2018年6月24日
今日は早朝からバングラディッシュに行く日だ
僕はまた数日後にコルカタに戻って来るのでメインバッグを日本人宿サンタナに預けたままサブバッグひとつでバングラディッシュ行きのバスが出るバス会社に向かった
朝のコルカタの道路は浮浪者の人の寝床になっている
あちこちで茣蓙や布を1枚敷いただけの即席の寝床でグーグー寝ているのだ
バス会社は宿より西のサダルストリートの近くにある
サンタナからだとその会社に行くときに少し貧しい人達が暮らすエリアを通る事になる
このあたりは昼間だと大胆にざく切りされたハエのたかる肉が吊るされて売られているところ
住んでる人たちの身なりを見ても一目で貧困層の人達とわかってしまう通りだ
オジサン、屋台の上で寝なくても・・・そこが一番平べったかったのかな・・?
また朝と夕方にここを通れば水が出ている場所で行水というかもうお風呂に入ってしまってるオジサン達もよく見かける
つまりこれはこの人たちの朝シャン(死語)だ
バスは少し遅れてやって来たがこのくらいなら大きく時間をずれ込む事はないだろう
バスの中は思ったよりマシ
順調に走ったバスは午前11:30ごろに国境に辿り着いた
インド側の出国審査が思った以上の人数でイミグレの警察が全員並ばせて長い列を作ってみなイミグレに入れるのを待っている
人数が多い為に一気に入れずに一定人数ずつイミグレに入って行く
ここで前に並んでいるバングラディッシュ人の男性2人組みと少し話しながら自分達の順番を待つ 2人はインドのマンダレーに短期旅行に行ってきたようだ
今からバングラディッシュに戻るらしい
僕らがインドのイミグレに呼び込まれて無事に出国審査を通り抜けると日本と似たバングラディッシュの国旗が描かれたモニュメントが現れた
これ名前は忘れたけどバングラディッシュの偉い人
さ、ここからだけどバングラディッシュは日本人もビザの必要な国だ
そして日本人は国境でアライバルビザが取れる
通常アライバルビザが取れる場合でもビザ代が50ドルかかるのだが日本人はこのビザ代も無料なのだ
さっさとアライバルビザを貰って入国審査を抜けて国境まで乗って来たバスに乗らなければ
しかしだ、アライバルビザの場所に行くと何やらビッシリと描かれた紙を2枚渡されて必要事項を書けと言われた
紙を見てみると結構細かく色んな項目を書かされる箇所があってインド、バングラディッシュ間のボーダーだから適当でしょと思って最低限必要であろう箇所だけ埋めて用紙を渡しに行くと速攻でダメだし食らって書き直し
しかも他のバスも国境に到着して外には自分たちも待った行列が出来ていてアライバルビザのブースも混み合ってくる
焦りを感じながら今度はとりあえずわかる部分は埋めてもう一度アライバルビザの列に並んで用紙を出すも全部埋めてないからダメだと門前払い
「あのスタッフにでも聞け」と指さされた人を捕まえて聞くんだけど何か要領を得なく、その人も「ちょっと待っててね」とか言ってどこかに姿を決して全然戻ってこない
そうこうしてるうちに時間はどんどん過ぎて行く
なんとか適当でも自力で埋めてアライバルビザの列に並び直すも今度は前のセネガル人のオジサンがアライバルビザを取るのに色々揉めてて全然進まない
このあたりから「バスはまだ俺を待っててくれてるのか?」という疑問が頭をよぎる
もう周りにはさっきバスで見かけた同じ乗客たちは見当たらなくなっていた
セネガル人のオジサンが別室送りになってようやく自分の番
満を持して用紙を差し出す
「ここ各項目が違ってるだろ、ハイやり直し」
・・・・・・おい、間違ってるなら何がどう違うのか教えてくれよ
そうしてるとさっきのイミグレ職員のオジサンが「あれ?まだ居たの?」みたいな感じで戻って来てようやく記入内容をしっかり見てもらえて「ここはこう、そこはこう」と細かく教えてもらえて万全の用紙を持ってまたアライバルの列に並ぶ
ようやく自分の番になって用紙の申請が認められたようで、ビザ発行のオッサンが何やら分厚い手帳のようなものに用紙とパスポートを見ながら色々書き込むというアナログな作業が始まった
ようやく一歩前進したみたいだ
そしてパスポートにアライバルビザのハンコがバン!っと押されて今度はそれを持ってバングラディッシュの入国審査だ
ここもずいぶん並んだがすでにアライバルビザがあったので何とか通過
やっとバングラディッシュ入国!!
で、イミグレでたら外は豪雨
打ち付けられた雨のしぶきで霧が出るほどの豪雨
とりあえずこの豪雨の中、自分の乗って来たバスを探さなければ
自分が乗って来たバス会社のシャツを来たスタッフらしき人がいたので声をかけると外に出て左に進むとバス会社の事務所があるのでそこに行けと行っている
バスがまだ事務所前で待ってくれてると思い急いで向かうとそこにバスの姿は無かった
え?どうなってんだ?と思い事務所に入って聞いてみると「君の乗ってたバスはもう30分以上前に出たよ 次のバスは4時間後だ」と耳を疑うような言葉を投げかけられた
ふと事務所の時計に目をやると僕がバングラディッシュ側のイミグレに着いたときにみた時間から約1時間30分が経過していた
いつの間にかこんなに時間が経っていたのか・・さすがに国境でもそれだけの時間は待ってくれないよな
僕は陸路でアライバルビザを取り何とかバングラディッシュに入国したものの国境でバスに置いていかれるという初めての経験をする事になった
とにかく今は4時間後のバスを待つしかない
昼飯がわりに揚げパンみたいなのとサムアップというインドでもよく見かけるこっち独自のコーラー
事務所で何倍にも感じる4時間を潰した僕がスタッフからの「バスが来たぞ」という呼び声に椅子から跳ね起きダッカに向かうバスに乗り込んだ
バスは首都ダッカに向かい走り続けて夜の時間帯にある大きな川にさしかかった
車の渋滞が出来ている ここからフェリーに車を乗り入れて車ごと川を渡るようだ
フェリーにバスごと乗り込む場所は上記マップのポイント
一度フェリーに乗り込んでしまうとフェリーが川を渡る間はバスから降りて、船の看板に出れる そこではチャイなども売ってるので気分転換に夜風にあたりながらチャイを飲んでみた
そしてバスが向こう岸に着いて再び走り出し首都ダッカに到着したのは深夜の1時過ぎだった
宿はまだ予約してない 今夜は周りの浮浪者と一緒に道路のバス停で寝る事にした
以前にも書いたが、日本に住んでる時は正直浮浪者なんて底辺の人達だと思っていた
でも今は僕も同じ
ここで同じように寝て、職なし家なしで世界を浮浪している浮浪者だから