2021年9月3日
おはようございます
この日僕はメキシコ人の女友達と夕方過ぎにいつもよく行くカフェに来ていた
普段通りに会ったんだけど今日は女友達に伝えないといけない事がある
そろそろメキシコを離れようと思ってる事を
現地人の女性の友達は何人かいてよく食事やカフェに行っていた
でもその中の一人と僕は特によく一緒に居た
今までここに書かなかったがその女友達とはちょっと特別な関係になっていた
指輪も一緒に買って揃えていた
でもこの女性にはまだメキシコを離れる決意をした事を言ってなかった
いつ言うべきかずっと悩んでいたのだ
でもいつかは言わないといけない事なのでこの日打ちあけようと決めていた
カフェで席についてカプチーノとラテを飲みながら実はメキシコのビザはもう更新する気が無くて、ビザが切れるのを機にこの国を出ようと思ってる事を伝えた
彼女は「嘘でしょ!?どうして行くの?オーストラリアの国境が開くまではメキシコにいるって言ったじゃない」っと涙を浮かべながら僕の腕を掴んで言った
もちろん僕も最初はそのつもりだった
でもここ1〜2ヶ月様々な状況を考えて次にまたビザ更新するかどうかを悩んでいた
自分の世界一周の事、周りの旅仲間や日本の友人からかけてもらった言葉、メキシコ人女性との関係、日本にいる家族のこと
色んなことを考えた結果、馬鹿な僕なりに出した答えだ
でもこうも涙ながらに行くのを止められると僕もまた決心が揺らいでくる
彼女がずっと涙を浮かべているのを見るとこちらまでもらい泣きしそうになる
僕の決心が変わらないと察した彼女はカフェで僕を抱きしめて耳元でこう言った
「私はあなたが戻ってくるのをずっと待っている。あたながどこに行こうとあなたは私の心の中にずっと居るよ。」
それを聞いた途端それまで我慢してたものが一気にこみ上げて来た
いい歳してカフェのテラス席で人前でボロボロと泣いた
我慢なんてとても出来なかった
恥ずかしいとかそんな感情はもうとっくに超えていて人目もはばからずに号泣した
世界一周に出てから涙ぐむようなシーンは何度かあった
でもこんなにも感情を抑えきれなくてボロボロと泣いたのはこの旅に出てから初めてだった
いつ以来なんだろう
こんなに涙が溢れ出てくるのは
僕は普段どんなことがあっても人前では泣かないと昔から決めていた
人がいるところではどんなに悲しくても感情を押し殺して泣かないようにしてきた
きっと20代の時の僕ならこれでも泣かずに我慢してただろう
でも、そんな僕も年齢とともに涙腺が緩んで来たようだ
涙も嗚咽も止まらなかった
僕はカフェで彼女に抱きしめられながら10分以上も泣いた
綺麗な夜のはずなのに目に映る全ての景色がただただ悲しかった
本当は心のどこかでこんな日が来るのを分かっていた
きっと僕だけじゃなく彼女も
イレギュラーとはいえ長く過ごしたメキシコを出ると言う事
それはこういう悲しさがついて回るということなのだ