パレスチナのベツレヘムとヘブロンを1日で観光(前編)

2019年1月11日

エルサレム旧市街の出入り口、ダマスカス門

ダマスカス門

今日は朝からここで知り合いと待ち合わせをしている

僕が待っているのはアンマンのコーダホテルで知り合ったY君という日本人旅行者

アンマンのホテルで1日だけ一緒になったのだが僕より1日遅れでエルサレムに到着し、この日一緒にパレスチナを見て回ろうという事になった

僕らがまず目指すのはベツレヘムというエルサレムからバスで40〜50分ちょっとで着けてしまうエルサレムに一番近いパレスチナ自治区

エルサレムからベツレヘム

ベツレヘムには234番のバスに乗って行く事が出来る

バスが出るのはダマスカス門の目の前のバスターミナル

エルサレムからベツレヘム

エルサレムからベツレヘム

あっという間にパレスチナ自治区を囲う壁のあるベツレヘムの入り口にやってきた

バスを降りて地元のパレスチナ人と思われる人たちに付いて行って下の写真の場所で一旦荷物検査

エルサレムからベツレヘム

エルサレムからベツレヘム

荷物検査が終わりそのまま進むとゲートが見えてきた

エルサレムからベツレヘム

ここをくぐり抜けるともうパレスチナの塀の中だ

下の写真はゲートを潜って先にすすむY君

エルサレムからベツレヘム

エルサレムからベツレヘム

塀の中なのに何故かもういっちょゲートが

パレスチナ人が一気に外に出れないようにしてあるらしい

ベツレヘム

ゲートを抜けて完全にパレスチナ自治区に入るとまずタクシー運転手の勧誘

この辺は他国と同じ(笑)

ここから直で自分の宿に向かいたいならともかく、すぐ側にウォールアートはあるのでここでいきなりタクシーに乗らなくてもゆっくりウォールアートを見ながら宿に向かうのもいいと思う

ベツレヘム

ベツレヘム

ご存知の通りパレスチナ自治区はイスラエルがテロ防止の名目で分離壁を作りパレスチナ人を隔離してる地域だ

だからと言って別にパレスチナ人はテロを起こしたり画策するような人たちではない

あくまでもイスラエル側の名目で言い掛かりだ

では何故にこういった自体になっているのか?

ベツレヘム

事の経緯はこうだ

今のイスラエルという場所には大昔ユダヤ人が多く住んでいた

しかしここは世界の交通の要所であった為に何度も侵略されローマ帝国に占領される

その度重なる戦乱の末にユダヤ人は故郷を捨てて世界に散らばって行った

ただ世界に散っていったユダヤ人はヨーロッパを中心にあらゆる地域で迫害を受けて、その結果一度捨てた故郷のパレスチナ(今のイスラエル)に戻り始めていた

しかしその時にはすでにその国にはアラブ人が住み着いていた

ユダヤ人は戻って着た際にそこに住み着いていたアラブ人に対して「ここはもともと自分たちの国だ」と主張し、住み着いたアラブ人を出ていかそうとする

ベツレヘム

そのユダヤ人とアラブ人のいざこざに首を突っ込んできたのはお馴染み大国アメリカ

アメリカとイギリスの主導でパレスチナを分断して、ユダヤ人とアラブ人の国を作ることを国連総会に提案 そして一方的な決議で分断が決定してしまう

パレスチナ人と周辺のアラブの国々が国連決議を不当としてイスラエルに進軍した

これがいわゆる第一次中東戦争ってやつだ

そしてそれ以降、断続的に紛争が続いている

ベツレヘム

つまりパレスチナ人というのは簡単に言うと「イスラエルに住んでたがユダヤ人に追い出されれそうになり行き場を失ったアラブ人」の事だ

イスラエルは自分たちが行ったアラブ人の追い出しと分断に対してパレスチナ人からの報復を勝手に恐れて彼らを壁の中に隔離し監視し続けてるという事

またアメリカとイスラエルが裏でガッチリ手を握ってるのは世界中で有名な話だ

アメリカに味方してもらう為のイスラエル側の見返りは何だったのかはわからないが何もない訳が無い

何かしらの利権がからんでるのは確かだろう

そもそも本来首都はテルアビブなのにイスラエル政府はエルサレムが首都だと主張しはじめ、挙句アメリカが最近になって「イスラエルの首都はエルサレムだ」と認めてしまうメチャクチャな発言があった事は記憶に新しい

まぁ長くなるのであとはググってください

ベツレヘム

少し歩くと写真で見た事のある壁画が見えてきた

この壁画の女性はライラ・カリド

パレスチナ解放人民戦線に参画した女性で初めて銃を持ってイスラエル軍と戦った人

ベツレヘム

そう言う経歴の持ち主なので世間では元テロリスト的な扱いを受けてるけど、追い出されそうになった方が自分達の住む権利を主張した戦いをしただけの事なんだよね

ベツレヘム

ベツレヘム

そしてこの分離壁には世界中のアーティストからパレスチナ解放運動のメッセージを込めたウォールアートが所狭しと書き殴られている

ベツレヘム

ウォールアートを見て回ってるうちに自然とたどり着いたのがこちら

世界一眺めの悪いホテル

世界一眺めの悪いホテルとして有名な「ウォールドオフホテル」

なぜ世界一眺めが悪いのかってそりゃ目の前にこんな人と人を分断する壁が広がってるからですね

世界一眺めの悪いホテル

あ、ここ世界一眺めの悪いホテルという割には結構値段高いです

目の前のこの壁が有名だから逆にホテルも有名になった訳ですね

世界一眺めの悪いホテル

世界一眺めの悪いホテル

ベツレヘム

MAKE HUMMUS     NOT WALLS

HUMMUS(フムス)ってのは中東でよく食べられる豆ペーストの食事

要は「壁なんか作ってる暇あったらフムス作れよ」というメッセージ

ユニークでいいね!

ベツレヘム

ベツレヘム

ベツレヘム

これはベツレヘムのウォールアートの中でも有名なバンクシーの狙撃されるハト

平和の象徴のハトまでもが防弾チョッキを着ているというパレスチナの現状を皮肉ったメッセージアート

ちなみにバンクシーとは素性を明かしてないイギリスのグラフィティーアーティストです

このベツレヘムの壁画を見て回るには欠かせない人物なのでパレスチナに来る前にググって予習しておいた方が楽しく回れると思います

この辺で一旦今日泊まるゲストハウスにチェックインしに来た

ベツレヘム

僕がチェックインする間にネコと戯れるY君

Y君はこの日はさらに南のヘブロンという街に宿泊予定

僕だけがベツレヘムの宿に宿泊

ベツレヘムの壁画は集中してる箇所もあればバラけて存在するアートもあるのでだいたいタクシーを一台チャーターしてそのタクシーに1〜2時間かけて有名なウォールアートや有名な教会を回ってもらうのが定番

僕らもそうしようと思っていたら宿のオーナーが自分の車で連れて行ってくれると行ったのでタクシーではなく宿のオーナーに連れて行ってもらう事にした

で、最初に来たのがここ

ベツレヘム

上の写真の看板に書かれてるウォールアートがあるお土産物屋

ここは外ではなくお店の中の壁にウォールアートがある場所

ここは元々は分離壁の一部だったらしいです

ベツレヘム

中は普通のパレスチナ関連のお土産物屋さん

その店内にガラスのショーケースに守られてそのウォールアートはあった

ベツレヘム

少女が兵士を逆にボディーチェックするというアート

先ほど書いたようにお店の中にある壁画なのでお店が閉まってる時はこの壁画は見れません

僕らが行った時もお店は閉まってたんだけど運良く店前に店員がいたので宿のオーナーが交渉してお店のシャッターを開けて中に入れてもらいました

ベツレヘム

次のウォールアートに向かう最中に見えた壁には銃が備え付けてあった

その他にも監視カメラがついてる壁もありまるで中で弾圧されてる側のパレスチナ人が犯罪者扱い ホントひどい話だ

ベツレヘム

こちらはベツレヘムの中でも有名なウォールアート

天使がこの圧力的な壁をこじ開けようとしてる

ベツレヘム

ナイキの「JUST DO IT」じゃなくて「JUST REMOVE IT」

それ(壁)を取り除けって意味だね

ベツレヘム

こちらもバンクシーの壁画 ハートを降らす天使

でもこれ予想以上に小さくて「え?ここ?」って場所にあるのでこういうのはやっぱ地元の人に連れて来てもらわないとわからないですね

ベツレヘム

宿のオーナーの車でさらに走る事5分、今度はとあるガソリンスタンドの前で車を止めた

なんでもこのガソリンスタンドの壁面にこのベツレヘムで一番有名なウォールアートがあるらしい

バクンシーの壁画

ちょうど上の写真の真ん中の路地を進むと右側に壁画があるという

言われたままに進んで出て来たのがこれ

バクンシーの壁画

バンクシー作、花束を投げる男

紛争だと本来手に持ってるのは火炎ビンや手榴弾だろう

しかしバンクシーは両者の平和を訴える為にあえて花束を投げる男の壁画を書いた

バクンシーの壁画

同じ投げるなら双方が幸せな気持ちになるものを投じようよ

バンクシーがそう言ってるようでならなかった

僕らは一通りの壁画を見た後にベツレヘムにあるキリストが生まれたとされる有名な教会の「聖誕教会」の前で車から降ろしてもらった

車でのガイドは1時間ごとに料金が発生する形なので僕らはちょうど1時間で車を降りた

有名ウォールアートは一通り見て、料金は最低限に抑えた形だ

ベツレヘム

これが聖誕教会

とりあえず中を見るだけ見てみようという事に

ベツレヘム

ベツレヘム

人だかりが凄かったこの場所がどうもマリア様がイエス・キリストを産んだ場所らしい

ただ僕らは2人とも対して宗教に興味を示さないので早めに退散

ベツレヘム

外に出るとクリスマスツリーが飾ってあった

パレスチナでもクリスマスツリーかぁ

キリストが生まれた教会がある場所だから別にツリーがあってもおかしくないはずなんだけど、町の雰囲気からするとなんだか少しだけ違和感あるよな

ベツレヘム

次に向かったのは先ほどの生誕教会から歩いてこれるMilk Grotto(ミルク・グロット教会)

聖母マリアの胸から乳が一滴洞穴の床に落ち、そこから壁が白く染まったという言い伝えがあるそうです

ベツレヘム

中は全部が全部乳白色という訳ではなかったし、教会自体も妙に新しく感じた

これ観光客向けに最近建てたのかな?っと思わずにはいられなかったのが正直なとこ

ベツレヘム

こんな感じでひとますベツレヘムの主な観光は終了

ベツレヘム

でもまだこの日の行程は半分終わっただけ

この後すぐに乗り合いのミニバンに乗ってヘブロンという町を目指します

ベツレヘム

ちょっと長くなるのでこの日の残りのヘブロン観光は後編という形で次の記事に続きます

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コメント

  1. 古今東西 より:

    はじめまして。
    パレスチナ問題について書くなら、イスラエル批判だけではなくてパレスチナ内部の腐敗も指摘した方がいいです。
    たとえばパレスチナ自治政府の人間が月収54万円をもらっていてパレスチナ市民が激怒したこととか。
    そのことは朝日新聞の記事に書いてあります。

    「パレスチナ、ひそかに閣僚給与1.6倍に 批判受け撤回」

    苦しむ市民を外国人に見せて甘い汁を吸っているパレスチナ人もたくさんいます。こういう人間がこの問題の解決を遅らせている面もあります。
    それともしヘブロンで、「イスラエル人が2階からゴミを投げるからネットがある」的なことを書くならその情報は事実か確認したほうがいいです。

    ではこれからも良い旅を続けてください。

    • メリ より:

      古今東西様、コメントありがとうございます

      移動日だったのでコメント承認と返信が遅れ申し訳ございません

      たしかに両面から物事を見る事は必要だと思います
      そしてどんな国にも少なからずあざとい真似をして利を得る人たちがいるのも事実です

      しかしそういった人たちがいるからと言ってこの問題がイーブンになるとはもちろん思いませんし、両方を見て相対的にやはりイスラエルの取ってる対応と政策はおかしいと思ったのでこの内容で投稿しました
      もちろんこれは僕が実際に訪れて感じた僕の意見ですが間違ってるかも知れません 僕個人の意見です

      古今東西様が言われるようにただの旅行者の僕に見えてない部分も沢山あるとは思います

      ただそれでも僕は自分が見た範囲で自分が感じた事や思った事を正直に書く事に重点を置いてますので今回の投稿になったと思って頂ければと思います

      とはいえ古今東西様の今回のご指摘はありがたかったです

      ありがとうございました

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