持たざる者の優しさと寂しさ

2021年9月13日

おはようございます

プカルパ

前回の記事の通り、バスの中で高山病になりながらフラフラで辿り着いたプカルパ

ホテルの部屋でシャワーを浴び、2時間ほど休憩してから何か食べに外を歩いてみた

プカルパ

プカルパの町は本当に暑い

ここはもうジャングルの入り口なのだと再認識させられる

僕が見つけて入ったレストランはこちら

プカルパ

EL FUEGOというレストラン

プカルパ

メニューに焼きそばみたいなのがあったのでそれを注文

まずは揚げたバナナチップスとサルサが出て来た

プカルパ

バナナチップスを食べてる間に出て来たのがこちら

プカルパ

20ソル(約530円)

まぁまぁ高い でもお味は良し 肉も結構入ってるしね

この焼きそばを食べてる時、急にお店のスタッフのオバサンから「日本人?」っと日本語で聞かれた

その方はこのレストランのシェフの一人でシルビアさんという日系ペルー人だった

何でもお爺さんが日本人だそうだ

最初気づかなかったんだけどこのレストラン、実は中が日系のホテルと繋がっていた

シルビアさんに教えてもらって外に出てみて初めて気がついたわ

プカルパ

ホテルの名前はそのまんま「NIKKEI HOTEL」

3つ星ホテルで1泊80ソル(約2150円)だそうだ

日本人だから70ソルで泊まらせてあげると言われたけどそれでもペルーの物価とバックパッカーが泊まる宿からすると高いので今回はパス

何より明日にはもうボートに乗ってジャングルの中に入って行くのだから

プカルパ

それにしても暑い・・

日中にずっと外に出てるのは無理だなこれは

プカルパ

宿に戻る前に水2本とアイスをひとつ商店で買う

ホント東南アジアのように水分補給でどんどん金を使ってしまう場所だ

プカルパ

シャリシャリのアイスも歩きながら食べてるとすぐに溶けて手に垂れ流れてくる

ホテルに戻ってまた少し休憩して次に外に出たのは夕方

プカルパ

夕陽と無数に走るトゥクトゥク

ペルーと言わずにこの写真をアップしたら確実にタイと間違われるような光景

ホテルから外に出るたびに自分でも「ペルーだよな、ここ?」って問いかけてしまう

プカルパ

グーグルマップを見ながらプカルパの町の中心地に向かって歩いてみる

ホテルから10分ちょっと歩けばセントロだ

夕方なのでもうそこまで強烈な暑さでもない

プカルパ

途中、何をそんなに受信してるのそれ?って思ってしまう怪しげな建物を尻目に中心にある広場に向かって進んで行く

プカルパ

そしてここがプカルパの町のセントロ、中心地だ

プカルパ

変わった形の教会にPUCALLPA(プカルパ)の町のサイン

プカルパ

サインは一文字一文字に綺麗な絵や模様があしらわれている

プカルパ

プカルパ

そこで写真を撮っていた時だった

とあるオバサンが急にまた日本語で話しかけて来た

お話してみるとなんとその方もまた日系ペルー人

ペルーって日系ペルー人が沢山いるのは知ってたけど、まさかこんなジャングルの入り口にあたるプカルパの町で次々に遭遇するなんて思ってなかった

エリザベスさんというそのオバサンは「食べる?」と言って買い物袋からチマキのような物を取り出した

プカルパ

エリザベスさんが言うにはこれは「ウミタ」という食べ物らしい

中を開けてみるとトウモロコシを潰して固めたような固形物の食べ物が入ってた

写真撮ったんだけどブレてた・・

プカルパ

メキシコでいうタマーレスみたいな食べ物かな

ほんのり自然な甘みもあって何と言うか食事とスイーツの間のような不思議な食べ物

プカルパ

その後もエリザベスさんに少し町を案内してもらい日が沈みかかったプカルパの町を練り歩く

プカルパ

エリザベスさんもお爺さんが日本人らしくて昔は日本にも住んで働いていたそうだ

エリザベスさんの苗字はコガというらしい 多分、日本の「古賀」という苗字と同じだろう

コガ・エリザベス それが彼女の名前だ

プカルパ

プカルパ

そしてエリザベスさんは「私の住んでるところを見てみる?私は今1泊3ソル(約80円)のところに泊まってるの」っと言ってきた

せっかくなのでお邪魔させてもらう事にした

プカルパ

連れて来られたのがここ

この建物の上にエリザベスさんは住んでるようだ

建物の前にはいつ油を変えたかも分からないような超絶ローカルの屋台が出てる

プカルパ

まずはエリザベスさんとここで腹ごしらえ

プカルパ

プカルパ

何か分からない飯が出来上がった お肉は鶏肉のはず

こちら7ソル(約180円)

エリザベスさんはもっと安い5ソルの食事を食べている

プカルパ

ウミタももらったし、町も少しだけど案内してもらったのでエリザベスさんの食事は僕からご馳走させてもらった

そして食事が終わるとエリザベスさんが「じゃあ部屋に行こう」と建物の上に上がる階段に案内してくれた

プカルパ

プカルパ

建物の3階に上がると廊下は暗く狭い

それでも両側にはドアがいくつもありエリザベスさんと同じくここに1日3ソルで泊まってる住人たちでこのフロアは満室

今では2階に1室空いてるだけという入居率

こんな場所がこんなにいっぱいになってるなんて

プカルパ

ここはトイレとシャワー室

シャワーは水だけ 暑いプカルパだから水だけで十分ではあるが

プカルパ

洗面台は何年洗わなかったらこうなるのかってくらいに黄ばんでる

そしてここが入れてもらったエリザベスさんの住んでる1日3ソル(80円)の部屋だ

プカルパ

プカルパ

ベッドが部屋の大半を占めており、あとは木の質素な棚があるだけ

そこにエリザベスさんの持ち物が並べてあるだけの部屋

かろうじて電気はあるって感じのところだ

こんな暗くて狭い部屋に一人で住んでるのかエリザベスさんは

「ベッドしかないけど座って。あ、コーヒー飲みますか?」

僕が返事するまでもなくエリザベスさんはお湯を沸かし始めた

この部屋で一番高価と思われるのがこのティファールもどきの湯沸かし器

プカルパ

切りかけのオレンジがそのまま置いてあり、その表面をアリが果汁を吸いながら歩いてる

エリザベスさんが出してくれたコーヒーはいつ封を開けた物か分からない、すでに開けられた物だった

プカルパ

それでも多くを持たない彼女からの精一杯のもてなしだ

僕には断れない

エリザベスさんはコーヒーを作りながら僕に1枚の写真を嬉しそうに見せてきた

それは彼女が日本で働いていた頃の写真の切れ端

プカルパ

スーツに身を包んだ若い頃のエリザベスさんがヒルトンホテルの前で撮った写真

彼女にもこんな時があったんだな

そして破かれたその隣には誰が写っていたのだろう

エリザベスさんはペルー人なのにこんな場所に一人で住んでいる

多分身よりもないのだろう

これからも彼女はここで一人で生き、その生涯を終えて行くのだろうか

そう思うとなんだか堪らない気持ちになった

プカルパ

今日町の広場で僕に声をかけて町を案内してくれて、部屋に招いてくれたのもきっと寂しかったんだろう

ずっとこんな暮らしをしてきたのだ

誰かと少しの間でも言葉を交わし同じ時間を過ごしたかったのだろう

人ってそういうもんだよね

僕には何となく分かるよエリザベスおばさん

プカルパ

本当にコーヒーありがとうね

コーヒーの暖かさとエリザベスさんの親切にしてくれる気持ちと優しさが嬉しかったです

どうかいつまでもお元気で

すっかり暗くなったプカルパの町を歩きながら宿を目指す

人間の人生はドラマだ

一人一人になにかしらのドラマがある

でもそのほとんどを知らずに僕らは生きて、いつか死んで行く

ただ、旅をしてると時折出会った人の人生のドラマの一片を垣間見る時がある

そんな小さなドラマに出くわす事もある

これもまた旅

間違いなく旅の一部

世界一周は時に素晴らしく、時に少し切なかったりする

プカルパ

プカルパは夜の22時を過ぎてもまだ27度もあった

天井のファンしかないので今夜は久々に寝苦しい夜になりそうだ

昨日のバス移動から疲れて暑くて消耗した1日が終わる

安宿のベッドのダニに足をボロボロにされながら眠りについた

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コメント

  1. yutaka akiyama より:

    いつも楽しみに拝読しております。
    自分も台北で、ばあさんに話しかけられ、同じような体験をした
    ことがあるので、その時のことを思い出しました。

    しかし、オージーはとんでもないことになっていて、再び自由に
    旅ができるのはいつのことなのでしょうね。
    とにかく無事に旅を終えられることを願っております。
    残りの期間も楽しんで、すばらしい旅を!!

    • メリ より:

      yutaka akiyama様、コメントありがとうございます!

      台北で同じような体験をされたようで
      旅をしてるとこういう事ってありますよね

      特に途上国を旅してるとよくこういう出会いを体験してるような気がします

      オーストラリアはコロナを理由にもう新たな独裁政権でも始まったかのような酷さです
      何としてもオセアニアには行きたいのですが僕の中でもオーストラリアに対する思いは薄れ始めてます

      僕の旅もおそらく残りわずかですが最後まで楽しみたいと思います

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