2022年1月20日
おはようございます
今日は朝からポトシで有名な銀が取れる鉱山ツアーに参加する
朝9時にツアー会社の前に集合するように言われてたので、昨日申し込んだツアー会社前にやって来た
僕がツアーを申し込んだのは「Turismo Claudia」という会社
グーグルマップには載ってません
ポトシのメイン広場の Plaza 10 de Noviembreから徒歩1分かからない場所にあります
この日、午前のツアーに参加するのは僕とアルゼンチン人の男性が一人だけ
アルゼンチン人の男性はJoaquin(ホアキン)
このJoaquin(ホアキン)と僕とガイドのオバサンの3人で鉱山に向かう
鉱山に行く途中の道は鉱山で働く鉱夫の人たち御用達のお店が並んでいる
コカの葉を売っていたり仕事で使うダイナマイトが売られてるようなダイナマイト専門ショップなどもある
とあるお店で少し鉱夫が仕事中にたしなむコカの葉やタバコなどを見せてもらった
上の写真でコカの葉の上に乗っている左上の白いチョークのような棒状のものは甘味料のステビアだ
コカの葉だけを口に入れると味が美味しくないので、ステビアやミントの塊を砕いて一緒に口に入れてコカの葉の成分を味わうようになっている
ステビアの下に見えている黒い炭みたいなのがミントの塊
そしてちょっと右側に寄っちゃったけど下の写真のピンクの袋に包まれているのがコカの葉を利用して作った鉱夫達が吸うタバコ
ガイドのおばさんが「これがボリビアのマルボロよ」っと言っていた(笑)
そしてこちらが鉱夫の人たちが仕事のつらさを紛らわすお酒
その度数、何と96%
お酒と言うよりこれもアルコール液そのものだよね
そしてこれが仕事で使うダイナマイト
これがこのストリートに山ほど売っている
緑の導火線をダイナマイトに差し込んで、ピンク色の粉のような物で被って着火して爆破する
ついでにこの店で鉱夫達へのお土産としてコカの葉とファンタの2 L を買っていく
今から見に行く鉱山はツアーで観光客が入れるとはいえ現役バリバリの稼働している鉱山
そのため中には働いている鉱夫達がたくさんいるのでその人達に渡すお土産だ
さらにその後、鉄の扉をくぐり抜けてとある建物に入っていき、このツアーに参加する人が鉱山に入るための服装に着替える場所に行く
鉱山はただでさえ中が土埃だらけなので、その土埃が舞わないように地面に水が撒かれている
そのため足元はビチャビチャだ
だからここで長靴に履き替えて自分達の私服が汚れないように上下別の服に着替える
さらに鉱山の天井は低いので頭を打っても大丈夫なようにヘルメットを被りそのヘルメットにヘッドライトを装着して行く
こいつがアルゼンチン人の Joaquin(ホアキン)
ホアキンは今アルゼンチンからボリビアに旅行中
アルゼンチンとボリビアの陸路の国境は開いているけど、PCR検査や海外旅行保険などが必要で高くつくのでこいつは川を渡ってボリビアに不法入国して旅している
実は最近、南米ではコロナのせいで不法入国を次々に繰り返して旅する旅行者が非常に多い
もうペルーの終盤からそうだったんだけど、ペルーやボリビアで欧米人と旅の話をすると最近はだいたい国境の話や不法入国のやり方の話になることが多い
僕がペルーのプーノという町で同じドミトリーの部屋で一緒だったフランス人の女性もそうだ
彼女はプーノからボリビアに不法入国したし、更に彼女は今ボリビアからアルゼンチンに不法入国してアルゼンチンの南端のウシュアイアまで行っている
最近知り合う長期の旅人は欧米人でもラテン人でもほとんどこういう旅人だ
さて、着替えが終わったら車でさらに進み今年の町のすぐ近くにある鉱山へ入っていきます
鉱山の入り口で車を降りてまずはここからポトシの町を一望
この鉱山は実はポトシの町から見えていたんだけど、まさかこんな町の近くに鉱山があると思わなかったな
ちなみにここは働いている鉱夫が住んでいる居住区
家から通ってる人もいるけど仕事がハードなので、遠い距離だと往復が大変だからこのような鉱夫が寝泊まりする寮が近くに建っている
ポトシの標高は4070メートル
そしてこの鉱山の標高は4200メートル さらに鉱山の山頂は4800メートルらしい
上の写真の山のてっぺんが4800メートルだ
この標高で鉱山というハードな仕事
そりゃコカの葉を噛んだりアルコール度数96%の酒を飲んでないとやってられないわけだ
普通の神経や感覚では参ってしまうという事
この鉱山の入り口には銀を含んだ石がたくさん落ちている
写真だと光ってるのが分かりにくいけど銀が入っている石は角度を変えるとキラキラ光るのですぐにわかる
ガイドのおばさんが「そろそろ鉱山に入って中を見てみよう」と言った
さっきも書いたようにここは今も稼働してる現役の鉱山
働いてる鉱夫やトロッコが常に出入りしてるので、まずはガイドのおばさんが中の様子を伺って邪魔にならないタイミングで鉱山の中に入っていく
そろそろ入ってもいいみたいだ
ヘッドライトの明かりをつけて順番に中に入っていく
鉱山の中はトロッコを動かすためのレールが常にひかれているのでそのレールとレールのあいだを慎重に歩いて行く
天井が低くなっている場所も多いので屈んで歩いて行く
僕は身長が187センチあるので結構体勢がしんどかった
僕みたいに身長の高い人は途中で腰が痛くなってしまうかもね
時々、銀を含んだ石を大量に詰めたトロッコとすれ違う
鉱山内の通路は非常に狭いのでトロッコとすれ違うのも一苦労だ
ちなみにこのトロッコを押して出たり入ったりの作業を繰り返してる人たちの日給はこれだけハードな仕事をしてなんと200ボリビアーノ(約3200円)
すれ違う彼らの顔はもう土埃で真っ白になっている
なんてハードで過酷な仕事なんだ
天井を見上げると鉱山の真ん中に黒いラインが見えている
そしてその黒いラインはライトを当てるとキラキラと光る
これが銀だ
少し歩いたところにはこの鉱山の神様として祀られてる銅像があった
ガイドのおばさんがこの鉱山に来る前に見た「ボリビアのマルボロ」と称していたコカの葉を使ったタバコに火をつけてそれを神様の銅像の口に差し込む
こうやって神様にコカの葉のタバコを吸わせて96%のアルコールを銅像にかけてあげる
鉱夫達が嗜む物と同じものを神様に捧げて、今日も一日安全に事故なく仕事を終えられるようにお祈りするのだ
そして時折すれ違う鉱夫達にお土産で買ったコカの葉やファンタのジュースなどを渡していく
封鎖されている通路はすでにこの奥の銀を掘る作業が終了した場所
まだ作業中の通路は常にオープンしている
鉱山の中の通路にはところどころ穴が開いている
人間が下まで落ちてしまうような大きさの穴ばかりなので結構危ない
足元は常に照らしておかないと
ちなみにこの大きな穴は200メートル下までつながっているらしい
落ちたらもう終わりだとガイドが言っていた
ちょうど僕らが大きな穴を写真に撮ってるところに、空のトロッコがやってきた
今からこのトロッコに銀を含んだ石を詰め込む作業をするらしい
ちょうどいいタイミングでその作業を見れることになった
木で作られた留め具の向こう側に銀を含んだ石が沢山溜まっている
その留め具を外した途端溜まっていた石がトロッコに流れ出てくる
その途端ありえないぐらいの土埃
彼らは毎日こんな環境の中で仕事をしている
長く続けてると絶対に肺をやられると思う
鉱山は落盤などの事故もよく起こるのでまさに命をかけた仕事だ
約2時間ちょっと鉱山の中を歩いて見て回ってようやく出口へ
これは本当に貴重な体験をできるツアーだったなぁ
このツアーがたった80ボリビアーノ(約1300円)というのは安いと思う
僕はメキシコでもサカテカスという銀山の街で鉱山のツアーに参加した
でもあれはすでに閉じられた鉱山を観光客向けに開放しているものだ
それに比べてこのポトシの鉱山は本当に現役バリバリの鉱山
中を歩いてると普通に働いてる鉱夫たちや銀を運ぶトロッコとすれ違いながら彼らの仕事ぶりを見て回れる
こんな経験はなかなか出来ない
最初は行こうかどうか迷ってたけど本当に行って良かったと思えるツアーだったな
昼の12時過ぎ、僕はポトシの町に戻ってきた
明日もう一日この町でゆっくりしたらまた新しい町に移動だ