2020年3月17日
昨晩、エルカラファテの町に戻って来て元いたブラゲストハウスに泊まれなかった僕は一泊4000円もするFolk Suitesというホテルを紹介されてそこに泊まった
しかしそこでのアジア人の扱いはまるでバイ菌扱いだった
まず言われたのが「泊めることはできるけど自分の個室から一歩も外に出ないでくれ」ということ
フロントの人と WhatsAppを交換して、水や食べ物など必要なものがあれば WhatsAppでフロントの人に頼むとホテルのスタッフがドアの前にこちらがリクエストしたものを置いてくれる
個室にはトイレもシャワーもついてるし、必要なものは連絡くれたら揃えてドアの前に置いとくから部屋から一歩も出るなということだ
宿代が高い上に部屋から一歩も出れないという状態だったので、さすがにこれはやってられないと思いすぐにそのホテルのWifiで次の日の別の安いホステルを予約した
僕が予約したホステルはCalafate Hostelという今泊まってるホテルからわずかワンブロック先、わずか100メートル先にあるホステル
しかしだ
次の日その予約しているホステルに移動しようと WhatsAppで今からチェックアウトすることをホテルのスタッフに伝えると「あなたは隔離対象だから2週間このホテルにいなければならない」とメッセージが返ってきた
僕はこの時点でブラジルで感染が拡大し始めていた為に、ブラジルからから2週間以内に来た旅行者は隔離対象になるという事は聞いていたけど僕はすでにブラジル2週間以上経っている
ホテルのスタッフはよく確認をしないでとにかくアジア人を隔離しようとしている
僕が WhatsAppのメッセージで出来る限りの説明をしたにもかかわらず、ホテルのスタッフがの返答は「もしあなたがここを出て行くというのなら私たちは警察を呼ばないといけない」と強固な姿勢
あまりにも話にならないので在アルゼンチン日本大使館に電話をしてもらうことにした
大使館の大使が電話に出たんだけどもこれもまた非常に頼りない
「今、情報が錯綜していてしていてどれが正しいということを我々もはっきり言えないんですよ。でもここはアルゼンチンなので現地人が言う事に従ったほうがいいとは思います。」
いやいやいや
大使館員が何が正しいかわからないとか、さすがにそれではこちらも困るんだけどな
挙句、何が正しいかわからないからとりあえず現地人の言うことを聞いておけとかもう投げやりにも程があるだろ
僕はこの時パタゴニアにいると町に閉じ込められてしまうと感じていたので、チリに行けなくなった今とりあえずアルゼンチンの首都のブエノスアイレスに戻った方が良いと思っていた
なので飛行機の航空券を取ってブエノスアイレスに戻りたいんだが、ホテルの部屋から一歩も出してもらえるのないとなると航空券をとっても空港まで行かせてもらえないケースも考えなければならない
とにかく今感染が拡大してると言われてるブラジルを出国してから2週間以上経っているのに、正式な理由も無くむやみやたらに監禁されるっていうのはこっちからすれば犯罪をされてるようなもんだ
大使館も頼りにならない
僕は意を決してバックパックを背負い、警察を呼ぶなら呼べという態度で堂々とチェックアウトすることにした
普通にフロントに鍵を返しに行きバックパックを背負ったままホテルの入り口を出る
フロントの人間も掃除のオバサンも僕を見てるのに特に何か声をかけるわけでもなく意に介さない
なんとなく僕の推測だが、政府からの要請でそう言わないといけないという状態にはなっているが、実際に出て行く旅行者に対してそれを無理に力ずくで止めたり実際に警察呼んだりするようなことはホテルの人間からしても面倒なのでやってないようだ
実際に行動に出るとあっさりと今日予約しているホステルに到着することが出来た
僕が今日予約してるCalafate Hostelはブラゲストハウスより少しだけ高いが、それでもパタゴニアのエルカラファテの町では安い方
広さも十分なのでなかなか快適そうなホステルだ
フロントで予約してることを伝えてパスポートを出すと日本人ということを知って向こうが僕のパスポート念入りに調べ始めた
でもその結果、このホステルのフロントスタッフはブラジル出国後の日数をしっかり数えてくれて「あなたはブラジル出国してから2週間以上たってるので大丈夫よ。隔離対象じゃないわ。ゆっくりしてね」と言ってくれた
案内されたドミの部屋にはアルゼンチン人の旅行者が一人だけ
中国人と思われたら向こうもコロナが怖くて警戒するだろうから早めに自己紹介して日本人だということをアピールしておいた
Calafate Hostelの場所はこちら
Calafate Hostel
- ロケーション:★★★★☆
- スタッフ :★★★★☆
- 価格 :★★★★☆
- 清潔感 :★★★☆☆
- WIFI :★★★☆☆
※あくまでも個人的な評価です
スタッフも気さくで親切でエルカラファテの中でも安い方のホステル
2階にウッドデッキのバルコニーがあり風を受けながら宿の目の前の道を見渡すことができる
キッチン、ロビーともに使いやすくドミトリーの部屋の中に専用のトイレとシャワーがある
無事宿もチェックインできたことだし、ひとまず食べ物を買いにスーパーに行くことにする
このスーパーマーケットはつい2日前に僕とジュンペイ君とアッキーさんで自炊をした時に買い出しに来たスーパーだ
が、スーパーの前に到着すると様子が違っていた
コロナの感染が広がるのを防ぐために密にならないように入場制限が行われていた
スーパーの中で人が多すぎないように人数制限が始まっていたのだ
この張り紙によるとコロナの死亡者が特にお年寄りに多いことから3月いっぱいは65歳以上の年齢の人は決まった時間以外買い物に来れないみたい
スーパーで買い物を終えて宿に戻る時、エルカラファテの町をパトカーが巡回していてアジア人旅行者を止めてパスポートのチェックをしてどの宿に泊まってるかを確認していた
前に泊まっていた時よりも町にパトカーが多い
歩いてる時、別の巡回しているパトカーが僕の近くでスピードを落とし僕の顔を伺ってるようだったが、この時僕はサングラスをしていたので警察に止められずに済んだ
そしてお昼の3時半ぐらいにジュンペイ君がエルチャルテンからこの町に戻ってきた
今日の午前中から連絡を取り合っていて、僕が今日泊まるホステルをあらかじめ教えておいたのだ
一緒にホステルのレセプションでチェックインが完了する待っていると受付の女性スタッフがジュンペイ君のパスポートを調べて、「あなたはブラジルを出国してからまだ2週間経ってないわね。隔離対象になるのでここから出れないけどいい?」 と言われた
ジュンペイ君はパラグアイのイグアス移住区の民宿小林を出た後に一度ブラジルに立ち寄ってからアルゼンチンに来ている
そのためブラジルを出国してからまだ日が浅かったのだ
とりあえず泊まれないと困るので宿から出ないと言う約束でドミトリーを個室にしてもらってジュンペイ君はそこに一人で泊まる事になった
この時僕らはジュンペイ君は宿から出てはいけないだけで、宿の中はキッチンやらロビーを自由に動けると思っていた
なので僕とジュンペイ君は2階のロビーに入ったり普通に宿の中で過ごしていた
でもそうではなくて昨日僕が別のホテルで個室に軟禁されたようにジュンペイ君は部屋から一歩も出ないでくれという意味だったみたいであとから注意されてしまった
どうしてここまで一気に厳しくなったのかフロントのスタッフに聞いてみた
そこで僕らは初めて理由を知る事になる
「実はパタゴニアでフランス人のカップルの観光客がコロナの検査に引っかかったの。この町でコロナ感染者が出たのよ。」と初めて知る事実を言われた
それでたった1日や2日でこの町がここまでの厳戒態勢になったのか
どうりでほとんどの宿が閉めてるわけだ
欧米人観光客からコロナの感染者が出たので昨日この町に戻ってくる時のバスの検問もアジア人の僕よりも欧米人に対して厳しかったわけか
これは・・・この町に滞在してるとどんどん事態が悪くなっていきそうだ
早めにこの町を出る決断を下した方がいいな
とりあえずこの状態だとジュンぺイ君が夜食事も取れないので、夕方もう一度僕がスーパーに買い物に行ってその時に頼まれてた物を買って宿で渡す事にした
夕方買い物に行ったスーパーの前には長蛇の列ができていた
この状態を見てると嫌でも焦ってしまう
このパタゴニアの町は観光客で持ってるような所なので、国立公園も全て閉めて国境を封鎖して今後観光客も入らなくなると町自体ゴーストタウンのようになるだろう
やっぱりここにいるのはまずい
動かないと
スーパーから戻り、ジュンペイ君の部屋に食材を渡しに行って自分の部屋に戻ったあとLINEでどうするかを相談した
やはりジュンペイ君もブエノスアイレスに早めに戻った方がいいという決断
とりあえずネットで明日の夜エルカラファテからブエノスアイレスに飛ぶ飛行機の航空券を押さえてフロントで印刷してもらった
夜、自分のドミトリー部屋で過ごしている時
同室のアルゼンチン人が部屋に戻ってきて「おい、今このホテルのロビーに警察が来ているぞ。何やら俺が呼ばれたから行ってくる。もしかしたら次お前も呼ばれるかもしれないぞ。」と言われた
そう言ってアルゼンチン人は警察のいるロビーに行った
扉を少し開けて廊下の奥のロビーを見ていると確かに警察官が来ている
そしてその10分後アルゼンチン人が戻ってきて「警察とここのスタッフに部屋を移動しろと言われたから今から別部屋に移るよ」と言って荷物をまとめて部屋を出て行った
そしてアルゼンチン人が出て行って5分後、誰かが僕のドミトリーの部屋をノックした
扉を開けてみるとそこには警察とホステルのスタッフ
ホステルのスタッフの話によると警察が僕のパスポートとこの後どこかに飛ぶなら航空券の確認をさせて欲しいと言っているらしい
言われるがままにパスポートと航空券の予約のプリントを警察に渡す
警察はそれを持ってまたロビーに戻っていた
不安な気持ちに駆られながら警察が自分の部屋に戻ってくるのを待つ
そしてこの時点でジュンペイ君にLINEで今ホステルのロビーに警察が来てることを伝える
ジュンペイ君も 「僕ら何も悪いことしてないのになんか嫌な緊張感ですよね」と不安な様子
結局10分ぐらいで警察が僕の部屋にパスポートと航空機のプリントを戻しに来たので特にこの夜問題は無かった
アルゼンチン人は部屋を出ていたので結果このドミトリーには僕一人
一人でいるといろんな不安が頭をもたげる
この航空券のフライトは明日の夜
本当に僕らは明日パタゴニアを無事に出れるんだろうか