タブリーズで見知らぬイラン人に拾われて

2018年9月30日

バスは早朝6時前にタブリーズのバスターミナルに入った

タブリーズのバスターミナルはちょうど夜明けを迎えたところだった

タブリーズ

バスターミナルの中で市内の中心に行くバスを探している時だった

「ニホンジンデスカ?」と言う後ろからの声に気づき振り向くとそこには一人の中年のイラン人がいた

彼は何でも日本で少し働いたことがあるらしく日本が大好きだと言う

彼は僕が日本人だというだけの理由でタブリーズでまだ宿を取ってないのだったら是非泊まりに来なさいと言ってくれた

確かにタブリーズの宿はまだ取っていない

どうしよう、今会ったばかりの人だけどついていくべきかだろうか?

「本当にお邪魔してもいいんですか?」と僕が確認するとその男性は日本で日本人にすごく優しくしてもらったので今度はそれを自分が返す番だと言った

迷った挙句好意に甘えることにした

彼の名前はアリさんという アリさんの家はタブリーズ郊外にあった

タブリーズ

「ここが僕の家だよ」と言われて家を指さされた時、一瞬この建物の一室がアリさんの家なんだと勘違いした

でもこの建物が全部アリさんの家

タブリーズ

玄関を入ると海外の大きな家でよくあるような豪華で広いリビングがあった

天井からはシャンデリアも吊るされている

本当に大きな家だ

少し気になるのは家の中でなんだかすごく強くて甘いお茶かなんかの植物の匂いがすることぐらい

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彼が僕を泊めてくれたアリさん 隣に座っているのが奥さん

アリさんが「地下もあるよ」と言ったので家の地下を見せてもらうことにした

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いや、むちゃくちゃ広いじゃないですか 地下とはいえ正直ここに住めますよ

タブリーズ

ここは奥さんの職場でもある 絨毯を作る仕事らしい

地下で早速歓迎のナンとチャイを頂いた

タブリーズ

そして僕が泊まるのに通された部屋がここ

タブリーズ

僕ひとりの個室  ここの天井からシャンデリアが吊るされている快適な完全なプライベートルームだ

タブリーズ

マジで快適すぎる

いきなりの展開で驚いているが本当にこんなところ泊めてもらっていいんだろうか

アリさんに案内されて庭に出てみると庭にはいろんな植物がなっていた

いやぁ〜色んな物がなってていいですね

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すごく新鮮そうで美味しそうだ

うん、本当に新鮮そうでって・・・・・え?

タブリーズ

えええ?これって・・?

大麻だ これは間違いなく大麻だ しかもめちゃくちゃ育ってるじゃないか

アリさんに「これって大麻ですよね?」と聞くとアリさんは「え?そうなの?よく知らないけど」と明らかに彼は嘘をついてはぐらかした

これが大麻ということはさっき家の中に入った時に充満してたあの甘い植物の臭いの正体は間違いなく大麻だ おそらく2階で栽培して乾燥させているのだろう

よく考えてみればアリさんは家の地下を案内してくれたのに家の2階はまだ案内してくれていない

それどころかアリさんは僕に2階には上がらないでねと念を押していた

間違いない この家の2階で家の中に匂いが充満するほどの大量の大麻が栽培されている

あの強烈な匂いからして2階のほとんどは栽培室に使われているのだろう

これについてはもうこれ以上突っ込まない方が良さそうだ

アリさんが「僕は少し離れたところに畑も持っているんだ 見に来るかい?」と言ってきた

タブリーズ

アリさんの車に乗って彼の畑に向かうと到着した先は僕が想像していた日本のような畑とは違い綺麗な門構えがある庭のような畑だった

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この畑も十分な広さだ しかも畑の中に小さな家もある

すげーな この畑だけでも相当な金がかかってるはずだ

タブリーズ

ほんとどうなってんだこの人の生活は

畑では様々な野菜、果物が植えてある 家で食べる食材の野菜やフルーツは全てこの自分の畑でまかなっているそうだ

タブリーズ

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畑の奥には夜に誰かが入ってこないように結構獰猛な犬が2匹飼われている

タブリーズ

畑で撮影したアリさん

アリさんの畑から帰るときにアリさんがトマトを売っているトラックを見つけて車を降りていった

どうもトマトを買うらしい 自分の畑で取れるのになぜトマトを買うのかなと思っていたらどうもこの購入したトマトは近所の片親の家庭にあげるそうだ

タブリーズ

タブリーズ

アリさんの近所には母子家庭が多いみたいだ

実際隣の家庭も母子家庭のようでそこにトマトを箱ごと配っていた

タブリーズ

ちょっと気になったのは一緒にタブリーズの街を歩いている時にこの街の誰もがアリさんを知っていたことだ 普通これだけ大きな街でこれだけ顔の広い人ってそうそういないと思う

本当何者なんだろこの人

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次は街外れのバザールに連れてきてもらった

タブリーズ

イランのバザールってどうもブドウが売ってることが多いよな

タブリーズ

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そしてここでも皆がアリさんの事を知っている なぜだろ?

なんだかザクロが食べたくなったのでバザールでアリさんと一緒にザクロを買って帰った ちなみにイランではこのザクロのことを「アナル」と発音する(笑)

タブリーズ

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更に僕が爪切りをトルクメニスタンで駄目にしていたのでアリさんが気を使って僕に新しい爪切りをバザールで買ってくれた

タブリーズ

アリさんの家に戻ると昼食が用意されていた 名前は知らないがパスタを使った料理ですごいボリュームだ 横にオリーブをつけてくれることも嬉しい

タブリーズ

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食後は自分の部屋に戻って部屋に寝転びながらアリさんが何者なのかを考えていた

この家というあの畑の土地といい周りの人の認知度といいあの庭と2階の大麻といいこの地域のマフィアかなんかなんだろうか

タブリーズ

正直で少しに2階を見てみたかった でもおそらく2階は鍵がかかっているだろう

もしそっと見に行ったとしても、仮にその現場をアリさんや家族に見つかったら大変だ

もうここにはいられないだろうし、最悪アリさんがややこしい人だった場合それだけでは済まない可能性もある

「見てしまったんだね・・・・残念だよ」

とか言っていグサッとやられた日にはたまったもんじゃない

何にせと僕はここにタダで泊めてもらっている

親切にしてくれているこの家族には適度な距離を保って接していた方がよさそうだ

変な気は起こさずにいよう

そんなことを考えているうちにいつの間にか部屋で寝てしまっていた

「もうすぐ夜ご飯が出来るよ」とアリさんのドア越しの呼びかけに目が覚めた

いつのまにかそんな時間まで寝てたのか

庭に出てみるとアリさんが串に刺したケバブを焼いてくれていた

タブリーズ

庭でこういうのを普通に焼いてしまうところがさすがイランだな

トマトと唐辛子も焼かれていてめちゃくちゃ美味そうだ

タブリーズ

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奥さんが絨毯を作る仕事をしているので夜ご飯の用意は全てアリさんが行なっていた

タブリーズ

奥さんの仕事を少し見せてもらった

タブリーズ

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めちゃくちゃ細かい作業で完成まで普通に1年かかるとか

もっと大きくて細かな難易度の高い絨毯になると完成まで2〜3年かかるものもあるらしい

完成すると下の写真のこの絵の通りの絨毯ができるらしい すごい作業だな

タブリーズ

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サフランライスも出てきて晩餐の用意が整った

タブリーズ

アリさんの娘さんも学校から帰ってきたのでみんなで食事前に記念にパシャリ

タブリーズ

家庭で作ったメチャクチャ美味いケバブを堪能させてもらった

夜は2階の部屋を覗きたい誘惑を抑えて個室でありがたく眠らしてもらった

このイラン最後の街タブリーズでまたイラン人の優しさに触れる事が出来ました

アリさんご家族には感謝でいっぱいだ 本当にありがとうございました

次は日本で会いましょう!

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コメント

  1. ペンギン より:

    アリさんは大きなお家に住んでいて、門構えがある畑を持っていたのですね。2階を見たかったと思うけれど、見つかったら困るし、怖くて見れないですよね。こちらの記事は興味深く読ませていただきました。

    • メリ より:

      ペンギン様、コメントありがとうございます!

      あの時、2階に上がっていたら・・っと思うと笑
      正直、見てみたかったですけどね

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