2020年10月4日
グアナファト2日目
昨日は夜の23時過ぎまで宿の前や裏の路地にエストゥディアンティーナ(グアナファトの音楽隊)が来て音楽を奏でていた
なかなか騒がしい夜だったが夜遅くまでこんなにも賑やかな場所に来たの久しぶりだったのでなんだか少し嬉しかった
今日から宿の部屋を個室からドミトリーに移動した
元々ドミトリーにいた欧米人が調度この日出て行ったのでドミトリーにいるのは僕と今日ドミトリーに入ってきたエクアドル人の男性が一人だけ
観光客がたくさんいるとはいえまだまだ以前のコロナ騒動前の状態には戻ってないのでドミトリーも人が少なくてこの辺に関しては気楽ですむ
ドミトリーの部屋に移動してネットでニュースを見てる時だった
僕が世界一周に出てから訪れたことのあるアルメニアとアゼルバイジャンの間にあるナゴルノ・カラバフ共和国という未承認国家でアゼルバイジャンとの紛争が再び始まったというニュースを見て驚いた
ナゴルノ・カラバフ共和国は法律上はアゼルバイジャンの領土
だがそこに住んでた住民のほとんどがアルメニア人だった為に勝手に独立宣言をしてアゼルバイジャンの中に未承認国家を作ってしまった
それ以来アゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフとの間で領土問題での紛争が続いていたがここ数年はすれが治ってほぼ停戦状態だった
僕がナゴルノ・カラバフ共和国を訪れたのもそんな事実上停戦状態の時だった
しかも僕はナゴルノ・カラバフ共和国を訪れた際に本来外国人観光客が入れないアグダムというアゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフとの紛争最前線のエリアにも行っている
その時の記事はこちら
僕が訪れたそのアグダムでアゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフとの紛争が再び火蓋を切ったのだ
2020年はなかなか波乱の年ですね
さ、今日もグアナファトの街を歩きながらその場所そのタイミングで行きたい所に行ってみよう
この日の午前中と昼過ぎのグアナファトの街は割と静かだった
昼下がりのテラス席で観光客たちが言うのにランチを食べてカフェタイムに入っている
僕はといえば街を歩きながら昨日も訪れたEstación Gelato(エスタシオン ジェラート)にジェラートを食べに向かっていた
メキシコはマネキンもルチャリブレのマスク着用
Estación Gelato(エスタシオン ジェラート)に到着して今日はコーンでバナナのジェラート
誰もいない屋上テラスでゆっくりジェラートを楽しんでから始動
Estación Gelato(エスタシオン ジェラート)でゆっくり過ごした後はまだ昨日歩いてなかったエリアに行ってみる事にした
そこで見つけたのがこれ
Museo Iconográfico del Quijote(ドンキホーテ美術館)
コロナウイルスの影響で美術館などが閉鎖されていたのでこういうところに入るのは久しぶりだ
事実メキシコシティなど大都市は未だに美術館などはすべて閉まっている
州によってはもうすでに美術館の運営を再開してるんだな
チケットを買って中に入ってみる
チケット代は30ペソ(約150円)
昨日のミイラ博物館もそうだけどグアナファトは美術館や博物館安いね
まずはドンキホーテの肖像画がお出迎え
ドンキホーテって実在の人物と思ってる人もいるけど実はスペインの小説に出てくる架空の人物だ
スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスという人の小説に出て来る主人公がドンキホーテ
騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった郷士が、自らを遍歴の騎士と任じ「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と名乗って冒険の旅に出かける物語になっている
ドンキホーテといえば上の写真の中の絵のように細長い馬に乗った背の高い男性と、ロバに乗ったふっくらした背の低い男性がお馴染みだ
僕はここに来るまでてっきり太っちょのロバに乗ってる男性がドンキホーテだと思っていた
でも実はこの背の高い細身のおじさんがドンキホーテだった
館内のとある部屋には天井と両側の壁面に大きなドンキホーテの壁画が書かれていた
ここはドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャの有名な本を参考にした素晴らしい絵画でいっぱいの場所だ
その歴史や本で語られているさまざまなオブジェクト、古いコピー、絵画、彫刻のさまざまな視点からドンキホーテという人物像に迫った博物館
本の内容だけでなく面白い視点を提供してくれる場所だったな
Museo Iconográfico del Quijote(ドンキホーテ美術館)を出たすぐ先で屋台が出てたのでパンバソを買う
野菜たっぷりのパンバソ 30ペソ(約150円)
メキシコシティよりちょっとだけ高い
グアナファトは観光地のためメキシコシティに比べると食べ物以外の物も全ての料金が少し高い
とは言えメキシコ自体がもともと物価が安いのでメキシコシティより高くてもあまりお金の事は気にせず過ごせるんだけどね
夕方になってから昨日も登ったピピラの丘に歩いて行ってみた
昨日は昼間の風景を見たけど今日は夕日に照らされるグアナファトの街とその後暗くなってからの夜景を見たかったから
そろそろ日が傾いてきたぞ
グアナファトの街が少しだけオレンジがかってきた
この時間になると夕日と夜景を見る観光客がたくさんこの丘に登ってくる
そして日が沈み始める頃にはグアナファトの街に明かりが灯る
昼間と違って急激に冷えてくるし丘の上なので風もそこそこ強い
このピピラの丘でグアナファトの夜景を見る場合は暑い季節でも必ずパーカーの1枚ぐらいは最低でも持ってきといた方がいい
僕もパーカーを着てたけど中はTシャツ一枚だったので寒かった
そろそろ日が完全に沈み、街の光のみになる時間帯だ
日本にいる時から夜景は大好きだった
この無数に光る街の灯の一つ一つにそれぞれの暮らしがあってそれぞれのドラマがある
あの光の場所で誰かが今楽しく歌ってるかもしれないし、別の光の場所では誰かが泣いてるかもしれない
この街の光の下に今日結ばれたカップルもいるだろうし、今日別れることになったカップルもいるだろう
そういうことを想像しながら夜景の光を見ていると本当に一つ一つの灯りのもとにその人の生活とその人の人生があるわけで
僕は日本で夜景を見ている時もいつもそんなことを考えながら眼下に広がる街の灯を見ていた
よく考えるとこの世界一周の旅中に夜景を見るのも随分久しぶりだな
いつ以来だろう?
アメリカ大陸に入ってから初めての気がする
1年以上ぶりの夜景をしっかり目に焼き付けてピピラの丘を降りた
そして次に向かったのは昨日閉まってて食べれなかったエンチェラーダ・ミネラスの名店食堂「Enchiladas de Lupe」
昨日の記事でも少し説明したけどメキシコの定番のご飯に「エンチェラーダ 」という食事がある
でもこのグアナファトのエンチェラーダは「エンチェラーダ・ミネラス」といって定番のエンチェラーダとは少しだけ違う料理になっている
そのエンチェラーダ・ミネラスを出すローカルな名店食堂が口づけの小道の近くにあるこのEnchiladas de Lupeだ
入り口横の看板に値段が書いてあって鶏肉入りのエンチェラーダ・ミネラスは85ペソ(約420円)
鶏肉の入っていない野菜メインのエンチェラーダ・ミネラスは70ペソ(約350円)
エンチェラーダ・ミネラスの名店「Enchiladas de Lupe」の場所はここ
店内は狭くていかにもローカル食堂という内装
グアナファトを訪れる観光客がエンチェラーダ・ミネラスを食べる場合ほとんどの人がここEnchiladas de Lupeにやって来る
人気店でテーブル数も少ないので場合によっては待たないといけないかも
テーブル上にはメキシコの食堂によく置いてあるハラペーニョとはチリとオレガノ
この愛嬌のある親切なおばさんが毎日店頭でエンチェラーダ・ミネラスを作っている
作ってるところも写真撮らせてくれてめっちゃ愛想がいい
これは美味そうだ
さっそくひと皿注文してテーブルについた
そして出て来たのがこれ
これがグアナファト名物 エンチェラーダ・ミネラス
定番のエンチェラーダに鶏のモモ肉と胸肉が添えてあり、上に人参とジャガイモがふんだんに乗っていて更にその上にチーズが振り撒かれている
味も最高でここ最近食べた料理の中ではピカイチの料理だ
グアナファトに滞在したらぜひこのEnchiladas de Lupeでエンチェラーダ・ミネラスを食べてみて 間違い無いので
ずっと食べたかったエンチェラーダ・ミネラスも無事に食べれてお腹もいっぱいになったのでグアナファトの街の中心の大聖堂前に行ってみた
昨日と同じようにエストゥディアンティーナの音楽隊が観光客に囲まれて歌を歌っている
今晩もこの後観光客と一緒に街を歌いながら練り歩くのだろう
夜になってグアナファトの街に一気に人が出て来た
レストランによっては表まで人が列を作って並んでいるようなお店もある
マリアッチの街だけあって街の中には楽器を持った音楽隊の銅像なども建っている
ただ地元のメキシカンの旅行者に話を聞いたところこの街で行われているエストゥディアンティーナもマリアッチも元々はスペインから伝わったものらしい
だからメキシコのトラディショナルなものではないんだよと言っていた
とはいえエストゥディアンティーナやマリアッチがもはやこの街の名物になっているのは紛れもない事実
グアナファトの街のいたるところで音楽隊が観光客相手に楽器を奏でている
そしてテラス席が建ち並ぶレストランゾーンではマリアッチが食事をしている観光客に音楽を提供してお金をもらっている
マリアッチによってはお客さんにリクエストを聞いて自分たちのレパートリーに入っている曲なら要望に応えて曲を弾いてくれる
グアナファトのレストラン街はコロナウイルスの騒動などどこ吹く風で盛り上がっていた
その様子を少しだけ動画でどうぞ
ここだけ見てると本当にコロナウイルスで緊急事態宣言が出ていたなんて嘘みたいだ
街にいる半分ぐらいの人がマスクをつけずに夜のディナーとお酒と音楽を楽しんでいる
マリアッチはレストランにいる人だけではなく公園にいる人の前にもやって来て音楽を弾き始める
もう街のあちこちでいろんな音楽が飛び交っている
きっと今晩も宿の前や裏道に何度も音楽隊が歌いながらやって来るんだろうな
ふと見上げると街の建物の間からさっきまで僕が夜景を見ていたピピラの丘が見えていた
綺麗な街に多くの観光客と笑い声と久しぶりに感じる喧騒
ここはグアナファト
いつまでも音楽が鳴り止まない街だ