2020年3月10日
バスの中で夜が明けてしばらくした朝6時30分
僕らを乗せたバスはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスのバスターミナルに到着した
バスターミナルの周辺は落書きとゴミが多く、朝から少し物々しい雰囲気が漂っている
地図アプリで確認すると少し離れたところにメトロの駅がある
とりあえず地下鉄に乗って今日予約している宿の近くの駅まで早速移動してしまおう
今日僕が泊まる宿はブエノスアイレスの中のパレルモ地区にある
宿もある程度固まっており周りに飲食店もあるのでブエノスアイレスの中ではある程度治安は良さそうな場所だ
とはいえブエノスアイレスの街自体がどこに行っても落書きの多い街なので、旅慣れてない人が来るとパッ見は怖そうな街見えるかもしれない
イタリア広場と言う小さな広場に隣接した駅で地下鉄を降りてしばらく歩くと今日僕が泊まる予定の宿が見えてきた
僕が今日泊まる宿は今まで中南米で3回泊まってきたお気に入りのSelina(セリナ)グループの宿
グアテマラのアンティグア、コロンビアのボゴタ、ブラジルのサンパウロ、そして今日のここアルゼンチンのブエノスアイレスで4度目の宿泊だ
Selina Palermo Sohoの場所はこちら
宿の写真撮り忘れてました(汗) すいません
Selina Palermo Soho
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★★☆
- 価格 :★★★☆☆
- 清潔感 :★★★★☆
- WIFI :★★★★☆
※あくまでも個人的な評価です
相変わらず総合評価が自然と高くなる宿
Selinaグループの宿はどこに泊まっても快適なロビーとカフェと図書室とシアタールームが付いている
ここも一階のロビーは快適で、お腹が空いたりコーヒーが飲みたくなったらロビーに併設されてるカフェですぐに注文できる
Selinaグループの宿に泊まっている時は1日の観光が終わった後にする夜のネット作業の捗り方が違った
相変わらずベッドや部屋のバスルームも清潔でこの宿にはドミトリーなのにこのホテルブランドオリジナルのアメニティの石鹸なども置かれていた
まだ朝も早かったのでチェックインはできないためバゲッジルームに荷物を預けて、早速ブエノスアイレスに来たら行きたいと思っていた場所に向かう事に
僕がこれから向かうのはブエノスアイレス郊外にある「世界一危険な動物園」と呼ばれている動物園
ルハン動物園という名前なんだけど聞いたことある人もいるかもしれない
南米を旅行した人なら結構知ってる人も多いと思う
「ルハン動物園」というキーワードで画像検索をするとトラやライオンと一緒にくっついて写真を撮ってる観光客の写真がたくさん出てくるはず
一緒に写真を撮るどころか中にはライオンの背中にまたがって乗ってる人やライオンの鼻にキスしている写真を撮ってる人もいる
今から僕が向かうルハン動物園は凶暴な猛禽類の動物たちの檻に入って一緒に触れ合って写真を取れることから世界一危険な動物園と呼ばれている場所なのだ
ルハン動物園の場所はこちら
ブエノスアイレスからルハン動物園に行くには乗用車で行くかバスで行くかの二択
当然僕はバスになる
まずは ATM を探してアルゼンチンの通貨アルゼンチンペソを引き出す
ブエノスアイレスでは基本的に地下鉄に乗る時もバスに乗る時もチャージ式のカードを購入しなければならない
カード自体は朝地下鉄に乗る時に購入したけど、ルハン動物園まで行って帰ってくる分を事前にチャージしておかないと
カードのチャージは地下鉄の中の切符売り場でチャージ出来る
「ルハン動物園まで行ってまたここに戻って来るならいくらチャージする必要がありますか?」と聞くと駅員さんが「300ペソチャージすれば十分だよ」と教えてくれたのでそのまま300ペソをチャージすることにした
カードのチャージも終わったので次はルハン動物園行きのバスが出るバス乗り場に移動
ここがそのバス乗り場
ここから57番のバスに乗ればルハン動物園の近くまで行ける
ただしこのバス停にはルハン動物園行き以外のバスもたくさん来るし、57番のバスが停まっていたとしても当分発車しないで駐車されてるだけの57番バスもある
なので57番バスを見つけたとしても必ず周りの人に確認した方がいい
実際僕も57番のバスを見つけて扉が開いていたので乗り込もうと思ったら周りの乗客に「それじゃないよ、私達も57番のバスが待ってるから一緒にここで待ってな」と止められた
ルハン動物園行きのバスが出るバス停の場所はこちら
バスを待ってる間も周辺の人が「バスに乗るにはカードが必要だよ。既に持ってる?」とか「どこから来たの?日本から?遠くで大変だったでしょう アルゼンチンへようこそ」とめっちゃ気を使って声をかけてくれる
今のところアルゼンチンではアジア人だからといってすぐにコロナと警戒してるわけではなさそうだ
優しいオバサン達と一緒にバス停で待つこと10分
ようやくちゃんと動いている57番のバスがやってきた
ルハン動物園までは片道137ペソ (約230円)
これに乗って40〜50分でルハンという町に着くはずだ
しばらく走ったところでバスの運転手が外国人観光客の僕に気づいてルハン動物園ならここだよと教えてくれた
言われたバス停で降りるとそこは見事に殺風景な場所
ルハン動物園までの道筋が看板で示されてるのでそれに従って高架道路の下をくぐり道路の向こう側に出る
すると目の前にルハン動物園の入り口が見えてきた
もう少し大きな動物園を想像してたのでこの入口ゲートはちょっと意外だったな
まずは入り口付近にいるスタッフのおばさんからチケット購入
この動物園は地元の人と外国人観光客では入場料が違う
僕のような外国人観光客は1400アルゼンチンペソ(約2300円)
動物園の入場料にしてはまぁまぁ高い
でもライオンや虎と一緒に写真が撮れるのならこれくらいの値段を取られてもしょうがない
チケットを購入したらどこに何の動物がいるかの園内の地図をもらえる
これを持って先に進むとチケットを確認するスタッフがいるのでチケットチェック
それが終わればようやくルハン動物園の中に入場だ
まずはまったりした動物がお出迎え
基本カモみたいな動物は放し飼いにされているのでお客さんが進む道やその辺の芝生を適当に歩き回っている
園内にはヨーロピアンの観光客も複数見られるが全体的には閑散としてる
ルハン動物園って普段からこんな空いてるのかな?
またこの日は暑かったので大きな動物たちは日陰で昼寝ばかりしてる
この時ちょっと気になった事がある
この動物園の目玉は虎やライオンの檻に入って一緒に写真を撮ることなんだけど、その虎たちが客の多いはずのこの時間に寝てるのはどういうことなんだろう
不思議に思いながらその先のライオンのコーナーに行った時にものすごく嫌な想像を掻き立てる光景が目に入った
アクリル板に仕切られた中にライオンがいて、お客さんは全員アクリル板の外にいる
これは・・・
更にアクリル板には小さな穴がいくつか開けてあって、そこからライオンに餌をあげて外から楽しめるようになっている
ライオンと写真を撮ってる人もアクリル板ごしだ
まさかと思い園内のガイドさんに「もしかして檻の中に入れないの?」と聞くと「Si(ハイ)」とだけ返ってきた
え?どういうことだ?
これだけのためにわざわざバスに乗って来たというのに
僕は最初一瞬コロナの影響で人間からコロナが動物に移ったら大変ということで中に入れなくなったのかなと思った
その辺を詳しく聞いてみたくて片言の英語が喋れる女性のガイドがいたのでその人に聞いてみたところ、原因は全く違っていた
この動物園はもともと世間から賛否両論あったようだ
その危険性や倫理的な観点からルハン動物園の客の集め方には批判が寄せられていたらしい
そしてつい1ヶ月ほど前の今年(2020年)の2月21日から政府がルハン動物園に動物とお客さんが直接触れ合うことを一切禁じたらしい
僕はタイミングが悪かったと思う
ほんの20日ほど前までは今まで通りライオンなどの檻の中に入って一緒に写真を撮れていたのだ
まさかこういうことになっているとは思いもしなかった
ルハン動物園がそのことをアナウンスしてるのかどうかは知らないけど、この入場料で動物の檻の中に入って写真を撮れないとなると一気に客離れが加速するのでは
ライオンは餌が欲しいのか甘えているのかアクリル板に空いてる穴をずっとペロペロ舐めている
僕は一応虎とはタイで一緒に写真撮ったことある
でもせっかく来たんだからルハンでも中に入って一緒に写真撮りたかったなぁ
猛獣の檻の中に入れないルハン動物園はもはや僕にとってただの普通の動物園だった
ありきたりの動物を見ながら園内を散歩して見て回る
さっき話を聞いた片言の英語が話せる女性のガイドが「クマに餌をやってみたい?」と言ってきたのでせっかくなので案内してもらうことにした
この子は男の子
もう一匹奥に女の子のクマがいるからそのクマにエサをあげようということになった
ただその肝心のクマが完全にやる気なし
休日にパチンコで負けて家に帰ってきてふて寝してるオッサン状態
ガイドの女性が名前を呼んでも全然反応しない
しょうがないのでガイドがクマの名前を呼びながらハチミツの匂いで引き寄せることに
ようやくこっちに来てくれた
ガイドが棒の先にハチミツを塗って、それをアクリル板の穴から向こうに入れてそれをペロペロ舐めさせる
時折見える牙が鋭いけどおやつをもらってる時は可愛いもんだ
おやつが終わるとガイドさんがアクリル板の穴から生卵を入れてあげる
生卵をもらったクマは口の中で割って、殻と中身を地面に出してそれをペロペロなめて食べる
僕も一つ生卵クマにあげた
餌をもらい終わったクマは水浴びタイム
案内をしてくれたガイドにお礼を言ってまだ見ていない園内をしばらく歩いて回る
トラの赤ちゃん
このトラの赤ちゃんの一番の友達はここで飼われている黒い犬
軽く噛み付いたり飛びかかったりしてずっと遊んでいる
たぶんこのトラの赤ちゃんが生まれた頃からずっと一緒にいるんだろうな
トラとはいえまだ小さいからほとんど猫ですね
あと時々どういう区分けか分からないけど草食動物の一部も放し飼いになっている
これは確かリャマ?アルパカだっけ?
どっちかわからないけどとりあえずこんな奴がその辺歩いてます
鳥がたくさんいるコーナーがあって、ここでは観光客の腕に大きなインコが乗ってくれるイベントみたいなのをしてる
欧米人の腕に大型のインコが持ってるところを写真に撮ってると動物園のスタッフに「あ、ゴメン ここで写真撮らないで。悪いけど今の写真のだけ消してもらえるかな?」と言われた
やはりどうも動物とお客さんが直接触れ合ってるようなところは隠したいみたい
その後は爬虫類コーナーを見てシマウマに餌をやったり
ゾウを見に行ったり
しばらく園内を見た後、このままこれ以上見ていても仕方がないなと思い動物園を出ることにした
帰りのバスはルハン動物園の出口を出たすぐ右側の信号もない交差点にやって来る
15分ほど待ってブエノスアイレス行きのバスがやってきたので僕はそれに乗って戻った
夜は宿の近くのハンバーガー屋さんで晩飯
小さなお店だったけど意外にウマイ
ひとつじゃ物足りなかったので続けてもう一つバーガーを注文
お店のスタッフが「もう1個?ウチのバーガーを気に入ってくれて嬉しいよ」と言って注文を通してくれた
どこに行っても何かしら一言声をかけてくれるアルゼンチン人
ラテンの優しさと気さくさは日本人にはないものだ
まだアルゼンチンに入って2日目だけど僕は明日一度アルゼンチンを離れてウルグアイに行く
そしてウルグアイをさっと見て回ったらまたブエノスアイレスに帰ってくる
でもウルグアイのことを書く前に明日はちょっと以前書こうと思ったけど書けなかったネタを書いてみようと思う