2018年11月16日
ベオグラードの街には昔コソボ紛争でNATOから爆撃を受けたビルが今でもそのまま残ってると話を聞いていた
場所を調べると宿泊先からも徒歩で十分いける距離だったので街を散歩しながら向かってみる事にした
ベオグラードはやっぱり大都会だ
ヨーロッパ最古の都市であり旧ユーゴスラビア最大の都市ベオグラード
大昔ケルト人によって作られたこの街は言わずもがなセルビア経済の中心地であり歴史的にも周辺の各帝国、王国に支配される歴史を繰り返してきた興味深い都市でもある
遠回りをしながらベオグラードの街並みを楽しみ、ベオグラードのバスターミナルにほど近い大通りに出ると破壊されたビルが見えてきた
NATOに空爆を受けたビルの場所はこちら
これがそうか 2棟の破壊されたビルが通りを挟んで向かい合っている
爆撃を受けたビルの横の壁には女性軍人が敬礼する大きな幕が張られている
何発ぐらいの爆弾が打ち込まれ何人の人が犠牲になったのだろうか
1999年にアライドフォース作戦という名のもとにNATOによって行われたこの空爆
もちろんそれを主導していたのは地球の裏側の大国アメリカだ
このビルが爆撃されたのには諸説あってNATO空爆の際には中国の大使館が爆撃を受けている
アメリカはそれを誤爆と説明し、のちに謝罪しているが世界の見方では「あれは誤爆ではなく意図的に駐中国大使館を狙った爆撃だった」というものだ
当時中国とセルビアの繋がりは深く中国はセルビアを支援していた
そしてセルビア内で撃墜されたF117という当時最高のステルス性能を持っていた戦闘機の残骸がなぜか中国大使館の中に運び込まれたという事実があった
アメリカはその動きを察知してたのだろう
中国がセルビアを支援していた事、そして当時最高クラスのステルス戦闘機の技術を中国に盗まれてしまう事
この2点からアメリカはセルビアの中国大使館への爆撃を決めたに違いない
当時このビルへの爆撃を決定したアメリカ中央情報局中佐のウィリアム・J・ベネットという人物は翌年の2000年に責任を負わされCIAを解雇されている
もちろんウィリアム・J・ベネットが決めたのではなく彼の更に上からの極秘の指示だったはずだ
怖いのはここからだ
ウィリアム・J・ベネット氏はその後口封じのために妻と公園にいるところで暗殺されている
ウィリアム・J・ベネットが殺された事に関してFBIは当然ながら「事件とベネットの経歴を結びつける証拠は一切ない」と暗殺説を否定している
アメリカって本当に恐ろしい国だ
そもそもNATOによる空爆はセルビア側が和平交渉において、合意文章に調印しなかったために起きたものとされているんだけどセルビア側が和平交渉に応じなかったのには理由がある
和平交渉の期限切れ直前にアメリカがセルビア側に突きつけた和平交渉以外のAnnex Bと呼ばれる別条件を追加した契約書の存在がある
その内容が問題なのだ
その内容は「コソボのみならずユーゴスラビア全域でNATO軍が展開・訓練でき、なおかつ治外法権を認めよ」という、ユーゴスラビアの占領化を意味するようなものであった
セルビア側は突然こんな条件を突きつけられて軽々にサインできるわけもない
アメリカはユーゴスラビア全域を支配下に置きたかったんだろな
何が世界の警察だ 聞いて呆れる
NATOによる爆撃されたビルを見終わったあとはまた街並みを見ながら宿泊先周辺に戻った
夜、ホテル周辺の歩行者天国では動物愛護団体による家畜の酷い扱いに対するアピールが行われていた
こういうものが出てきたあたりモラルや節度を持ったヨーロッパに近づいてきたという感覚だ
小さな子供が指揮者の真似事をさせてもらっている
子供の前にはカメラが付いており、子供が指揮棒を降ってるようすが別のモニターの指揮者の立つ台のところに映し出されるようになっている
面白いイベントするよな 子供も喜んで音楽に合わせてそれっぽく指揮棒を降ってみせる
ベオグラードの歩行者天国には楽器をひくバスカー、アカペラで歌を歌う少女のバスカーなどバスキングでお金を得る人たちも出てきた
もう完全にヨーロッパだ
明日は朝からまたセルビア第二の都市に移動する
次はどんな場所だろうか