2019年3月7日
ケニアのナイロビにアフリカで最大のスラム街「キベラスラム」がある
たしか世界規模で見てもインドのムンバイにあるダラヴィというスラムに次いで世界で2番目に大きなスラムだ
この日僕らはそのアフリカ最大のキベラスラムに向かっていた
キベラスラム出身のガイドがスラム内を案内してくれるツアーを3人で前日に宿で申し込んでおいた
日本円で2000円ちょっとでした
ガイドに連れられてキベラスラムの入り口に到着した
この通りを中ほどまで進み、右にいくつかある路地に入ればそこはもうキベラスラムだ
因みにスラムというと皆さんどんなイメージをお持ちだろうか
汚い、臭い、危ない などなどだろうか
まぁそう考えるのも無理はないかもしれない
そしてそれはほぼ当たってる
でも少しだけ違ってる
少なくとも僕が今まで見て来たスラムはそうだった
ゴミなど散乱したままになってる為に汚い、臭いはどこでもあった
でも危ないかと言うとちょっと違っていた
スラムだからと言って必ずしも危ない訳では無く、スラムの中で生活してる人達は紛れもなく僕らと同じ普通の人で時に人懐っこく、時に優しさに溢れていた
だからこのキベラスラムも先入観無しで見てみようと思ってやってきた
キベラスラムに入ってすぐに学校があった
昼休みなのかグランドでは制服を着た子供達が遊んでいる
子供達は僕らを見つけると早速駆け寄って来た
スラムとか関係なしにやっぱりアフリカの子供は無邪気だなぁ
よっしゃ、グランドに入って一緒に遊ぶか!って思った途端校舎から先生が出て来た
「お前らいつまで遊んでるんだ!教室にもどりなさい!」(←現地語だったので多分こう言ってると思うというイメージ)って感じで子供らに怒った瞬間、子供達もヤベェみたいな感じで駆け足で校舎の中に帰って行ってしまった
うーん、スラムの学校で子供達と遊ぶとかなかなか出来なさそうだったのでこの機会に遊んでみたかったのに残念
スラムの中なんだけど意外にお店なんかもあってこのスラムの中だけでも生活のサイクルが成り立ってるのを感じる
ボロイ小屋とはいえスラムの中にホテルがあったのにはビックリした(笑)
どういった人が泊まるんだろうここ
またスラム内のあちこちで炭が売られているのをよく見かけた
ガスとかなくてきっとこの炭火で食事を作るんだろう
スラム入り口周辺には普通の生活があってこの辺りにいる限り今自分がスラムの中にいる事を忘れてしまう
一番前を歩いてるのはこのキベラスラム出身のガイド
おなじみのKサンともう一人日本人女性と一緒にキベラスラムの中心に向かって行く
しばらくすると今は使われてないと思われるスラム内の線路に出た
川沿いや線路沿いに貧しい村やスラムがあるのは途上国のパターンだからこれで今更何も驚かないがこの辺りからだんだんゴミが増え始めいかにもスラムっぽい雰囲気を帯びて来た
線路はスラムの少し小高いところにあるので線路からある程度スラムを見渡すことが出来る
電線が通ってるけど今は基本電気は通電されてない
一時期、スラムに電気を通したらしいけど盗電が起こり更には電気があるという事でこのキベラスラムに住み着く人が増えてしまったらしい
また線路の両側には小屋が立ち並び、様々な物を売っている
衛生面の保証などないが屋台で食事も取れる
地面に布やシートを敷いてなにやら分からないジャンク品を売ってる
これ売れるのかな・・?
スマホのケースはともかく手前の容器に入ってるのはクギとネジ?
1本いくらで売るつもりなのか
絶対全部ゴミから拾い集めたもの エコロジー?笑
拾い集めたもので商売が成り立ってしまうのもスラム街あるある
なかなかのゴミの量だ
ただガイドがいうにはスラムの住人じゃない人までがここにゴミを捨てにくるから困ってるらしい
スラム街ならいいと思ってわざわざゴミを捨てに来るなんて最低だよな
線路はゴミでここで埋まってるのでここからは別の路地を使って更にスラムの中に入って行く
キベラスラムで驚いたのはスラムの中のいくつかの店では電子マネーが使えるという事
上の写真の左の緑の看板に「M PESA」と書いてある
このM PESAというのがケニアやその周辺諸国で使用されてる電子マネーだ
ケニアに入ってからその存在は知っていたけどまさかここでも電子マネーを使える店があったとは
スラムでもキャッシュレス化が進んでるんですね
キベラにはホテルだけでなく理髪店もあるし
食料を売ってるお店もあるし
ビックリしたのがこれ
STADIUMって書いてあるから何かなと思ってたら中でサッカーの試合の生観戦が出来る場所だった
これが放送する試合のカードと日程
この時のカードは レンヌVSアーセナル チェルシーVSディナモキエフ
スラムってほんと劣悪な悪い環境ってイメージしかないけど、中にはこんな憩いの場所もある
彼らなりの貧しい生活の中で秩序も保とうとしてるし、中だけで生活のサイクルが成り立つような仕組み作りを行なっている
このスラムで困ってるだろうなと思ったのは綺麗な水の確保と病院
水は一応ホースで引っ張ってきてるけど見てる限りホースも水もちょっと心配な感じだった
あとは病気になった時
彼らには保険なしで医療を受けるほどの余裕はありません
実はキベラスラムのすぐ近くに病院はあるんだけどそれはキベラの住民用に作られた訳ではなくスラムの外の人達向けの病院
じゃあスラムの人は病気になったらどうしてるかというと病院には行けないので近くの山に行って薬草を取って来て自分たちで煎じて飲んで治すという大昔の人たちがやっていたような治療法をこの時代にガチで実践してる
そのあたりはきっとどこのスラムも抱えてる問題なんだろうなぁ
でもこのスラムの環境を良くするとまたここに住み着く人が増えてしまうので政府は放置してなるべく周辺から見えないようにしたいというのが本音らしい
でもそんなスラムの中の希望の光はやっぱり子供かな
彼らは貧しいし子供にとっては環境も決して良くはない
でもここで生まれた子供達にはこのスラムこそが故郷なんだ
だから彼らは何の疑いもなくここで普通に屈託のない笑顔で暮らしている
彼らがあと10〜15年たって大人になった時、間違った方向に進まずこの自分たちのホームのキベラスラムをなんとか変えてくれる一筋の光となればいいな
こどもはどの国でもどんな環境でも未来を担ってくれる存在
それを僕は「希望」と呼んでいる だから彼らは希望そのものだ
ガイドがキベラスラムを広く見渡せる北側の丘に連れて行ってくれた
こうやって見るとやっぱりでかいスラムには違いない
もちろんスラムに問題は山積みだ
でもこの記事を見てもらって世界で2番目に大きなこのキベラスラムでさえ世間一般の人達が想像してるような危ない場所とはかけ離れてる事を感じてもらえただろうか
スラムってどこの国で行っても安全ですよーなどとアナウンスしたい訳ではない
でも何処もかしこもそんな訳ではないし自分の目で見てないものを報道などで刷り込まれたイメージだけで決めつけている人が多い現状が少し辛く悲しい
そして同時に知ってもらいたいのだ
スラム=危険な場所、危険な人達 ではないという事を
もしケニアに来ることがあれば是非一度このキベラスラムを歩いてここの現状と彼らの暮らしを自分の目で見てもらいたい
僕もまたキベラに来る機会があればここがどう変わってるかたしかめたいと思う
次にケニアに来れるのはいつになるか分からないけどその時まで元気でな
バイバイ