2023年4月4日
おはようございます
朝、5:15
空港泊した韓国の仁川空港で目を覚ました
世界一周最後の空港泊が終わった
今日は日本への帰国日
つまり世界一周の最終日だ
そう思うだけでどこか背筋が伸びる
僕のフライトは朝の7:30
国際線だし早めに行動しなければ
トイレで顔を洗って歯磨き
5:40に早速チェックインカウンターへ
航空会社はLCCのPeach(ピーチ)
チェックインカウンターの入り口の看板には「大阪」の文字が踊ってる
僕もチェックインカウンターに並ぶ
順番が来てチェックインカウンターでパスポートを渡す
そして陰性証明書を確認される
陰性証明書はやたらとチェックされている
チェックインカウンターの女性が「この陰性証明書どこで取ったの?」と聞いてくる
「ニュージーランドだけど。どうして?」
陰性証明書に記入されている文字は確かにむちゃくちゃ汚い字 だった
だから、もしかしたら自分で適当に書いて作ったような陰性証明書だと思われたのかもしれないな
なんか渋々OKもらった
無事に陰性証明書のチェックも終わって荷物を流す
その際にチェックインカウンターの女性に「荷物のチェックがあるから、今から5分間はそこのベンチに座って待っておいて」と言われた
つまり荷物に何か問題があったらアナウンスで呼ばれるから、まだ出国ゲートには進まずに5分間チェックインカウンターの目の前のベンチに座って待っとかないといけない
そして5分以上経過して自分の名前がアナウンスされなかったら出国ゲートに向かってもいいということだ
航空券はもう貰っているのに出向ゲートに進んじゃいけないってなんか変な感じ
とりあえず言われた通りにおとなしく待つ
そして待ち初めて10分が経ったぐらいでもういいだろうと思い出国ゲートに向かう
セキュリティチェックに向かう列はこんな朝早くから大混雑だ
セキュリティチェックを無事に抜けて出国審査へ
トランジットで一晩過ごして出るだけだから、何の問題もなくスタンプを押されて終わり
あっけな過ぎた
そして、ここからはモノレールみたいなのに乗って搭乗ゲートまで移動だ
搭乗ゲートに着くとガラス越しにピーチの機体が見えた
あれに乗ったら2時間かからずに日本
今から約2時間後には日本の地を踏んでいるのか俺は
なんだか未だに実感がないよ
日本に帰る
つまり、当たり前だけど自分の母国に帰るという事
自分の生まれ育った慣れ親しんだはずの国に帰るだけなんだ
なのになんでだ?
なんでこんなにも不安を感じるんだろう 怖いとさえ感じるんだろう
俺は日本に帰ってうまくやっていけるのかな
日本ってどんな国だっけ
長く離れすぎてもう色々わからないよ
今まで世界一周をした人たちはどうだったんだろう
帰国した時、僕と同じようなこんな気持ちになったのかな
それとも僕だけがこんなことを考え、思っているのだろうか
世界一周した旅人たちは、夢のような生活が、夢のような世界一周が終わって日本の現実社会に戻る事が怖く無かったのかな?
帰りたくないって思った人はいないんだろうか?
そんな事を考えてる僕の邪念をかき消すかのように、搭乗ゲートにあのいつもの放送が流れた
「Ladies and gentlemen.
May I have your attention please.
Peach Airlines, fight MM012 bound for OSAKA is now ready for boarding.
(ご搭乗のお客様方にご案内いたします。 只今からピーチ航空 MM012便、大阪行きの搭乗手続きを承ります)」
アナウンスが流れ日本行きの搭乗が始まった
ゲート前に座っていた人達がゾロゾロと並び出す
今まで何度も見たこの光景
僕はずっとは続かない事をしてる
だからいつかは終わりが来る
分かっていた事
世界一周に出発する前からそんな事分かっていた
ずっと分かってはいたけど、旅の最後に来て心がその現実に追いついてないんだ
それでも終わりは迎えないといけない
むしろ終わらせないといけない
僕も行かなきゃ
決意を固めて重い腰を上げた
さぁ行くか この世界一周を終わらせる為に
俺が始めた物語だ 俺が終わらせないと
何度も世界の空を飛んだけど、これが正真正銘最後のフライトだ
航空機の中で上の棚に荷物をしまっている時に、隣に立っていた女性に足を踏まれる
その瞬間に向こうが咄嗟に日本語で「あ、すいません」と言った
そっか、日本人もずいぶん乗ってるんだな この飛行機には
日本人半分と韓国人半分
その中に僕も混じって日本に帰るんだ
ほぼ満席!
でも、俺の隣の席はまた空いてる
よって、少しだけ快適
7時30分過ぎ、僕を日本に連れて帰る航空機はスピードを上げて滑走路を走り始めた
そしてあっという間にその機体は地面から離れた
眼下にはソウルの街並みが見える
それを見ながらふと旅の記憶を手探る
今まで何度空の上から名前も知らない街の灯りを見て来ただろう
僕は何万キロ移動したんだろう
いや、何十万キロなのかな
何度食事をし、どれほどの水を呷ったろう
この世界一周中に何度笑い、何度傷ついたんだろう
何度感動して、何度落ち込んだんだろう
何度危ない目にあって、何度人に救われてきたんだろう
何度人を好きになって、何度人を嫌いになったんだろう
何人の人と出会い、何人の人と別れたんだろう
何を得て、何を捨てたんだろう
いろんなことがありすぎて
思い出が多すぎて
そしてそれらが今一気に押し寄せてきて
泣けばいいのか 笑えばいいのか どんな顔をすればいいのか
胸が軋む
心の中がぐちゃぐちゃだ
メキシコ人の彼女以外誰にも言ってなかった今日の帰国
僕はわざわざ大袈裟にSNSやこのブログで帰国日を発表したりしたくなかった
なんかそれって自分から帰国を祝ってくれってアピールみたいで格好悪いと思ったから
世界一周に旅立った時も、僕は地元の親友と家族以外に知らせずに出発した
だから帰るときも人にわざわざ言わずに静かに帰ろうと思った
それが僕の中ではカッコいいい人だから
それに、僕は心のどこかで空港に着いたら泣いてしまうかもっと思っていたのかもな
そんなことを考えている間に、この飛行機が着陸態勢に入ったことを知らせるアナウンスがあった
じゃあ窓の外に見えるあれは・・・日本なのか?
俺、今日本を見てるのか
機体は関西国際空港に着陸するために海の方に旋回を始めた
太陽の光を受けてキラキラ光る海の向こうにいくつも小さな船が見える
そうだよな 日本って海に囲まれた国だったんだもの
また当たり前のことを当たり前に思い出していかないと
そして航空機は浮ついた僕の気持ちを地につかせるかのように、日本という国に今まさに着陸する態勢に入った
ガタン!! っと音を立て航空機のタイヤが日本の大地を噛んだ
日本だ
日本に着陸したんだ
ついに・・ついに帰って来たんだ日本に
飛行機に寄せられたタラップを降りて、右足で日本の大地を踏みしめた
お、俺、今間違いなく日本の大地を踏みしめてる
もう第一歩目の右足の裏の感覚まで記憶に残りそうな瞬間だった
ここから空港のターミナルに入ってまずは陰性証明などを確認されるはずだ
でも、その前にちょっと先にトイレ
日本のトイレで5年ぶりに小便
ふとトイレを見ると、わざわざ「人がいない時にも定期的に水が流れます」なんてお知らせが貼ってある
なんて丁寧な国なんだ日本って
さて、まずは空港の職員に「Visit JAPAN」を登録したかと聞かれる
一応これを登録しないといけないということは知っていたので、オークランドにいる間にパソコンで登録だけ済ましていた
職員に「登録してますよ」と言うと画面が赤色になってるか、青色になってるかを確認させて欲しいと言われた
僕のは赤だ
でも赤ということは登録後の記入に漏れがあるってことらしい
画面が赤の人は小さなテーブルに案内されて、「Visit JAPAN」はもう触らないでいいから直接紙に書いて先に進むように言われる
熱がないかサーモグラフでチェックされて、そのまま入国審査へ
靴底の消毒なんかやってるんだね
入国審査だけど、今は日本も日本国民が帰ってきた時には自動ゲートで入国できるようになっている
だけど僕は5年以上も日本を離れていた
だから日本の運転免許証の期限が切れている
それを海外にいたからやむを得ず更新できなかったという理由で期限が切れていても更新してもらえる
でもその証明には日本に帰ってきた時のスタンプがパスポートに必要だ
だから自動ゲートは通らずに、入国審査官のいるブースで入国のスタンプをもらうことにした
「すいません、日本の入国スタンプが必要なんでパスポートに押してください」 そう言ってパスポートを渡した
入国審査官のおじさんは「ハイハイ、ここでいいのね」と言って入国スタンプをバン!とし押した
パスポートの増補した6ページ目に世界一周の終りを告げる、帰国のスタンプが押された
2023年4月4日 午前9時27分
僕は5年1ヶ月と5日ぶりに日本に帰って来た
ついに僕は世界一周をやり遂げた
俺は子供の頃からの夢をようやく叶えた
長かったな
お疲れ、俺
何もかもいい加減でダメな俺だけど
自分の夢の世界一周だけにはちゃんと向き合った
自分の夢にだけは妥協しなかった
俺の夢の長い世界一周
それが今終わったんだ
ベルトコンベアから自分の荷物が出てきた
自分の荷物をピックアップ
ピーチは LCCだから到着するのは第2ターミナルの方
だから、一度空港の外に出て無料バスに乗り第1ターミナルに移動する
バスの中の人は9割かマスクをつけている
これが噂に聞いてた日本の異様なマスク習慣か
意味わからんわ
第1ターミナルに着いて僕がしたことは・・・
この写真撮影
これだけは記念に撮っとかないとね
帰国時はこれさえ撮れれば満足だわ
あ〜 なんか関空も久々だなぁ
当たり前か
あまり大きくは変わってないよな
みんながマスクを付けているという点以外は(笑)
さ、ここからは公共交通機関を使って京都まで帰らないと
でも、よく考えたら日本のお金持ってないや
空港内のATMでとりあえず1万円だけ下ろした
おぉ、こんなお札だったよなぁ
懐かしい〜〜〜
5年前、京都駅からここに来た時のように関空特急「はるか」に乗って帰ろう
券売機ではるかの切符を買って、ホームに移動
5分くらいではるかがホームに入ってきた
!?
キティちゃん仕様
こういうところ日本は面白いよね
自由席に座って窓の外を眺める
に、日本だ
日本の街並みだーー
しかも桜!!
そっか 桜の開花って年々早くなってきてたよな
ここ数年だと4月上旬には散り始めるんだっけ
間に合ったぞ
俺は桜舞う季節に帰って来れたんだ
関空特急「はるか」は1時間ほどでだだっ広い電車の車庫のようなところに入った
僕は地元だから分かる
京都駅に差し掛かったんだ
京都駅に到着
バックパックを見て「またお前とこうして出発地点の京都駅に帰って来れたな」っと心の中でつぶやく
5年間も本当に頑張ってくれた
もうすぐ洗ってやるからな
さぁ一度京都駅の外に出よう
また地下鉄を乗り継いで帰らなきゃ
・・って、あ!!!
実家に何の連絡もしてない
実家に今日日本に着くことも、今から帰る事も伝えてないわ(笑)
駅の公衆電話を使って実家に電話
オジサンが出たので事情と今から帰る事を伝えた
これで一安心
改札を出ると懐かしい景色が飛び込んできた
京都駅構内ってこんな感じだったよなぁ
え? あれって・・
駅の外に飛び出した
京都タワー!!!
オイ、京都タワーだよ
懐かしいどころじゃないぞもう
あぁ、俺本当に世界を旅して地元京都に帰ってきたんだなぁ
ヨシ、とりあえず地下鉄だ
地下街に入って切符を買わないと
成城石井!!
ヤベーーーー!!!!!
志津屋!!!(京都の老舗パン屋)
マジかこれ
日本だ 京都だ
なんか嬉し過ぎる
地下鉄もインドなんかと違ってみんなちゃんと並んでる
最高やんけ日本
マスクしてないのは俺と外国人観光客くらいだけど
烏丸御池で乗り換え
このまま地下鉄の東西線の終点まで乗る
太秦天神川駅に到着!
俺の実家の最寄駅
もうここまで来たら知ってる景色だらけだ
桜と踏切って「秒速5センチメートル」かよ
もう最高の景色!
懐かしさをしみじみと感じながら少し古い近所の町を見ながら実家に向かう
嵐電だ チンチン電車だね
大昔からある路線
観光客が嵐山とかに行くのに使うからまだ廃線になってないんだよね
タバコの自販機なんか見るのも超久しぶり
基本、海外にはジュースの自販機さえ無いところがほとんどだから
日本みたいに安全でないと、そこらにお金の入った自販機を置いとけないからね
懐かしく、少しだけ変わってしまった街並みを見ながら歩いてると実家の町内に入った
そして角を曲がってそのまま歩くと見慣れてた一軒の家が見えて来た
実家だ
ようやく辿り着いたぞ
“家に帰るまでが遠足です” じゃないけど、生きて家に無事帰るまでが世界一周だ
世界一周出発前に誓った「生きて帰る」という最低限のノルマ
送り出してくれた数少ない人達の為にも俺はこうして無事に帰って来た
これで本当に世界一周が終わった
俺は達成したんだ
自分の納得のいく本当の「世界一周」ってやつを
気がつくと自然に体が動いて拳を空に突き上げてガッツポーズを取っていた
世界一周という大冒険をする
それが子供の頃からの僕の夢
その夢をやっと叶えた
僕はずっとこの瞬間のために生きて来た
コメント
おめでとうございます。
世界一周お疲れ様でした。
世界中の沢山の情報や景色が見られなくなりますが、これからの活躍を願ってます。
フカザワナオユキ様、コメントありがとうございます!
ありがとうございます!
何とかやり遂げました^^
またこの後は少し日本に帰ってからの僕の心情などを書いていく予定です
もう少しお付き合いくださいませ
おかえりなさい。
何年もずっと見てたからブログのニュージーランドあたりからは
自分には関係ないのになんとなくさびしさを感じながら読んでました。
最初は自分も京都出身なので勝手に親近感をもって見るようになったのですが、
いつの間にかほぼ毎日チェックするようになっていました。
これでおしまいなのは残念ですが、
エピソードのようなものも書かれるとのことなので楽しみにしています。
あいう様、コメントありがとうございます!
もしかして僕がまだオーストラリアに着いたばかりの頃にコメントくださった方かな?
多分そうだと思ってます^^
何年も僕のブログを読んで頂いて本当に感謝してます
京都出身!同胞じゃないですか
じゃあここから先は見たことのある風景も出てくるかもですね
ブログもう少しだけ書くつもりです
どうか最後までよろしくお願いします
そうですよ。
ちなみにオーストラリア以外でも1回コメントしてます。
右京区のほうはあんまり詳しくないけど
京都の風景も楽しみにしてます。
ほな。
あいう様、コメントありがとうございます!
オーストラリア以外にもコメントいただいてたんですね!
ありがとうございます
これから京都の風景出て来ます
たくさん知ってる場所の写真が出るかと思います
メリさん、遂にやったね。夢を叶えたんですね。おめでとうございます、色々ありすぎて、一言では語れないと思います。今はただ、ゆっくり休んでもらいたい、それだけです。お疲れ様でした!
シンディ様、コメントありがとうございます!
お久しぶりです^^
ついにやり遂げました!
本当に色々ありました
日本ではゆっくりしすぎてデブってしまいそうです笑
日本に帰ってから自分でも思ってなかった心境になったのでまたそれをしばらくの間書いていこうかと思ってます
コメントありがとうございました
世界一周、達成おめでとうございます。メリさんの記事はいつから読ませていただいているのか、オーストラリアへ入る前からだと思います。メキシコぐらいからだと思うので、1年以上前からです。オーストラリアの記事で1度、コメントさせていただいたかもしれません。届いているかわかりませんが。
ペンギン様、コメントありがとうございます!
オーストラリアの記事にもコメントいただいてましたか!
今、「ペンギン」で検索してみたのですが出てきませんでした
もしかしたら違うハンドルネームでコメントいただいたのかもしれませんね
1年以上もブログを読んでくださりありがとうございます^^
もう少しだけ書きますので最後までお付き合いいただければ幸いです
世界一周おめでとうございます。
遅れながらもやっと帰国日の話まで辿り着きました。
ネタバレにならないように直近のブログ内容を見ないで読み進めていたので、無事に帰国されていて自分のことのように嬉しく思いました。
既に1年以上前に帰国されていますが、あのコロナの時期を通しての困難な5年間の世界一周の記録は色あせるものではないと思います。
世界一周本当にお疲れさまでした。
じーこ様、コメントありがとうございます!
世界一周の完結まで読んで頂いてありがとうございます
長かったですよね(笑)
僕にとってもあの5年間は忘れられないものでした
これからもきっとそうでしょう
また海外での生活を少しずつ書いていきますのでこれからも愛読いただけると嬉しいです