一番上の〇がついてるアフラモールという大きめのショッピングモールの近くの外国人登録局がいいでしょうとの事だった
とりあえず外国人登録はアフラモールの向かい側にあるというその場所でやろう
次にエチオピアのアジスアベバまでの最速の行き方とかかる時間について聞いてみた
ただ大使の方も飛行機ならともかく、陸路でアジスアベバまで行った事がないらしくてハッキリした事がわからないのでエチオピアの日本大使館に電話で聞いてもらえる事になった
この時もまだどこか市内の大きなバスターミナルからエチオピアの首都への直通バスがあるだろう、ただしチケットが売り切れとかで買えない事もあるかもな などど高を括っていた
10分後、大使の方が持ってきた回答は僕の安易な考えを粉々に打ち砕くものだった
直通の国際バスなどなかった
スーダン、エチオピアの国境間にはそのような気の利いたものは無かったのだ
ハルツームから乗りついで国境に行き、越境後にまたバスを捕まえて乗りついで行かなければならない
バスの乗り継ぎを繰り返してでしかアジスアベバには行けないのだ
大使館でもらったこの情報だと
ハルツームのミナバリバスステーション出発→ガターレフ→エチオピアとの国境→ゴンダール→アジスアベバ という乗り継ぎルート
これを詳しく調べてこなしていかないといけないのか
そしてアジスアベバまでの時間
大使の人が口を開いた
「エチオピアの日本大使館の者の話ではハルツームからだと3日で着けるかどうからしいです」
隣同士の国の首都と首都が移動に3日もかかるだって・・?
すぐに聞いた言葉を信じられなくて「え??3日・・? 3日かかるんですか?」と聞き直してしまった
大使からの返事は当然変わらず「3日で着けるかどうかなので場合によっては4日かかるかもしれません」との追撃までいただいた
デモなどで道路が封鎖されたりしたらバスが動けずに立ち往生してしまう
そうなったらもう何日かかるか予想がつかないという事だった
最後のゴンダール→アジスアベバだけでも軽く12時間はかかるらしい
しかもエチオピアはスーダンと同じく夜間のバス走行は禁止されてるので日中にしか走ってくれない
夜行バスがないならそのバスの時間に合わせてゴンダールで待機してないといけないという事
またスーダンとエチオピアの国境も決して安全ではないらしい
大使の人はしきりに飛行機での移動を僕に勧めてきた
大使館の立場からすればそれは当然だろう
でも僕は陸路での移動にこだわって旅をしてきた 何としてもこの国境も陸路で越えてやる
順調にいって最低でも3日、余裕を持って最低4日かかると見て動いた方がいいだろう
そう考えるとスーダンに居る猶予は全くといっていいほど無かった
僕のスーダン観光という目的はガラガラと音を立てて崩れていった
大使館を後にしてからも頭の中は “これからどうする?” これだけだった
とりあえず外国人登録をしに行かないと・・・
大使館周辺の道路が舗装されてない土の道路っていうのもどこかスーダンっぽいな
なんて思いながら歩いてる最中も心ここに在らず
スーダンでの観光を捨てて先に進むべきかどうか
このテーマだけが頭をうつ
大通りに出て乗り合いのミニバンを捕まえ大使館で聞いたアフラモールの近くの外国人登録局へ向かう
目的のアフラモールを確認してミニバンを降りて教えてもらっていた外国人登録局へ行き、申請の用紙を書き込みパスポートと一緒に提出
すると担当の女性から驚くべき回答が返ってきた
「ここは旅行者の外国人登録所ではなく、スーダンに外国人が住む事になった時に登録を行う外国人登録所よ。ここで登録を行うならスーダンに住む事を証明する大使館からのレターを見せて」
は???
いやいや、そもそもここに来たのが大使館で教わって来たわけで
レターが必要だったとしてもさっきまで大使館にいたのにそんなレターの話1ミリも出ていないし
その前に俺スーダン住まないし
日本大使館で聞いてここに来たんですよ?何かの間違いじゃ無いですか?って聞いても
「間違えてるのは大使館の方よ。ここは居住する事になった外国人の登録所なの」の一点張り
「じゃあどこだったら外国人登録の手続きを行えますか?」と聞くと空港に行きなさいと言われた
ハルツーム国際空港の外国人登録所なら確実に登録できるとのこと
大使館が間違えたのかこの女性担当が間違えてるのかはわからないがとにかく空港に急がないといけない
空港方面に行くミニバンを止めてハルツーム国際空港へ
ハルツームエアポートの外国人登録出来る場所はこちら
空港の入り口から歩いて入ってまっすぐ進むと右側に見えて来ます
地図を拡大して空港内の赤ピンの場所に行ってください
下の写真のような建物が見つかるはずです
緑の看板が目印のこちらの建物
窓口は3つあります
一番左が申請用紙をもらう窓口、真ん中が申請用紙とパスポートコピーを渡す窓口、
一番右が料金の支払いと外国人登録の終わったパスポートを受け取る窓口
コピーもここでやってくれます
空港での外国人登録の値段は535スーダンポンド(約1200円)でした
これが外国人登録をした証明のシール
やっと今日のミッションが終わった
空港から宿の方までぼちぼち歩きながら小マシなカフェを見つけたのでミルクシェイクで休憩
スーダンでも首都のハルツームではこんな風にカフェでくつろぐ事は出来るんだな
カフェを出たあと、とりあえず一度ホテルに戻って晩飯の時間まで休む事にした
ホテルでスーダンのお札を見て気づいたんだけど、以前聞いた話じゃアフリカの国ではお札やコインに動物のデザインを用いているところが多いらしい
その動物の絵が使われたお札がスーダンから早速始まった
これは発電所かな?
裏側は多分朝バスの窓から見えたあの高いビルだろう
気がついたら外がもう暗くなってたので早めに外にご飯を食べに出た
どこまで探しに行こうかなぁと思ってたんだけどすぐ向かい側に美味しそうなチキングリルの店を見つけたのでもうここで食べる事にした
Al Bawadi Restaurantというお店
入り口ちょっとわかりづらいかも
Al Bawadi Restaurantの場所はここです
僕が泊まったKhartoum 2 Hotel のすぐ斜め向かいですね
店内は地元の人しかいなくて何て言えばどの料理が出てくるのかが分からない
こうなったらもう必殺指差し注文しかないですね
人が食べてるのを指差して「あれと同じの!」ってやつです
これを頼みました
まだ2カ国目だけどアフリカに入ってから食べたチキン料理で一番美味かったです
辛いソースとチキンを食べながらかじるトウガラシもついてきます
これで400円ちょっと
スーダン物価の安さヤバイ
スーダンはわざわざ高いビザを取り、苦労すると言われた国境を通ってやってきた楽しみにしてた国だ ご飯も美味しくて物価も安て人も優しい
ゆっくりしたいけど大使館で聞いたあの3日はかかるルートがよぎる
ハルツーム→ガターレフ→エチオピアとの国境→ゴンダール→アジスアベバ
スーダンをしっかり観光していたら100%フライトに間に合わない
もう僕の中で決心はついた
アフリカにまた戻ってくる事があればその時にスーダンはもう一度来てゆっくり見ればいい
今は先に進もう
コメント
日本から旅行となると、スーダンまでは行く人は少なめだと思うので、貴重な経験ですね。
スーダンの別の記事でマラリア予防薬のことだと思いますが、マリファナ予防薬となっていました。
旅行記を読んでいると、その国がどのへんにあるのかネットで検索したりするので、旅行記のおかげでその国の位置を覚えられます。
ペンギン様、コメントありがとうございます!
スーダンは意外に飛ばす人が多いです
世界一周旅行者も行かない人多いですね
多分、ビザや治安の問題とアメリカに行けなくなるからかな