2018年10月20日
いきなり何の写真かと言いますとイスタンブール新市街の繁華街のとあるロシア系のクラブに連れ込まれてトイレに逃げ込みお金が足りるか確認しているところです
どういう事かイスタンブール到着当日から振り返ります
カッパドキアの町ギョレメから夜行バスに乗ってイスタンブールに朝方到着しました
フロントで寝てるホテルの従業員を起こしてチェックインさせてもらい朝からイスタンブールの旧市街を散策してみた
まずは有名なブルーモスク
ここに入る手前でひとりの若い男性に話しかけられた
彼は僕をブルーモスクの入り口まで案内したところで「実はこのすぐ近くに僕のお土産物屋があるんだ ブルーモスクの出口で待ってるから見終わったら一緒に僕の店に行こう」と言った
めんどくせぇ奴だなと思いながら僕は一人でブルーモスクに入った
一部、絶賛修復中
世界中の観光地の建造物は修復を繰り返してるからこればっかりはタイミングだなぁ
外から見た感じは凄いんだけど中がなぁ・・・
思った以上に普通でした
ブルーモスクから出る前にあの土産物屋の若者に何と言って断ろうかなと考えながら出口に出たらその土産物屋は入り口の方で別の女性に声をかけていた
断るまでもなくそのままブルーモスクを出た
二兎を追う者は一兎をも得ず
ドーナツみたいなパンを真っ二つにして中にヌテラを塗りこんだだけの菓子パン食べながら旧市街に向かうトラムを探す
新市街へ行くトラムの駅は見つけたんだけどみんなが電車に乗るときに改札の機械に当ててるカードの買い方がわからなくて困ってると一人のオジサンが声をかけて来てカードを買ってくれた
彼の名前はフランというらしい
僕が新市街のガラタ塔に行くというとフランは「ちょうど新市街に行くので案内してあげよう」といい僕に付いて来た
彼の案内通り進むとガラタ塔が見えて来た
ここから新市街の町と橋の向こうの旧市街が見えるらしい
フランは少し仕事関係の店に立ち寄って来るからまたこの塔の下で待ち合わせしようと言って塔には登らずに行ってしまった
ブロックには恋人たちの落書きの跡が
これがガラタ塔の入場券
いくらだったか忘れたけど思ってたより微妙に高かった
塔の上からは橋の向こうの旧市街のブルーモスクやアヤソフィアが見えた
曇り空だけどいい景色だ
真下を見るとこの塔もそれなりの高さがあることが伺える
さっき僕もあの道を歩いてきたんだな
塔の頂上の展望台は狭いので人でいっぱい
広さ的に一定の人数しか入れないから下のエレベーターで入場制限してたのか
ブルーモスクとアヤソフィアの2つ姿を同時にこの高さから見れるのはこの塔の魅力だと思う
ガラタ塔を堪能して下に降りると約束通りフランが待っていた
「もう仕事はいいの?」と僕が尋ねるとフランは「ちょっと顔だしただけだからね」と言った
「俺ガラタ橋を見て旧市街に戻るけど?」と言うと「自分も戻るから一緒に行こう」と言い出した
ガラタ橋にさしかかると物凄い人数の釣り人がいた
これよく噂で聞いてて一度見たかったんだよな
釣り人は毎日居るらしいからよほどここは釣れるんだろう
このガラタ橋周辺からはクルーズ船もよく出てるんだけど、このあたりからフランがやたらとクルーズツアーはお勧めだと言い始めた
僕が「ふ〜ん、じゃあこの船着場でチケット買えばいいんだね?」と言うと「いやいや、そこじゃなくて別の場所で買うんだよ」とフランは言う
もうこの辺から胡散臭さは感じていて旧市街に戻ってから彼が案内したチケット売り場は明らかに彼の関係者というかグルの友人だった
彼は僕に20ユーロするクルーズツアーのチケットを売ろうとして来た
僕が「高すぎるからいらない」と即答すると値段はすぐに15ユーロに下がった
それでもいらないというと最終的に10ユーロでどうだ?と言う
「10秒で半額じゃねーか」と思い、「悪いけど予算オーバーだから買えないよ」というと彼は残念そうに諦めた
彼がフラン 最終的に色々新市街を案内してくれたのであんま悪いイメージは無いが超割高の船のチケットを僕に売りつけようとしたプチ詐欺師だ
朝のブルーモスクの土産物屋の若者といい声をかけて来る奴は今の所ロクなのいない(笑)
アヤソフィアの前に来たら長蛇の列が出来ていた
ここは結構入場料が高いのに何でも今は中を大規模に修復してるらしい
修復中の件といいこの長蛇の列といい今回は見るべきタイミングじゃ無い気がして僕はアヤソフィアには入らなかった
ちょっとブラブラしたくて街を歩いてると偶然にもカッパドキアで出会ったインドネシア人女性にバッタリ再会
写真の一番左が再会した女性 実は彼女はインドネシアの大学の教授
その後も色々ゆっくり歩いて町歩きしてるうちにまた新市街まで来てしまっていた
今日は我ながらよく歩いてる
新市街の中心に近づくと歩行者天国のショッピングストリートが現れた
なんか急にヨーロッパの雰囲気出て来たな
トルクメニスタンでスニーカーがおじゃんになって以来ずっとサンダルでここまでやってきてアルメニアやジョージアではサンダルってあまり街で履かないのかもうすれ違う人に笑われまくってたんだけどこの先寒くなるしスニーカーは必要になってくるので奮発して新しいスニーカーを購入することにした
ニューバランスで新しい結構いいやつ買いました
これいくらだと思います?
日本円で約28000円です ムチャ高いでしょ?
でも毎日履くものなのでケチらずに金かけました
早速晩飯食べに行くのに試し履き
今までのサンダルに比べたら驚くほど足への負担が少ない
今まで結構足の裏も痛めてたんだなぁ
夜はトリップアドバイザーで結構評価高い店に食べに言ったんだけど正直何であんなに高評価なのか疑うくらいイマイチでした
店のオーナーやスタッフや友人を駆使して評価高めてるのかな?
さて、問題はここからです
僕は旧市街で一人夕食を食べ終え、ホテルに戻る道でカルロスというスペイン人を名乗る男に声をかけられました
本当にスペイン人かどうかはわかりません
それなりにスペイン語は話せますが嘘の可能性は高かったと思います
彼はZARAで働いているので日本にも行った事があるそうです
日本のことも少し知ってました
少し話が弾んだところで「少しクラブに行って一杯飲まないか?」と言われて一瞬迷った
僕の財布には現地通貨にして3000円ちょっとしか入っていない
ただトルコの物価からしてクラブの入場料とドリンク一杯で3000円は超えないだろう
入場券にワンドリンク付いてるケースも多い
「クラブで踊って一杯ドリンクを飲むくらいならそんなにかからないだろうからまぁいいっか」と思いカルロスの申し入れを了承した
お店は旧市街のそこらじゅうにあるのでてっきりこの辺の店に入るのだと思ってたけどわざわざタクシーに乗って新市街に連れて来られた
タクシーの中でカルロスは「支払いは平等に割り勘にしよう」と言ってきた
当たり前なので「もちろん」とだけ僕は答えていた
「どの店に行くの?」と聞くとカルロスは「ホテルの従業員に勧められた俺も初めての店だよ」と言った
繁華街の大通りから少し裏道に入った店に彼は迷わず入りました
するとその店の中にはロシア系の女性が多数在籍して男性客の接客をしていた
クラブってこっちのクラブかぁ・・と少しついて来た事を後悔してるとカルロスは「ここに座ろう」と言ってウエイターに僕のノンアルコールカクテルと自分の酒を注文した
早速ロシア人女性2人が僕たちの隣に着いて踊って飲んでの宴が始まってしまった
女性が横に付いたと言うことは当然レディースドリンクも注文することになる
案の定カルロスが遊び慣れてる感じで自分の横に付いてる女性にレディースドリンクをサッと見本のように注文した
ウエイターは僕に「あなたも横の女性にカクテルをご馳走しますか?」と聞かれ思わず流れでOKしてしまった
ずっと金額と自分の持ち金のことは気になっていた
でもクレジットカードがあったので最悪少しかかってもカルロスと割り勘だし大した金額はいかないだろうと高を括っていた
カルロスはノリも良くておしゃべり好きで結構場を盛り上げてくれる
僕らは席で飲むだけでなくカルロスに中央のステージに連れて行かれ4人で踊ったりもした
1時間程した頃、ふと値段の一切書いてないこの店の会計が心配になりカルロスに耳元で会計を一度チェックするべきだと言った
しかしカルロスは「細かいことを気にせず楽しもうぜ」と言って料金を心配してる僕を余所にさらに皆の酒を追加した
この時だ
このとき初めてもしこの店がボッタクリ店でカルロスがこの店とグルだったらという疑念がよぎった
旧市街で最初に出会った彼の人柄や話し方ならまず料金を心配してる僕の意見を無視したりしないで必ずそうしようと頷いたはずだ
彼はすでに女性にもレディースドリンクをかなり振る舞っている
ボッタクリ店でなくてもこういう店の価格設定からしてそれなりの値段は行くはず
僕はもう間違いなく足りるわけがないのをわかってながらトイレに駆け込み財布の中のお金を確認し、頭の中を整理した
そしてこの冒頭の写真となったわけだ
長くいれば長くいるほどまずい状況になると思ったのでトイレから出て、カルロスに「もう会計をして店を出よう」と強く言うとカルロスは「じゃあ最後の一杯だ」と言って皆のドリンクをさらに追加した
この時に僕の中の疑念はカルロスは詐欺師でこの店とグルだという確信に変わった
僕は詐欺師に彼らのアジトとも言える完全アウェイの場所に連れ込まれ絡め取られようとしてる
一杯飲んで話そうと言われてこんな場所に唐突に連れてこられた時点でおかしいと思えなかった僕の危機管理能力のボケかたが問題だった
そして店のチーフが持ってきた会計は見事に5万越え
割り勘だろうが財布の中に3000円ちょっとしか入れてない僕には払えるはずもない
カルロスは白々しく「さぁ最初に言った通り平等に割り勘にしよう」と言ってきた
これは観光客からゴネられずに微妙に払える25000円という金額をボッタくる上手く出来た詐欺だ
とりあえず敵の巣の中のこの店にいるのではマズイ
ここにいる限りは奴らのしたいがままだ
一旦なんとしてでも外に出て話すべきだと思ったので会計を求める店の連中をかなり強引に振り切ってカルロスを外に連れ出し、何故この店を選んだのか?このふざけた金額をどう思うのか?を問い正した
カルロスはこの店を選んだのは宿泊先のホテルの従業員に聞いただけで偶然だし、楽しんで使った金は払うべきだと言う
いや、この金額はどう考えてもおかしいだろ
怒るのが普通だ
僕はもうずっと喉元まで出かかってたが止めておいた言葉を直接彼にぶつけるしかなかった
「この店とグルなんだろ?」と言った時、会計を求め店から出てきたチーフとカルロスの顔色が変わった
「俺はこれからこの店と間違いなくオーバーステイで働いてる中の女性とこの会計金額について警察に行くけどどうする?」と言った直後だった
カルロスは「何てこと言うんだ お前のおかげで楽しんでた気分が台無しだ!」っと言ってこちらに背中を向け一瞬店の中に戻りかけて、何かに気づいたかのようにすぐまた表の路地に方向を変えた
僕はそれを見逃さなかった このほんの一瞬の行動が意味することはひとつだ
彼にとってこの店は無意識に帰ってしまうほど普段からよく出入りしてる場所だと言うこと
なぁカルロス 君がもし潔白だとしたら君は今俺とともにボッタクリにあってるんだけど?
なんで店の肩を持ってしきりに払おうととするんだ?
俺が「警察」というワードを出した途端逃げるように店の中に戻りかけたんだ?
とことん最後まで演技仕切れないだけでなく動揺が表情や行動に出る君は悪いけど詐欺師に向いてないよ
僕が表の通りに出たのにはもうひとつ理由がある
通行人にワザとこの騒ぎを見てもらうためだ 人目をひけばひくほど連中はこのボッタクリを続けにくくなる
何かモメてると思われると誰かが警察に通報するかもしれないからだ
僕があえて大きな声で通りを歩いてる人にも聞こえるようにもう一度「俺はこれからこの店と間違いなくオーバーステイで働いてる中の女性とこの会計金額について警察に行くけどどうする?」と言った後の彼らの引き際はこちらからしても呆気ない程早かった
チーフが苦虫を噛み潰したような顔で「You can go・・・」(もう行っていいよ)と言って解放された時に初めて心臓がバクバクになってた事に気付いた
帰り道は後ろから付けられてないか確認しながら急ぎ足で帰った為に店の場所も思い出せなかったが、スマホの写真にGPSで撮影場所情報が残るようにしてたので次の日に確認した場所情報が上の写真
この店はグーグルマップにもmaps.meにも載ってないが何故かアップルのマップにだけ載ってるようだ
カルロスは何回もミスをしていたと思う
まず僕は会話の中で世界一周をしてることを話したにも関わらず短期旅行者ではなくお金をそこまで大胆に使えない長期旅行者の僕をそのままターゲットにしたこと
出会った時と店に入って僕がお金のことを心配してる事に気づいてからキャラクターが変わってガツガツ行き始めたこと
そして極め付けはとっさに店の中(自分のアジト)に戻ろうとしたところ
正直アイツにはやりきるセンスが無かったと思う
僕は急ぎ足で、そして時折後ろを確認しながら人の多い道を選んで帰ることにした
嫌な思いをした僕とは裏腹に繁華街の歩行者天国は夜を楽しんでいる人達で溢れていた
なるべくなら人は信じたいし、旅先の出会いも大切にしたい
でもそこを付け狙う連中がいるのも確かだ
今のところ旅をして約8ヶ月 このようなトラブルに遭うのはこれで4回目
2ヶ月に一度何かしらのトラブルにあってる事になる
旅の神様なんてものがいるとしたら「ここからはもうヨーロッパ 今までとは違ったアプローチの詐欺もどんどん出てくるから気合いを入れ直せよ」と言われてるような気がしてならないのだ
結果、被害額ゼロとはいえ消耗した精神とこの後味悪い気分と信じた人に騙された気持ちを今晩どこに向ければいいのだろう
コメント
偶然この記事を目にして私も類似の経験があるので思わず投稿させていただきました。
2013年秋、私にとって7回目のトルコ訪問の時でした。諸々用事をすませて夜一人でブルーモスク前のベンチに座ってチャイを飲んでいると一人の男性が英語で話しかけてきました。彼は一人旅でスペインから来た、一人旅は寂しいので同じく一人佇んでいる私に声をかけてみたとのこと。この時点は私は、スペイン(又はイタリア)から旅行で来たと称して話しがある程度盛り上がったところでグルになっているクラブに誘い込む詐欺が横行しているということを散々読んだり聞いたりしていたので「これかー」ととても嬉しくなりだまされた振りをして彼との話をエンジョイしておりました。そしてついに「一人では行けなかったクラブに行きたいので一緒にどうか?」と持ちかけてきました。「ついに来たー」と心踊らせて(因みに私は英語が堪能、トルコ語は日常会話可能ですが)彼に「すみません、言っている意味がよくわからないのでここから英語ではなくてトルコ語で話してもらえますか?」とトルコ語で尋ねたらそこからまんまとトルコ語に切り替わりました。トルコ人であろう彼は当然トルコ語を普通に話します。そこで私は彼に「あなたさっきスペインから来たって言ったのに何でトルコ語をそんなに流ちょうに話すんですか?」と聞くと彼曰く「以前トルコに住んでいた」とのこと。「では当然トルコに友達はたくさんいるんでしょう?素性も知らない私なんかとクラブに行くよりはトルコの友達とクラブに行った方が気軽で楽しくないですか?ところであなたが行こうと誘っているそのクラブの経営者なりスタッフはあなたの仲間でしょう。そして最後にものすごく高い料金を請求されてあなたもだまされたかのように悔しがったり怒ったりする素振りを見せるんでしょう?有名ですよ」とトルコ語で言ってやると「いや、行きたくないんだったらいいよ」と言って去って行きました。彼が同一人物かどうかは定かではありませんがちょっとなつかしく記事を読ませていただきました。長文失礼致しました。
ひろ様、コメントありがとうございます!
同じ詐欺に誘われていたのですね!対処読ませて頂きましたが、いやぁやりますね!(笑)
事前に知っているのと知らないのでは大違いですね
僕は完全に信じていたのでお店の中に入れられてから踊る方のクラブじゃなかったので
そこで初めて「ん・・?」って感じでした
実はもういちいち書かなかったのですがアルバニアでも安宿で同室になった自称イタリア人に同じような誘いを受けました
東ヨーロッパあたりで流行っている詐欺なのかもしれませんね
ブルーモスクやアヤソフィアがある広場は明らかに詐欺師が観光客のカモを探してる場所だったので
読んでくださってる方への注意喚起も込めてこちらの記事を書きました
また海外旅行が出来るようになってもお互い気をつけましょうね^^
全く同じ詐欺にあいました…。
2022年11月22日です。
私もスペイン人カルロスのZARA話を完全に信じ込み、なおかつ、支払いまでしてしまいました。
酒に酔っていたため明細もなく、場所も分からずで支払うしかなさそうです。
ネット検索したらまるっきり同じだったので、もやもやを吐き出したくてコメントしました。
判断力と度胸に頭が下がります。
つなぐ様、コメントありがとうございます!
えぇ〜〜!!!
全く同じ奴じゃないですか!
あいつまだ懲りずに詐欺やってるんですね
せめてこのブログを先にご覧になられていれば・・・
因みにこの詐欺、トルコだけではありません
トルコ近隣ならアルバニアという国でもこの詐欺はあります
僕はもう付いて行きませんでしたが、パナマでも同じような詐欺を仕掛けてくる奴に会ってます
お互いに気をつけましょう
コメントありがとうございました